債務整理とは、借金(債務)の減額や返済猶予、過払い利息の返還などの手続きの総称です。借金を抱えている人のなかには、返済以外の方法で借金を減らすことに非現実的なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、債務整理は法律で認められた制度で、年間数百万人が利用しているといわれています。
具体的には、債権者(お金を貸している側)との交渉や、裁判所への申立てによって借金減額・返済猶予を実現しますが、個人でこれらを行うのは難しいため、弁護士・司法書士に依頼して手続きを代行してもらうのが一般的です。また、債務整理にはいくつかの種類があり、それぞれに利用条件やメリット・デメリットがあるため、自分の状況に合った債務整理がどれなのか相談するところから始まるケースも多くあります。依頼者側も、事前に各債務整理方法の特徴を簡単に理解しておくと、相談がしやすくなるでしょう。
※このほか、任意整理と似た債務整理効果が見込める手続きとして「特定調停」というものもあります。
任意整理は、債権者(お金を貸している側)と交渉することにより返済額の圧縮や返済期間の猶予(延長)を目指す手続きです。裁判所を通さない私的な手続きで、法的な条件などはなく、比較的簡便で短期間に手続きが完了することが多いのが特徴です。周囲にも発覚しにくいため、依頼者側の心理的ハードルも低く、債務整理のなかでは最も利用者が多いといわれています。
任意整理をもっと詳しく知る個人再生は、裁判所に申し立てることにより、元金を含めた借金総額を大幅に減らす手続きで、最大で90%の借金を減額することができます。自己破産とは異なり、持ち家などの資産を保持したままにすることも可能です。裁判所を通す公的な手続きなので、利用にはいくつかの条件があります。元金を含めて借金を減らさないと返済の目途が立たない場合に検討するとよいでしょう。
個人再生をもっと詳しく知る自己破産は、裁判所に申し立てることにより、原則すべての借金を免除してもらう手続きです。一方で、所有するほとんどの財産も処分することになります。公的な手続きなので利用条件がありますが、多額の借金を抱えていて返済の目途が立たないような場合、特に初回はハードルがそれほど高くありません。日常生活がままならないような場合には、自己破産して再スタートを切るほうが合理的なケースも多くあります。
自己破産をもっと詳しく知る闇金とは、違法な契約方法・金利で貸付けを行う業者のことです。借入れの際の審査が緩く、借入れ前は物腰も柔らかですが、口車に乗せられていざ借入れをしてしまうと法外な利息を請求され、態度も一変して違法な取り立てが行われます。まずは闇金業者の特徴を知って、絶対に借入れをしないようにすることが大切です。すでに闇金からお金を借りてしまっている場合、一般的な債務整理とは別の方法で解決させる必要があります。