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お金がない時でも病院で治療を受ける方法と使える制度

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
お金がない時でも病院で治療を受ける方法と使える制度

「病気やケガになったけどお金がないから病院に行けない…」お金がない方にとって診察料や治療費の支払いは負担が大きいと思います。ですが、お金がない方が病院に行くためにはどうすればよいのでしょうか?

本記事では、お金がない時に、病院での治療を受けるために必要なことをご紹介します。

借金に苦しめられている方へ

多額の借金に苦しめられ、病院にもいけないと不安な方もいるではないでしょうか。

借金の救済手段として、債務整理というものが存在します。

債務整理には、借金の減額や免除が認められる方法があります。

ただそれぞれの方法には、メリット・デメリットがあるため、自身の状況に合った方法を取らなければなりません。

借金でお悩みの方は、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談するメリットは、以下の通りです。

  • 自身の状況にあった解決策を知ることができる
  • 債務整理の違いについて解説してもらえる
  • 弁護士費用について知れる など

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お金がないけど病院に行きたい場合の2つの手段

お金がないけど、病院にいなければならない』時の対処方法をご紹介します。

分割・後払いを提案する

窓口にて分割払いまたは後払いを提案しましょう。病院によっては、分割払いや後払いで対応してくれます。

ジェネリック医薬品を処方してもらう

治療費を払うお金が足りない方は、通常の薬よりも低額のジェネリック医薬品を処方してもらいましょう。また、処方箋は発行から4日間は有効です。処方時にお金がない場合は、発行時から4日以内に薬局へ行くようにしましょう。

お金がない方が病院で治療を受けるために利用できる行政の制度

続いて、お金がない方が病院で治療を受けるための制度をご紹介します。

無料低額診療を利用する【保険料を滞納している場合】

収入の低い方や、保険証が利用できない方(1~6ヶ月の保険料の滞納者)は無料低額診療の利用を検討しましょう。無料低額診療とは、災害や失業により生活が困難な方が無料で治療を受けるための制度です。

《無料低額診療の対象者》

  • 生活保護受給者
  • 低所得者(収入に目安あるが自治体によって異なる)
  • ホームレス
  • DV被害者
  • 人身取引の被害者 など

この制度を利用するためには、管轄の自治体の生活福祉課へ相談してください。自治体によって手続きの流れは異なりますが、収入や生活状況について質問されることが多いようです。そのため、収入が証明できる書類(給料明細、年金通知書、預金通帳など)を事前に用意することをおすすめします。

参考:医療費がどうしても支払えないとき:新宿区

一部負担金減免制度【災害に遭った場合】

災害により居住地が損害を受けた方や、農業や漁業にかかわっていて干ばつや冷害により経済的損失を受けた方は、一部負担金減免制度を適用させることで、自己負担分の医療費を猶予(支払期限を最大半年まで延長)または減額、免除できます。

この制度を申請するためには、

  • 国民健康保険一部負担金減免等申請書
  • 収入証明できる書類
  • 医師の意見書

などの書類が必要になります。申請方法について詳しくは「一部負担金減免制度の実施状況 - 厚生労働省」を参考にしてください。

高額医療制度を適用させる【医療費が高額で支払えない場合】

高額医療制度を適用させることで、一定の額(自己負担限度額)以上の医療費を負担する必要がなくなります。医療費が自己負担限度額を超えた場合、実質負担額との差額分のお金を後に行政へ請求できます。

表:高額医療制度の自己負担限度額

月収(標準報酬月額)

自己負担限度額

例(総医療費100万円の場合)

83万円以上

252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

254,180円

53~79万円の方

167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

171,820円

28~50万円

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

87,430円

26万円以下

57,600円

低所得者(非課税者)

35,400円

参考:「高額な医療費を支払ったとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

申請する場合は、

などの提出を求められますが、詳しくはご自身が加入している公的医療機関(健康保険組合、協会けんぽの都道府県支部、共済組合など)へ確認しましょう。

限度額適用認定証を事前に申請しておく

しかし、高額医療制度は、支払ったお金と限度額の差額分が返金される制度であり、治療費を支払うタイミングでは全額負担しなければなりません。

そのため、突然の出費に対応することが難しい方は、限度額適用認定証を事前に申請しましょう。認定証を提示することで、上限額以上の治療費を窓口で負担する必要がなくなります。申請は、ご自身が加入指定している公的医療機関で行いますが、詳しくは加入先の公的医療機関で確認しましょう。

引用元:全国健康保健協会|健康保険限度額適用認定申請書

軽減制度を利用する【保険料の支払いが厳しい場合】

健康保険の保険料の支払い自体が厳しい方は、保険料の軽減制度を利用しましょう。制度を適用させることで2~7割の保険料が軽減できますが、適用を受けるためには基準の所得条件を満たす必要があります。

制度の申請はお住いの地域を管轄する自治体で行う上に、自治体によって制度の内容が異なるかもしれないので、詳しくはお近くの自治体にて確認しましょう。

参考:「国民健康保険料の均等割額の軽減制度 | 世田谷区

生活保護を受給する

医療費や保険料を払えるほどの経済的余裕がない方は、生活保護を検討しましょう。

  • 働けないこと
  • 資産がないこと
  • 家族がサポートしてくれないこと

などが生活保護を受けるための条件ですが、生活保護を受けることで、保険料、医療費共に負担する必要がなくなります。

参考:「生活保護制度 |厚生労働省

借金が原因で病院にいけない方は債務整理を検討する

もし借金が原因で病院に行く余裕がない方は、債務整理を検討しましょう。債務整理は、交渉または裁判所を介して返済の負担を減らすことができる制度です。

弁護士・司法書士に借金減額を依頼

  • 任意整理:貸金業者との交渉により返済の負担を減らす(遅延損害金・将来利息免除など)ための手続き
  • 個人再生:裁判所から認可を貰うことで、持ち家を残したまま借金を減額(最大9割)できる制度
  • 自己破産:住宅や車などの財産は換価処分されるが、裁判所から認可を得ることで借金が全額免除できる制度

債務者の状況によって適した手続きは異なりますが、ご自身に合った手続きがわからない方は弁護士へ相談することをおすすめします。相談者に適した解決方法を提案してもらえるでしょう。

まとめ

本記事ではお金がない方が、病院で治療を受けるための対処方法について紹介しました。病院に行きたいけどお金がなくて困っている方の参考になれば幸いです。

【弁護士費用参考】

自己破産:https://saimuseiri-pro.com/columns/self-bankruptcy/33/

任意整理:https://saimuseiri-pro.com/columns/nini-seiri/16/

個人再生:https://saimuseiri-pro.com/columns/kojin-saisei/224/

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。