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国民年金は、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務があります。
自身の老後のために積み立てるのではなく、現在では保険料を支払っている人が年金をもらっている人達を支えるという世代間扶養の仕組みとなっています。
少子化問題や消えた年金問題などで年金に関する不安があっても、国民には納付義務があるので年金について真剣に考えなければいけません。
「支払い忘れや意図的な滞納では差し押さえのリスクがある」ということもきちんと把握しておく必要があります。
本記事では、年金未納で差押えを受ける場合の流れや、差押えの条件などを解説します。
国民年金を滞納した場合、財産の差押えを受ける可能性があります。
ここでは、実際の未納率や差押え件数などについて解説します。
厚生労働省の公表資料によると、2023年度の国民年金の納付率は83.1%となっています。
納付率は右肩上がりの状態が続いている一方、未納者は約79万人で前年度よりも10万人ほど減少しており、それでもまだ一定数の未納者がいるという状態にあります。
厚生労働省の公表資料によると、2023年度に実施された年金未納による差押え件数は3万789件となっています。
また、年金未納者に対する最終催告状の送付件数は17万6,779件、督促状の送付件数は10万2,238件となっており、これらにも応じなかった場合に最終手段として差押えが実行されます。
国民年金の支払いには時効があり、納付期限から2年を過ぎると支払義務が消滅します(国民年金法第102条4項)。
ただし、実際には滞納状態が続くと督促状などが届き、その時点で時効はリセットされるため、基本的に時効で逃げ切ることは困難です。
国民年金を滞納しているからといって、全てのケースで差押えが実行されるわけではありません。
差押えの対象となるのは以下のようなケースです。
所得とは「収入から各種控除や必要経費などを差し引いた金額」のことを指します。
たとえば「月収40万円・必要経費10万円」という場合、1ヵ月あたりの所得額は30万円、年間取得額は360万円で300万円を超えているため、差押えの対象となります。
「国民年金の未納期間が7ヵ月以上」ということも差押えの条件です。
すでに滞納状態が続いており、もうすぐ7ヵ月経ちそうな場合は、速やかに分割納付や免除申請などをおこないましょう。
国民年金を滞納して差押えがおこなわれる場合、基本的には以下のような流れで進行します。
はじめのうちは電話や書面などで支払いを求める通知がおこなわれます。
通知を受けても無視していると「特別催告状」という書類が届いて支払いを催促され、それでも支払わない場合は「最終催告状」が届きます。
最終催告状には、支払い期限のほか、期限を過ぎても支払わない場合は差押えを実行する旨などが記載されています。
なお、ここまでの段階であれば、納付猶予の申請などをおこなっても認めてもらえる可能性があります。
最終催告状が届いても無視していると「督促状」が届きます。
督促状には、支払い期限や差押えの実行などについて記載されているほか、期限を過ぎても支払わない場合はペナルティとして延滞金なども発生します。
督促状が届いても無視していると「差押予告通知書」が届きます。
これは差押え前に送られる最後の書類であり、この段階で滞納者に対する財産調査などもおこなわれています。
差押予告通知書が届いても無視していると、財産の差押えがおこなわれます。
具体的にどのような財産が差押えられるのかについては「国民年金の未納で差押えの対象になる財産・ならない財産」で後述します。
国民年金の未納によって差押えがおこなわれる場合、主に以下のような財産が対象となります。
一方、例外として以下のような財産は差押えの対象外となります。
失業中や病気などの理由でどうしても支払えない場合は、以下のような対応を検討しましょう。
国民年金保険料には納付猶予や免除などの制度があります。
学生・生活保護受給者・失業者・前年所得が一定額以下の方・産前産後期間中の方など、さまざまな方が対象となり、免除については全額・4分の3・半額・4分の1の4種類あります。
納付猶予や免除を受けることで将来の受給額は減ってしまいますが、10年以内であれば追納することで受給額を増やすこともできます。
なお、これらの制度を利用するには申請書などを作成して申請する必要があり、具体的な流れや必要書類などについては「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」をご確認ください。
債務整理とは借金問題を解決する手続きの総称のことで、具体的には以下のような方法があります。
手続きによってそれぞれメリット・デメリットがあり、たとえば任意整理の場合は減額効果が比較的小さく、自己破産の場合は価値のある財産を処分する必要があります。
どれが向いているのかは状況によって異なるうえ、特に個人再生や自己破産では裁判所とのやり取りなども必要であるため、債務整理を検討する際は弁護士や司法書士に相談しましょう。
事務所によっては「何度でも相談無料」というところもあり、依頼はせずに相談だけ利用することも可能ですので、依頼するかどうか悩んでいる方も一度利用してみることをおすすめします。
ここでは、年金未納時の差押えに関するよくある質問について解説します。
年金未納のまま放置していると、財産の差押えを受ける可能性があります。
督促状に記載されている支払い期限を過ぎてしまうと延滞金なども発生するため、なるべく早いうちに対応しましょう。
「国民年金の未納期間が7ヵ月以上」「年間所得額が300万円以上」などの条件を満たしている場合、差押え対象となります。
具体的な期間は不明ですが、国民年金の未納期間が7ヵ月以上になると差押えに向けた手続きが進められます。
最終的には、差押予告通知書に記載された期限内に支払えないと差押えが実行されるため、差押えを回避するためには無視せず期間内に支払いましょう。
国民年金法第88条2項・3項に基づき、国民年金の未納については配偶者などの同居家族の財産も差押え対象になります。
国民年金の支払いは国民の義務であるため、当然ですが滞納などはせずに支払うようにしましょう。
もし失業中や病気などの理由で支払いが難しい場合は、納付猶予や免除などが認められる可能性があるため、差押えを受ける前に速やかに申請手続きをおこないましょう。
借金を抱えている場合は債務整理が効果的ですが、状況によって取るべき対応は異なるため、債務整理が得意な弁護士や司法書士に相談してみることをおすすめします。
当サイト「ベンナビ債務整理」では、「初回相談無料」「何度でも相談無料」などの事務所を多数掲載しているので、まずは一度利用してみましょう。
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