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年金未納の差押えを回避するには?免除・猶予申請の手順と督促状が来た後の動き方

年金未納の差押えを回避するには?免除・猶予申請の手順と督促状が来た後の動き方

国民年金の未納が続くと、督促状や差押予告通知が届き、最終的には預貯金や給与などの財産が差し押さえられるリスクがあります。

特に差押予告通知が届いた段階は、いつ差押えが実行されてもおかしくない最終局面です。

「もう手遅れかもしれない」「明日にも口座が凍結されたらどうしよう」と強い不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、放置せず適切な手続きをとれば、差押えを回避・未然に防げる可能性は十分にあります。

本記事では、年金未納による差押えを回避するための具体的な方法を、弁護士の立場から分かりやすく解説します。

未納から差押えまでの法的な流れや、対象となる財産、通知が届いた直後の緊急対処法まで網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

年金未納による差押えを回避する方法3選

国民年金を滞納した場合、財産の差押えを受ける可能性があります。

ここでは、実際の未納率や差押え件数などについて解説します。

1. 免除・納付猶予制度を申請する

収入の減少や失業などで支払いが厳しい場合は、まず「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」の申請を検討してください。

申請が承認されれば、差押えの対象から外れるだけでなく、万が一の際の障害年金や遺族年金の受給資格も守られます

免除・猶予制度は、主に以下のとおりです。

制度 所得基準の目安(前年所得が以下金額の範囲内) 将来の年金額への反映
全額免除 (扶養親族などの数+1)×35万円+32万円 全額納付時の2分の1
4分の3免除 88万円+扶養親族などの控除額+社会保険料控除額など 全額納付時の8分の5
半額免除 128万円+扶養親族などの控除額+社会保険料控除額など 全額納付時の8分の6
4分の1免除 168万円+扶養親族などの控除額+社会保険料控除額など 全額納付時の8分の7
納付猶予(50歳未満) (扶養親族などの数+1)×35万円+32万円 反映されない
学生納付特例 128万円+扶養親族などの数×38万円+社会保険料控除など

免除や猶予を受けた期間は、年金の「受給資格期間」としてカウントされます。

ただし、将来受け取る年金額は全額納付した場合に比べて減額されるため、生活が落ち着いたあとに過去の分を納める「追納(ついのう)」制度の活用も視野に入れておきましょう。

失業を理由とする申請では、離職票や雇用保険受給資格者証などが必要です。

また、過去2年1ヵ月前までであれば遡って申請できる場合もあります

対象になるかご自身で判断が難しい場合も、まずは年金事務所へ足を運んでみてください。

2. 未納分を速やかに一括または分割で納付する

差押えを確実に回避する最も直接的な方法は、未納分の保険料を納付することです。

すでに督促状や差押予告通知が届いている段階であっても、納付が確認できれば滞納処分(差押え)の手続きはストップします

どうしても一括での納付が難しい場合は、年金事務所の窓口で分割納付の相談に乗ってもらえるケースがあります。

現在の収入や支出の状況を正直に伝え、無理のない範囲で毎月いくらなら支払えるか、具体的な返済計画を提示してみましょう。

なお、督促状の指定期限を過ぎてしまうと、本来の保険料に加えて「延滞金」が日割りで加算されます

放置するほど支払い総額が膨らむため、1日でも早い対応が負担を最小限に抑えるコツです。

3. 年金事務所へ状況を相談・連絡する

「一括では払えないが、分割なら払えるかもしれない」「手続きのやり方が分からない」といった場合は、放置せずにすぐ管轄の年金事務所へ連絡してください

行政からの通知を無視し続けることが、最も差押えの時期を早める危険な行為です。

窓口や電話では、「現在の収入状況では一括納付が難しいため、分割払いや免除申請の相談をしたい」と誠実に伝えることが重要です。

支払う意思があることを示せば、強硬な差押えを一旦待ってもらえる可能性があります。

なお、言った・言わないのトラブルを防ぐためにも、連絡した「日時」と対応した「担当者名」、そして「相談内容」は必ずメモに残しておきましょう。

年金未納で差押えの予告通知書が届いたときの対処法3つ

年金未納による差押予告通知書が届いたら、猶予はありません。

対応を先延ばしにできる段階ではなく、当日中の行動が求められます。

ここでは、通知書が届いたその日にやるべきことを、3つのステップに分けて解説します。

1. 通知書の内容を確認する

差押予告通知書が届いたら、怖がらずにすぐ封を開けて中身を確認してください。

放置すればするほど選択肢は狭まり、強制的な差押えの執行が迫ってきます。

特に注意すべきは「指定納付期限」と「最終の納付期限までの残り日数」です。

カレンダーに印をつけるなどして、「あと何日猶予があるのか」を視覚的に把握し、今どれくらい急ぐべきかを確認しましょう。

2. 当日中に年金事務所へ電話する

期限を確認したら、その日のうちに管轄の年金事務所へ電話を入れてください

「差押予告通知書が届きましたが、一括での納付が難しいため、分割納付や免除申請について相談させてください」と、現在の苦しい状況と支払う意思があることを素直に伝えることが大切です。

電話の受付時間は、平日8:30~17:15が基本です(月曜日は19:00まで、第2土曜日は9:30~16:00も対応)。

もし通知書に記載された番号に繋がらない場合は、「ねんきんダイヤル(0570-05-1165)」も活用しましょう。

なお、言った・言わないの行き違いを防ぐため、電話をした「日時」と「対応した担当者の名前」は必ずメモに残しておいてください

3. 期限内に納付または免除申請を完了する

差押えの執行を回避するために、指定期限内に完了させるべき手続きは以下のいずれかです。

  • 未納分の一括納付
  • 年金事務所の窓口での分割納付の相談・合意
  • 免除・納付猶予制度の申請手続き

これらの手続きを期限内に正しく行い、年金事務所に認められれば、ひとまず差押えに向けた手続きはストップします。

書類の準備や窓口の混雑を考慮し、期限ギリギリではなく、余裕を持って行動することが身を守る鉄則です。

【注意:他からの借金で苦しんでいる場合】 もし、「消費者金融やクレジットカードのリボ払いなど、他の借金返済に追われて年金が払えない」という状況であれば、速やかに弁護士や司法書士に相談してください

※注意点として、専門家が介入しても年金や税金の差押えを直接止めることはできません(自己破産をしても年金の支払い義務は消えません)。

しかし、専門家の手続きによって「民間の借金」を減額・免除できれば、浮いたお金を年金の支払いに充てて生活を立て直すことが可能になります。

年金未納のままだと財産が差し押さえられる

国民年金の未納は決して珍しいことではありませんが、「周りも払っていないから大丈夫」と放置するのは非常に危険です。

放置を続けると、最終的には財産の差押え(強制徴収)へ発展します。

ここでは、未納率や実際の差押え件数、そして「時効で支払いを逃れられるのか」という疑問について、法的な観点から解説します。

国民年金の未納率は約15%

国民年金の納付率は約85%で推移しており、裏を返すと約15%(約7人に1人)が保険料を納められていない状況です。

「自分だけではない」と感じるかもしれませんが、決して安心材料にはなりません。

払えない事情があっても、無届のまま放置していれば「滞納者」として扱われ、督促状や差押予告通知が届くリスクが高まります。

未納期間がある方は、放置せずに「免除」や「猶予」の手続きをとることが、法的なリスクを回避する唯一の方法です。

年金未納による差押え件数は約2万7,000件

「差押えなんて、よほど悪質な滞納者だけ」と思われがちですが、2024年度(令和6年度)には実際に2万6,797件もの差押えが執行されています。

近年、行政側はきちんと納めている人との不公平感をなくすため、未納者への強制徴収を年々強化しています。

具体的には「控除後所得が300万円以上かつ未納月数が7ヶ月以上」などの基準に該当すると、優先的な強制徴収の対象となり、手続きが機械的に進められます。

差押えの対象となるのは、預貯金や給与、不動産、自動車など現金化しやすい財産です。

銀行口座が凍結されて残額が全額回収されたり、毎月の給与から一定額が強制的に引き落とされたりするため、生活や社会的な信用に重大な支障をきたします。

国民年金の支払いには時効があるが逃げ切るのは難しい

「国民年金には2年の時効があるから、逃げ切れるのでは?」と考える方もいるかもしれません。

たしかに法律上、保険料を徴収する権利は2年で消滅します(国民年金法第102条4項)。

しかし、時効によって支払いを逃れられるケースは実務上ほぼ皆無です。

なぜなら、国から「督促状」が届いた時点で、それまでの時効期間がリセット(法的には『時効の更新』)され、再びゼロから2年のカウントがやり直しになるためです(同法第102条5項)。

国は未納から2年が経過する前に必ず督促状を発付するため、放置している限り時効が成立することはありません。

放置を続けると延滞金(年利最大14.6%程度)が日割りで加算され、支払うべき総額が増えていくだけです。

時効を期待して逃げ切ろうとするのはデメリットしかありません。

収入が厳しい場合は、早めに年金事務所へ申し出て、免除申請や分割納付の手続きを進めましょう。

年金未納で差押えの「優先対象」となる3つの基準 

年金の未納が続いた際、誰から順番に差押え(滞納処分)が行われるのかは、日本年金機構が定める「重点対策の対象基準」によって決まります。

ここでは、差押えのターゲットとして選定されやすい3つの基準を確認していきましょう。 

控除後の年間所得が300万円以上

現在、差押えの優先対象として定められている大きな目安が、「控除後の年間所得が300万円以上」ある人です。

所得が高い人ほど納付能力があると判断されるため、行政側も優先的に強制徴収の手続きを進めます。

ただし、年間所得が300万円未満だからといって絶対に差し押さえられない(法律上の免除条件である)わけではありません。

これはあくまで行政の「優先順位」であり、放置して延滞金が積み上がったり、将来的に所得が増えたりしたタイミングで、突然差押えの対象になるリスクは十分にあります

未納期間が7ヵ月以上

未納が連続して「7ヵ月以上」続くと、悪質な滞納として差押えの対象者に選定される段階に入ります。

注意すべきは、この「所得300万・未納7ヶ月」という基準は年々厳格化(引き下げ)されているという事実です。

今後さらに基準が厳しくなり、対象範囲が広がる可能性は十分にあります。

「まだ未納が半年だから大丈夫」と油断せず、早めに対応することが身を守る鉄則です。

未納が続いている方は、早めに対応しておくのが安心です。

繰り返しの督促を無視している

日本年金機構から送られてくる催告書(お知らせ)の段階を過ぎ、法的効力を持つ「督促状」や「差押予告通知書」を無視し続けることは、差押え実行への直接的な引き金となります。

特に「督促状」には指定納期限(通常は発送日から10日以上先)が設定されており、この納期限を1日でも過ぎた時点で、法律上はいつ財産を差し押さえられてもおかしくない状態に陥ります。

しかし裏を返せば、この最終的な通知が届いた時点でも、速やかに年金事務所へ連絡して納付相談や免除申請を行えば、差押えを回避できる余地は残されています。

重要な封筒が届いたら絶対に放置せず、その日のうちに動けるところから始めてください

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国民年金の未納で差し押さえを受けるまでの流れ

未納が続いた場合でも、何の前触れもなく差押えがおこなわれることはありません。

年金の未納から差押えに至るまでには、4つの流れがあります。

どのように差押えまで進むのか、流れを確認しておきましょう。

1. 納付勧奨

未納が発生して最初に始まるのが、電話やハガキ、書面による「納付勧奨」です。

この段階の連絡には、直接財産を差し押さえるような「法的な強制力」はありません。

注意点として、初期の電話やハガキは、日本年金機構から委託を受けた民間の債権回収業者から来るケースが多々あります

「年金事務所ではないから」と詐欺を疑って無視してしまうと、滞納が悪質だと判断される原因になるため注意が必要です。

それでも未納を放置していると、日本年金機構から「特別催告状」という書面が段階的に送付されるようになります

特別催告状の封筒は、滞納状況の深刻さに応じて以下のように色が変化していくのが一般的です。

封筒の色 状況の目安
青色 未納状況の案内・自主納付の促し
黄色 警告の強化・法的措置の可能性を示唆
赤色(ピンク色) 特別催告状の最終段階・このあとさらに最終催告状が届く

特に「赤色(ピンク色)」の封筒が届いた場合、いつ法的な強制手続き(督促状の発行)に移行してもおかしくない極めて危険な状態です。

封筒の色が赤に変わる前に、年金事務所へ免除や分割の相談を行うことが重要です。 

2. 督促状の送付

納付勧奨を無視し続けると、次に「督促状」が届きます

これはハガキや電話によるお願いとは異なり、国民年金法(第96条)に基づいて送付される「法的効力を持つ公式な警告書」です。

督促状には「指定期限」が記載されており、これを1日でも過ぎると、本来の納期限に遡って「延滞金」が加算されます。

指定期限を過ぎた瞬間に多額の延滞金を背負うことになるため、決して軽く見てはいけません。

督促状が届いた時点で取れる対応は、主に以下の3つです。

  1. 未納分を納付する
  2. 免除・猶予の申請を行う
  3. 年金事務所の窓口で分割納付の相談をする

放置すればするほど最終的な負担は大きくなり、差押えへのカウントダウンが進んでしまいます。

3. 差押予告通知書の送付

督促状の指定期限を過ぎても未納が続くと、「差押予告通知書」が届きます

これが、強制執行を避けるための実質的なラストチャンス(最終通告)です。

通知書が届いてから差押えが執行されるまでの猶予はごくわずかであり、届いた当日に速やかに行動する必要があります。

まずは通知書に記載された未納総額を確認し、当日中に年金事務所へ連絡してください。

「一括では払えないが分割で納付したい」「免除申請の対象になるか確認したい」と支払う意思を伝えることで、ギリギリのところで差押えの手続きが止まるケースがあります。

なお、差押えのターゲットになりやすいのは「給与」と「預貯金」です。

これらは現金化のハードルが低いため、真っ先に狙われる傾向があります。

4. 差押えの執行

差押予告通知書を放置すると、最終的に「差押え」が執行されます。

民間の借金とは異なり、国民年金などの公的債権は「裁判所の判決(許可)」を必要としません。

国税徴収法に基づき、年金事務所が直接あなたの勤務先や金融機関に対して財産調査を行い、ある日突然、強制的に財産を没収します。

差し押さえられた財産は、未納分の保険料と延滞金に強制充当されます。

【注意:執行されてしまった後の対応について】 

もし差押えが執行されてしまった後、「生活が全く成り立たない」というほど困窮した場合でも、「納得がいかない」という理由だけで法的な不服申立て(審査請求など)をして覆すことはできません

この場合、年金事務所に対して「換価の猶予(財産の売却を待ってもらう)」や「滞納処分の停止(差押えの執行停止)」という法的な救済措置を相談・申請することになります。

また、他に多額の借金があって生活が破綻している場合は、速やかに弁護士や司法書士に相談し、自己破産などの債務整理を含めた生活再建の手段を検討してください。

差押えの対象になる財産・ならない財産

年金の差押え(強制徴収)が実行された場合でも、個人の財産がすべて無差別に奪われるわけではありません

法律(国税徴収法など)により、生活に最低限必要な財産は「差押禁止財産」として守られる仕組みになっています。

ここでは、差押えの対象になる財産と、法律で守られる財産を整理して解説します。

対象になる財産

差し押さえの対象となる財産は幅広く、現金化しやすいものから優先的に選ばれます。 

財産の種類 差押えの特徴
給与 手取りの4分の1までが上限
預貯金 残高全額が対象になる可能性あり
現金 66万円を超える部分が対象
不動産・動産(自動車など) 売却して未納分に充当されるケースも
生命保険の解約返戻金 解約して充当されるケースも
有価証券・美術品・貴金属類 価値のある財産は広く対象になる

特に優先されるのが「預貯金」と「給与」です。

給与が差し押さえられる場合、手取り額(総支給額から税金や社会保険料を引いた額)が44万円以下であれば、差押えの上限は手取りの4分の1までと定められています。

例えば手取り20万円の方であれば、最大5万円が差し押さえられ、残りの15万円は生活費として手元に残ります(※手取りが44万円を超える場合は、33万円を超えた部分が全額差押えの対象となります)。

【実務上の超重要注意点:給与口座の差押え】

 「給与は4分の1しか差し押さえられないから安心」と考えるのは非常に危険です。

給与が銀行口座に振り込まれた瞬間、法律上は「給与」ではなく「預貯金」という扱いになります。

年金事務所が預貯金口座を差し押さえた場合、口座内にあるお金が給与であっても残高全額が凍結・回収されてしまうケースがあります。

給与振込直後の口座を狙われると、事実上生活費の全額を失うリスクがあるため注意してください。

対象にならない財産

一方で、滞納者の最低限の生活を保障するため、以下の財産は法律で差押えが禁止されています。 

守られる財産 内容
現金 66万円までの部分
給与 手取り額の4分の3まで
生活必需品 衣服・寝具・家具・台所用品・食料・燃料など
生活保護費 全額対象外

このように、住む家の中にある日常の生活用品や、66万円までの現金が根こそぎ持っていかれることはありません

ただし、生活保護費や各種手当なども「口座に振り込まれた後」は預貯金として機械的に差し押さえられてしまうトラブルが多発しています。

万が一このような事態になった場合は、速やかに弁護士や年金事務所に相談し、差押えの解除や返還を求める手続きを行う必要があります。

年金未納の原因が借金返済の場合に差押えを回避する方法

多重債務などの借金返済に追われて年金が未納になっている場合、年金事務所へ相談するのと並行して、「借金そのもの」を法的に整理(債務整理)することが根本的な解決に繋がります

大前提として、自己破産や個人再生をしても「国民年金の未納分」が減額・免除されることはありません(非免責債権)。

しかし、民間の借金返済を減らしたりゼロにしたりすることで生活を立て直し、浮いたお金を年金の支払いに充てることで、差押えを回避することが可能になります。

ここでは、借金問題を解決するための3つの手続きについて解説します。

任意整理|月々の返済額を減らす

任意整理は、裁判所を通さずにクレジットカード会社や消費者金融と直接交渉し、将来発生する利息をカットして月々の返済額を減らす手続きです。

整理する借金を自分で選べるため、保証人がいる借金や車のローンなどを除外して進めることができます。

たとえば、月5万円のカード返済が任意整理によって月2万円に減れば、差額の3万円を年金の支払いに回せます。

年金の差押えリスクを回避しつつ、無理のないペースで生活を立て直せる、最も利用者の多い手続きです。

個人再生|借金を大幅に圧縮する

個人再生は、裁判所を通じて借金の総額を最大で5分の1程度(最低100万円)まで大幅に圧縮してもらう手続きです。

借金総額が大きく、任意整理では返済の目処が立たないケースで有効な選択肢となります。

最大のメリットは「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用できる点です。

これにより、マイホームを手放すことなく、それ以外の借金だけを大幅に減額できます。

ただし、個人再生は手続きが非常に複雑であり、安定した収入があることが条件となるため、法律の専門家によるサポートが不可欠です。

自己破産|全ての借金を免責してもらう

自己破産は、裁判所に申し立てをおこない、民間の借金の返済義務をすべて免除してもらう手続きです。

生活を根底から立て直す強力な手段ですが、持ち家や一定以上の価値がある車などの財産は手放す必要があります

繰り返しになりますが、自己破産をして免責が認められても、年金や税金などの滞納分は免除されません。

しかし、他の借金がゼロになれば、年金事務所と現実的な分割納付の協議がしやすくなります。

収入自体が少ない場合は、並行して年金の免除申請も忘れずに行いましょう。

借金と年金未納の問題が絡み合っている場合、一人で悩んでいても事態は悪化する一方です。

弁護士に相談することで、債権者からの督促を止めつつ、年金の差押えを回避するための総合的な解決策を導き出すことができます。

年金未納による差押え以外のリスク3つ

年金の未納を放置するリスクは、財産の差押えだけではありません

将来もらえるはずのお金が減る、あるいは万が一の際に国からの補償が一切受けられなくなるなど、人生設計を根底から揺るがす事態に直結します。

ここでは、未納によって生じる3つの重大なリスクについて解説します。

将来受け取れる老齢年金が減る

未納期間が長くなるほど、将来受け取れる「老齢基礎年金」の額は確実に減っていきます

年金額は原則として「満額(月額約6万8,000円~7万円程度)× 納付月数 ÷ 480ヵ月(40年)」の計算式で決まります。

たとえば、未納期間が10年(120ヵ月)ある場合、月額は約5万円台にまで下がり、満額納付した人に比べて毎月約1.7万円近い差が一生涯続くことになります。

なお、「免除」を受けた期間も将来の年金額は一定割合(全額免除なら通常の2分の1など)で減額されますが、生活が安定したあとに過去の分を納める「追納(ついのう)」を行えば、満額に近づけることが可能です。

加入期間不足で年金を一切受け取れなくなる

老後に年金を受け取るためには、保険料を納めた期間などの「受給資格期間」がトータルで10年(120か月)以上必要です。

これに1ヵ月でも満たない場合、老後の年金は1円も受け取れません(掛け捨てになります)。

受給資格期間に含まれるのは、主に以下の期間です。

  • 保険料を全額納付した期間
  • 免除・納付猶予を受けた期間
  • 会社員や公務員だった期間(厚生年金・共済組合の加入期間)
  • 合算対象期間(カラ期間)

未納のまま放置した期間は、この10年には一切カウントされません。

しかし、お金がなくて払えなくても「免除申請」をして承認されれば、その期間は受給資格期間としてカウントされます。

「無年金」という最悪の事態を避けるためにも、未納のまま放置することだけは絶対に避けてください

障害年金・遺族年金が受け取れなくなる

老後より前に直面する最も恐ろしいリスクが、障害年金と遺族年金の受給資格の喪失です。

障害年金や遺族年金を受け取るには、「加入期間の3分の2以上で保険料を納付または免除されていること」や「直近1年間に未納がないこと」などの厳しい条件があります。

もし未納を放置している間に、交通事故で重い障害を負ったり、病気で急死したりした場合、本来なら数千万単位で支給されるはずの障害年金や遺族年金が一切支給されず、残された家族が路頭に迷う危険性があります。

免除申請さえしておけば、万が一の際の補償は守られます。

「自分のため」はもちろん、「家族の生活を守るため」にも、一刻も早く年金事務所で手続きを行うことが重要です。

年金未納による差押えを回避したい場合は「ベンナビ債務整理」で弁護士に相談

消費者金融やクレジットカードのリボ払いなど、「他からの借金返済に追われて国民年金が払えない」という状況に陥っている場合は、ベンナビ債務整理を活用して弁護士や司法書士へ相談するのが最も確実な解決策です。

ベンナビ債務整理では、借金問題(債務整理)の解決実績が豊富な全国の法律事務所を無料で検索できます。

「年金未納だけの問題」であれば直接年金事務所へ行く必要がありますが、借金が絡んでいる場合は、まず法律の専門家に民間の借金を減額・免除してもらわなければ生活の立て直しは不可能です。

掲載されている事務所の多くが「初回相談無料」に対応しており、手元にお金がなくても費用を気にせず話を聞いてもらえます。

「差押予告通知が届いてしまった」「督促状を無視し続けている」といった緊急事態であっても、地域や相談内容に合わせて、即日対応が可能な事務所を絞り込んで探すことが可能です。

差押えのタイムリミットが迫る中、一人で「どう動けばいいかわからない」と悩むのは非常に危険です。

まずは検索画面から自分の状況に近い事務所を探し、「借金がいくら減るのか」だけでも無料相談で確認してみてください

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年金未納による差押えに関するよくある質問

ここでは、年金未納による差押えに関してよくある質問を紹介します。

年金未納による差押えに不安を感じている方は、以下の質問も確認してみてください。

Q1. 差し押さえられるまで何年かかる?

A1. 概ね1年~2年程度で差押えに至るケースが多いですが、状況次第で早まることもあります

年金の未納が「7か月以上」続くと、差押えの重点対象として選定されます。

そこから納付勧奨や特別催告状、督促状などのステップを踏むため、最初の未納から実際に財産が差し押さえられるまでは1年~2年程度かかるのが一般的です。

ただし、届いた通知を無視し続けるほど次の段階へ進むスピードは早まります

「まだ数か月だから大丈夫」と油断せず、通知が届いた段階で早急に対応することが大切です。

Q2. 家族の財産も差し押さえられる?

A2. 世帯主や配偶者の財産が差し押さえられる可能性があります。

国民年金法第88条2項、3項では、世帯主や配偶者に「連帯納付義務」が定められています

本人が未納のままだと、本人だけでなく世帯主や配偶者宛てに督促状が届き、最悪の場合は家族の財産が差し押さえられます。

たとえば、「実家暮らしの20代の子どもが無職で年金を滞納し、世帯主である父親の給与が差し押さえられる」「専業主婦の妻の未納分で、夫の口座が凍結される」といったケースは決して珍しくありません。

「自分には関係ない」と思わず、家族全員の納付状況や免除申請の有無を確認しておくことを強くおすすめします。

Q3. 年金未納があるかどうか確認する方法は?

A3. 「ねんきんネット」「ねんきん定期便」「年金事務所への問い合わせ」の3つで確認できます。

未納の心当たりがある方は、まず以下のいずれかの方法で現状を確認してください。

未納が見つかっても、早めに対処すれば免除申請や分割納付で差押えは回避できます。

確認方法 内容
ねんきんネット マイナポータル連携またはIDの取得でログインし、納付記録や未納月を確認できる
ねんきん定期便 毎年誕生月に届くハガキや封書で、納付状況を確認できる
年金事務所への問い合わせ 本人確認ができれば、担当者に直接未納状況や今後の手続きについて相談できる 

現状を把握することが、解決への第一歩です。

年金の未納が見つかった場合も、免除申請や分割納付など、対応できる方法は残されています

Q4. 年金を払わないと逮捕される?

A4. 年金の未納を理由に逮捕される(刑事罰を受ける)ことはありません

国民年金保険料を払わないこと自体は犯罪ではないため、警察に逮捕されたり前科がついたりすることはありません。

しかし、逮捕という刑事罰がない代わりに、国税徴収法に基づく「財産の強制的な差押え(行政処分)」が待ち受けています

前触れなく口座が凍結されたり、勤務先に通知がいって給料から強制天引きされたりするため、社会生活に大きなダメージを受けます。

Q5. 生活保護受給中でも差し押さえられる?

A5. 生活保護費そのものは差し押さえられません

生活保護法(第58条)により、支給される生活保護費を差し押さえることは法律で明確に禁止されています。

また、生活保護受給者は国民年金法に基づく「法定免除」の対象となるため(国民年金法第89条1項2号)、所定の届け出をすれば保険料は全額免除され、新たな未納は発生しません

ただし、生活保護費が「銀行口座に振り込まれた後」は、預貯金とみなされて機械的に差し押さえられてしまうトラブルが起こり得ます。また、受給開始前の過去の未納分がある場合は、放置せずに生活保護を受給している旨を年金事務所へ伝え、「滞納処分の停止」などの相談を行うことが重要です。

Q6. 年金は所得が300万円以下でも差し押さえられる?

A6. はい、所得が300万円以下であっても差し押さえられるリスクは十分にあります

「所得300万円以上、未納7か月以上」という基準は、日本年金機構が強制徴収を効率的に行うための「優先順位の目安」に過ぎず、この基準を下回れば法律上差押えを免除されるというわけではありません。 

過去にもこの対象基準は段階的に引き下げられて(厳格化されて)きた経緯があり、今後さらに範囲が広がる可能性もあります。

所得が低い場合は放置せず、「全額免除」や「一部免除」の申請を行うことで、合法的に差押えのリスクをゼロにすることが最も確実な対策です。

まとめ|国民年金未納による差押え回避は弁護士へ相談

国民年金の未納による差押えは、ある日突然実行されるわけではありません

「納付勧奨・督促状・差押予告通知」という段階を経て進むため、通知が届いた時点ですぐに行動すれば、差押えを回避できる可能性は十分にあります。

今後の取るべき行動は、未納の原因によって異なります。

  • 単に収入が減って支払えない場合
    放置せず、その日のうちに「年金事務所」へ連絡してください。未納分の分割納付や、免除・猶予の申請など、状況に応じた救済措置の手続きを進めましょう。
  • 他からの借金返済に追われて支払えない場合
    この場合は、弁護士や司法書士へ「債務整理」を相談するのが解決への最短ルートです。民間の借金を減額・免除することで生活を立て直し、浮いたお金を年金の支払いに充てることができます。

「借金と年金未納の二重苦」で差押えを回避したい方は、「ベンナビ債務整理」の利用がおすすめです。

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年金未納による差押えは、通知が届いてから時間が経つほど選択肢が少なくなり、取り返しのつかない事態を招きます。

手遅れになって大切な財産や生活基盤を失う前に、まずは無料相談を活用して、専門家と一緒に解決の糸口を見つけてください。

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この記事の監修者
札幌パシフィック法律事務所
佐々木 光嗣 (札幌弁護士会)
2018年2月に札幌パシフィック法律事務所を設立。スタッフも一丸となり「身近なリーガルパートナー」として迅速な問題解決を目指す。
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。