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奨学金を返済免除できる2つの制度|条件・対象者と返済できない時の減額方法

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
監修記事
奨学金を返済免除できる2つの制度|条件・対象者と返済できない時の減額方法

奨学金の返済額は平均で300万円程度もあり、卒業後に毎月コツコツと返済していこうとすれば、1~2万円ずつの返済となります。

月々の支出は1~2万円でも、特に社会人になりたての収入が不安定な時期には大きなダメージですね。奨学金の返済免除される制度を探している方も多いでしょう。

結論をお伝えすると、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の返済免除制度は2種類あります。

しかし、大学院に進んで好成績を残した人か、死亡および心身に障害がある方のみ受けられる制度で、ある一定の人にしか受けられない制度です。

本記事の前半では、返済免除制度に該当する方の条件や仕組みについてお伝えします。

おそらくほとんどの人が返済免除制度を利用できない結果がわかるでしょうが、もしも該当する方は減額制度や支払猶予が利用できないかどうかを検討してみてください。

後半では、奨学金返済免除以外の減額方法や支払猶予の方法についてお伝えします。

奨学金の支払いに困っている方は何かしらの方法で、対応してもらえる可能性があります。

そのままにして滞納するのではなく、最終的にはきちんと返済できるような方法を考えていきましょう。

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奨学金の返済免除制度は2種類|利用できる人は限られた人のみ

冒頭で簡単に触れたように、日本学生支援機構の奨学金返済免除の制度は以下の2種類あります。

  • 特に優れた業績による返済免除
  • 死亡、精神または身体の障害による返済免除

ただ、先にお伝えしますが、どちらも限られた人のみが利用可能で、多くの人は条件・対象者に当てはまらないことになります…。

詳しい制度の説明は後述しますので、まずは2種類の返済免除制度の概要から見ていきましょう。

特に優れた業績による返済免除

日本学生支援機構の奨学金の返済免除制度の1つが「特に優れた業績による返還免除」です。

その名の通り、学業やスポーツなどの成績優秀者が利用できる返済免除(もしくは減額)の制度ですが、まずは大学院まで進むことが前提となります。

死亡、精神または身体の障害による返済免除

もう1つが「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」です。

こちらもおおむね予想できるでしょうが、本人が死亡もしくは精神・身体での障害が生じた時にのみ利用できる制度です。

このように、どちらの返済免除制度も限定的にしか利用できません。

特に優れた業績による返還免除制度の条件や免除者数

『「特に優れた業績による返還免除」とは、大学院で「第一種奨学金の貸与」を受けた者のうち、在学中「特に優れた業績を挙げた者」の奨学金の全部または一部の返還が免除することができる制度です。

ここでは、特に優れた業績による返還免除制度についてご紹介します。

特に優れた業績による返還免除制度を受ける条件

返済免除制度を受けるための条件は以下の通りです。

  1. 大学院まで進んでいること
  2. 第一種奨学生であること
  3. 優れた業績を修めていること

大学院まで進んでいること

まず、優れた業績による返還免除を受けるためには、大学院(修士課程・専門職学位課程・博士課程)に進んでいる必要があります。

すでに大学を卒業して就職しているような人は、そもそもの対象にはなりません。

まず、この時点で多くの人が対象から外れてしまうでしょう。

第一種奨学生であること

第一種奨学金とは、無利子で受けられる貸与型の奨学金です。

そもそも第一種奨学金に選考されるためにも、優れた学生(もしくは経済的理由で修学困難)である必要があります。

日本学生支援機構の奨学金制度を利用している人であれば、ご自身の奨学金を確認してみればわかるでしょうが、多くの場合第二種奨学金となっており、返済免除を受けられる条件には当てはまりません。

優れた業績を修めていること

その名の通り、優れた業績を修めている必要がありますが、単に成績が良いだけではいけません。

学問分野での顕著な成果や発明・発見のほか、専攻分野に関する文化・芸術・スポーツにおけるめざましい活躍、ボランティア等での顕著な社会貢献等も含めて評価し、学生の学修へのインセンティブ向上を目的としています。

お申込手続きは、貸与終了する奨学生が在学する大学長に願い出、大学長から本機構へ推薦される必要があります。

引用元:特に優れた業績による返還免除

つまり、大学院まで進んだ奨学生が大学の学長から「この人は特に成績優秀だから奨学金を免除してやってくれ」という旨の推薦状をもらわないといけません。

条件さえ満たせば返済免除される可能性は高い

令和元年に特に優れた業績により返済免除を受けた学生は、対象の約30%となる7,473人でした。

そのうちの約25%(1,840人)が全額免除、残り約75%(5,633人)が半額免除です。

課程

付与終了者数

推薦者数

免除者数

全額免除者数

半額免除者数

 
 

修士課程

21,538

6,468

6,461

1,456

5,005

 

専門職学位課程

868

272

260

63

197

 

博士課程

2,232

806

752

321

431

 

24,638

7,546

7,473

1,840

5,633

 

※左右にスライドできます。

上記の条件さえ満たしていれば、3割の確率で免除を受けることができるでしょう。

特に優れた業績による返還免除を受ける為に大切な2つのポイント

特に優れた業績による返済免除を受けるためには、単に学業優秀だけで良いものではありません。

以下の点に気を付けておきましょう。

ポイント1:申請書は高得点が付くように記入する

奨学金免除の申請書には、

  • 大学院における研究テーマの概要
  • 教育研究活動などの業績
  • 特に優れた業績の要旨について添付されている解説書

この3点に従って記入していきますが、ここで自分の実績がいかに有意義であるかを主張していきます。

申請書を審査する方は各項目ごとに「0点〜2点」の点を付けていき、合計点の多い順に免除する人を決めているからです。

ポイント2:学外での成績も重視しておく

世間に認められる結果とは、学内の成績が良いだけではありません。

学外の学会発表や表彰、海外発表、ジャーナルへの論文掲載、プレスリリース、特許出願、ボランティア活動など、学外での活動における業績はかなりのポイントになります。

このあたりは就職活動と同じですね。

大学院での成績が優秀であるのは前提条件ですので、ほかの奨学生と差別化を図るには学外での活動で実績を上げるのが一番でしょう。

そして、重要なのは学外の活動に参加したことを証明する資料などは必ず残しておくことです。

とくにプレスのあった新聞を手に入れるのは難しいので、自分の名前が世の中に出た資料は必ず残しておきましょう。

死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除の条件と申請方法

もう一方の死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除についてご紹介します。

返済免除を受けるための条件

死亡または精神もしくは身体の障害による返済免除を受けるための条件は以下の3つです。

  1. 奨学金を借りた人が死亡した場合
  2. 精神若しくは身体の障害によって労働能力を喪失した場合
  3. または労働能力に高度の制限を有しているため返還ができなくなった場合

「奨学金返還免除願」などの必要書類を提出し認可してもらうことで、奨学金の全額か一部を返還免除されます。

返済免除制度を受ける流れ

返済免除制度を受ける流れは以下の通りです。

【債務】返済免除制度を受ける流れ

この申出を行う際、滞納金が発生している場合は、まず滞納金の対処をおこなう必要があります。

詳しい手続きについては、申出の際に相談してください。

願書に必要な書類

【精神若しくは身体の障害の場合】

奨学金返還免除願(本人、連帯保証人連署。機関保証制度加入者は本人のみ)。

  1. 返還不能の事情を証する書類(家庭状況書)
  2. 医師又は歯科医師の診断書(日本学生支援機構所定の用紙)

※願出の内容によっては一般猶予の願出をする場合があります。

【死亡の場合】

奨学金返還免除願(相続人・連帯保証人連署・機関保証制度加入者は相続人のみ)

  1. 本人死亡の事実を記載した戸籍抄本(コピー不可)
  2. 個人事項証明書又は住民票等の公的証明書(コピー不可)

提出・問い合わせ先

  • 独立行政法人日本学生支援機構 奨学金返還相談センター
  • 電話: 0570-666-301(全国共通・ナビダイヤル)
  • 月曜~金曜(祝日・年末年始を除く)

※海外からの電話や一部IP電話は、専用ダイヤル03-6743-6100を利用

奨学金の返済免除は難しくても減額や支払猶予はできる

ここまでお伝えした通り、返還免除制度を利用して奨学金の返済を免除してもらえる人は限られた方だけとなります。

ただし、上記の条件に当てはまらなかった方でも、返済期限を延ばしたり、毎月の返済額を減らしたりすることは可能です。

その方法をご紹介します。

減額返還制度を利用する

日本学生支援機構には、免除制度以外に減額返還制度があります。

減額返還制度では、月々の返済額を減らし、長期的に返済をしていくための制度です。

主に経済的理由で返済が困難な人が利用できますが、延滞金がないことが条件となるため、ご注意ください。

返還制度の主な特徴としては下記の3点があります。

  • 一度の申請につき1年の適用(最大で10年の利用が可能)
  • 返済期間は長くなる
  • 返済金額の総額は変わらない(制度利用期間中の利息分は国庫が負担)

返還減額制度の対象条件

対象条件は、「災害、傷病、その他経済的理由により返済が困難である」方で、経済的理由の返済困難の場合の指標は以下の目安となります。

  • 会社員など:給与所得が325万円以下
  • 自営業:収入-経費が225万円以下

また、お伝えした通り、延滞金がないことも条件のひとつです。

もし延滞金がある状態の方は、先に延滞分を返済しておく必要があります。

返還期限猶予を活用する

返還期限猶予とは、奨学金の返済の期限を延ばす制度で、「猶予期間が10年間の一般猶予」と「猶予期間が無制限の返還期限猶予」の2つに分かれます。

何かしらの理由で返済が困難な場合には、返還期限猶予も検討してみてください。

一般猶予

一般猶予では、一度の申請につき1年の猶予期間を得ることができ、最大で10年の猶予期間を得る事が可能です。

以下の条件に該当する場合に利用することができますので、多くの人が該当し得るでしょう。

  • 産休、育児休暇が必要
  • 入学準備中
  • 病気や怪我
  • 生活保護を受けている
  • 失業中
  • 経済的に困難
  • 災害に遭遇した
  • 海外派遣または海外で研究中である

生活保護を受けている方や、産休・育児休暇が必要な方、在学中の方や、海外派遣者、災害に遭った方に関しては、その期間中に限りの返還期限は無制限となります。

また経済的に困難な条件は以下の通りです。

  • 会社員など:給与所得300万円以下
  • 自営業:所得が200万円以下

所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予

所得連動返還無利子奨学金制度は、奨学金を借りた学生がある一定以上の収入が得られるまで返還期限を待ってもらえる制度です。

2012年からスタートした新しい制度で、減額返還と併用することもできますが、無利子の第一種奨学金の奨学金の人のみが対象となります。

利用できる人の収入の条件は一般猶予と同じく以下の所得額となっています。

  • 会社員など:給与所得300万円以下
  • 自営業:所得が200万円以下

奨学金は債務整理でも返済免除だが保証人に影響が出る

奨学金は借金の一種ですから、自己破産や個人再生などの裁判所を介した手続きによって返済免除や1/5程度まで減額することも可能です。

また、奨学金以外の借金がある場合には、他の借金も同様に免除・減額されます。

ただし、自己破産や個人再生をすることで、保証人に請求がされたり、財産を失ったりするなどの大きなデメリットも出てきますので注意してください。

債務整理をする際の注意点

個人再生と自己破産を利用した場合、減額・免除された分が保証人に一括請求が行われます

そのため、基本的にはまずは上記の減額返還制度や返還期限猶予制度を検討しましょう。

また、債務整理には任意整理もありますが、こちらは債権者との交渉によって利息カットや支払期限の延長などを見直してもらいます。

こちらも上記の減額・返還期限猶予制度とほぼ同じ結果になりますので、先に制度利用を検討した方が良いでしょう。

利息カットについても、奨学金の利息自体が微々たるものであったり、無利子の場合も多かったりしますので、ほとんど効果がないことが考えられます。

もし、奨学金を大幅に減額できる個人再生や自己破産を利用する場合は、必ず先に保証人と相談しておきましょう。

奨学金の返済だけであれば、一時的に協力してくれる保証人(特にご両親の場合)も多いでしょう。

債務整理がおすすめの人

以下の場合は、債務整理を検討することをおすすめします。

  • 減額免除の制度が適用されない
  • 奨学金以外にも借金がある
  • 返済能力がない

奨学金に限らず、借金は返済が遅れるほど利息や延滞金が膨らむので、後々の債務整理で多額の負債を保証人に肩代わりしてもらうよりは、早い段階で債務整理をおこなった方が保証人への影響を少なく抑えられるかもしれません。

どちらにせよ、手遅れになる前に一度、保証人と話し合いましょう。

実際に債務整理を検討する段階になったのであれば、債務整理のプロである弁護士に一度相談しておくことを強くおすすめします。

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まとめ

奨学金の返済免除は一部の方にしか該当しない限られた制度です。

しかし、減額返還制度や返還期限猶予制度などまで視野を広げれば、利用できる制度は増える可能性が高くなりえます。

利用条件とご自身の状況を照らし合わせて、奨学金を滞納する前に早めに相談しましょう。

また、他の借金もあって奨学金の返済が難しい場合には、債務整理の選択肢に入ってきます。

債務整理をおこなう前には、必ず弁護士に相談して、状況に合った債務整理の方法のアドバイスを受けてください。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
多重債務、闇金、カード破産など、あらゆる借金問題を得意とし、多数の実績あり。個人再生・任意整理・自己破産など、ケースに応じた債務整理法を提案し、相談者と二人三脚で丁寧迅速な解決を目指している。

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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。