任意整理後に支払いを滞納(延滞)する3つのリスク|正しい対処法とは
任意整理後の弁済期間は3~5年と長いので、支払いを滞納するケースも考えられます。しかし、支払いを滞納すると、一括返済を求められたり、延滞金を請求されたりするリスクがあるので、避けなければなりません。
この記事では、
- 任意整理後に支払いを滞納するリスク
- 延滞しそうなときの対応|必ず連絡を入れる
- 任意整理後に返済が困難になったときの対処法
などについて説明しているので、任意整理後に返済を滞納しそうな方などに読んでいただければ幸いです。
【関連記事】任意整理とは?
任意整理後に支払いを滞納するリスク
和解案では、債務額を確定した上で、これを一定期間に渡って分割返済していく合意をするのが通常です。
そして、この合意では、支払いを一回でも怠った場合は期限の利益(分割払いの利益)を喪失すると定められていることが通常です。したがって、和解後に支払いを怠った場合は以下のようなリスクがあります。
リスク①一括返済を求められる
期限の利益が失われるということは、借金の一括返済を求められるということです。
ただでさえ債務超過で支払いが困難なところに一括返済を求められればひとたまりもありません。場合によっては自己破産も検討せざるを得ません。
リスク②延滞金が発生する可能性がある
和解書では、支払いを怠った場合に一定の遅延利息を定めるのが通常です。
したがって、一括返済を求められ、これを支払えないと、莫大な元本に多額の遅延利息がかかってくることになります。
【延滞金の計算方法】
借入残高×遅延損害金利率(14~20%)÷365×延滞日数
【計算例】
一括返済額:100万円
遅延損害利率:15%
延滞日数:15日
1,000,000×0.15÷365×10=約4,109円
リスク③強制執行(差し押さえ)を受ける可能性がある
強制執行とは、債権者が債務者の財産を強制的に回収・換金する法的手続です。
債権者が訴訟を提起して一括返済を求めた場合、最終的には判決で支払いを命じられて強制執行手続きが取られる可能性もあります。
延滞しそうなときの対応|必ず連絡を入れる
延滞しそうなときは、必ず以下の相手に必ず連絡しましょう。
依頼している弁護士・司法書士に連絡する
弁護士・司法書士に依頼している場合は、支払いが遅れそうであることを伝えて必要なアドバイスを受けてください。
そのうえで、弁護士・司法書士から債権者に遅延のおそれがあることを伝えてもらい、善後策を協議してもらいましょう。
なお、そもそも返済継続が困難である場合、この段階で自己破産等を相談しても良いでしょう。
債権者に連絡する
弁護士に依頼していない場合は、自身で直接債権者に連絡して、今後の処理を協議してください。何の相談も連絡もなく支払いをしないということはやめましょう。
任意整理後に返済が困難になったときの対処法
任意整理後に、借金の返済が困難になった場合は、以下の措置を取れば解決できます。
再度和解をする
任意整理後に和解案通りの返済ができなくなった場合に、もう一度債権者と交渉して和解を試みることはあり得ます。
しかし、このような対応が可能かどうかは債権者次第です。これまで返済の実績がある場合は、債権者も柔軟に対応してくれるかもしれませんが、そうでない場合は再度の和解は拒否される可能性も十分あります。
そのような場合は、自己破産などの法的手続きを検討せざるを得ません。
個人再生を検討する
個人再生とは、最大で借金を10分の1までカットしてもらえる債務整理の方法です。継続的な収入があり、借金の総額が5,000万円以下ならば、任意整理から個人再生に切り替えることができます。
個人再生は、裁判所で行う手続きであるため、弁護士や司法書士に依頼するのがおすすめです。個人再生に切り替えたい場合は、一度弁護士に相談してみましょう。
自己破産を検討する
自己破産とは、裁判所の許可を得てすべての借金をゼロにさせる債務整理です。借金を滞納しており、返済できる能力がない人は、自己破産を申し立てることができます。
自己破産も、裁判所を介して行う手続きなので、申立を行いたい場合は、弁護士や司法書士に相談してみてください。
【自己破産を検討している方はこちらをチェック】
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まとめ|任意整理後に滞納しそうになったら弁護士・司法書士へ相談を
任意整理後に延滞をすることになってしまったら、債権者や担当の弁護士・司法書士に必ず連絡をしてください。
何も連絡・相談なく、約束を破ることは社会人としてやってはいけません。
もし、どうしても返済が困難な場合は、個人再生や自己破産などの法的手続を検討しましょう。
この場合は一度弁護士・司法書士に相談してみましょう。最後になりますが、あなたが借金問題から解放され、日常生活に復帰できるよう願っています。
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