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任意整理を弁護士に相談・交渉を依頼するメリットと費用まとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
任意整理を弁護士に相談・交渉を依頼するメリットと費用まとめ
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借金問題を弁護士や司法書士に依頼するメリット

  • 「生活が苦しく借金を減らしたい」
  • 「業者からの取り立てで精神的に追い込まれている」

そんな時は、弁護士や司法書士など借金問題の専門家に依頼することをオススメします。また専門家への依頼には、以下のようなメリットがあります。

  1. 貸金業者からの督促・取り立てを最短即日で止められるので不安な日々から脱却できる
  2. 借金を減額・整理するための適切な方法を提示してくれるので借金問題を効果的に解決できる
  3. 手続き上の書類作成などを代行してもらえてラク
  4. 過払い金の調査をしてもらえて、うまくいけば借金が貯金になる

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【関連記事】任意整理とは?

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任意整理は相手との話し合いで解決する債務整理方法なので交渉力が必要不可欠です。そのため、「お金を払ってでもプロに交渉してもらったほうが得だ」と考える人が多く、任意整理を行う人の8割以上が弁護士に依頼を行っています。

それでは、実際に弁護士依頼をすると交渉も含めそれ以外にも具体的にどのようなメリットがあるのか、また、依頼した際の費用はいくらかかるのかなどを今回の記事でまとめていきましょう。

この記事に記載の情報は2023年11月22日時点のものです

任意整理を弁護士に依頼した際のメリット

任意整理を行うには、書類を作成したり、手続きをしたりという作業もあります。また債権者との交渉が何より重要になるので、コミュニケーション力や折衝力、そして実績に裏打ちされた経験力が物を言います。

実際に任意整理を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

即時取り立てSTOP

弁護士が案件を受任した段階で、まず債権者に対して、受任通知(弁護士が、ご依頼者様から依頼を受けたことを知らせる通知)を送ります。受任通知が届いてから取り立てを行うことは違法なので、基本的には即時債権者からの督促が止まります。

面倒な手続きから解放される

基本的に書類の作成、裁判所を介してのやりとり、債権者とのやりとり、裁判そのものを弁護士に任せることが出来るので、自身で行うよりも精神的、体力的な負担から解放され、手続きにかかる時間も短縮されます。債権者がいる以上一人の問題ではないので、失敗のない迅速な解決が重要と言えるでしょう。

主な手続き

  • 債権調査
  • 利息制限法に基づく引き直し計算
  • 弁済案(債権者との交渉をまとめるための案)の作成

交渉成立したり主張が通りやすくなる

債権者や裁判官に普通なら通用しないことでも、弁護士が窓口になれば通用するという事例がいくらでもあります。この弁護士による交渉についての詳細は、次項で解説していきましょう。

弁護士の交渉術は任意整理で有益な結果をもたらす

何かトラブルが起きた時には、弁護士が介入することで自身にとって有利な結果を得やすくなります。これは任意整理においても同様です。

弁護士は交渉のノウハウを知っている

弁護士は心理戦のプロでもあります。依頼主が有利になるようなことを、あたかも“債権者にとっても有益であるかのように”意識付けることが出来ます。その為のストーリー(流れ)もきちんと作成し、また、債権者が和解に納得しない時の切り札をいくつも用意しておきます。

弁護士による交渉で得られる具体的なメリット

長期分割返済に持ち込める

弁護士は、長期分割返済という案を出すことも出来ます。これは今の支払い額を少額にして、そのかわりに長期で返済できるようにしてくれないかという案になります。これが通れば月々の返済の負担はかなり軽減されることになります。

減額交渉ができる

弁護士は法に基づき、減額交渉も行ってくれることがあります。これはその名の通り、借金額を減らすための交渉です。債権者側は常に「自己破産されては困る」という心理状態にあるので、弁護士はその心理状態をうまく利用して、交渉に応じた方が逆にメリットがあると業者側に思わせて、減額を飲ませることが可能なのです。

任意整理を弁護士と司法書士に依頼した場合の比較

借金問題の解決を望む人の9割が法の専門家に相談していると言われていますが、中でも弁護士に依頼する人が多い理由は、弁護士は重要書類の作成や、裁判の代理人となることを含め法律に関わる全ての業務を行えるからでしょう。

司法書士や行政書士の業務内容は、法律事務の全般とはされず、限定されています。(司法書士の業務内容としては登記や供託の手続が第一に掲げられており、これらは弁護士にもできる業務です。)以下に詳しくまとめましょう。

任意整理において扱える金額

1社あたりの債務額が140万円を超える場合には、司法書士(認定司法書士のみ)は任意整理を代行することができません。一方、弁護士は扱える金額に制限がなく、140万円を超えても任意整理を代行することが可能です。

依頼可能な内容

弁護士は任意整理全般の代行業務や、法的な手続きをしてくれます。

任意整理を弁護士に依頼した際の弁護士費用

諭吉

弁護士に任意整理に依頼した場合、およそいくらかかるのかは以下の通りです。

成功報酬は3種類

任意整理を弁護士に依頼すると、弁護士への成功報酬と呼ばれる費用が発生します。成功報酬に関しては解決報酬金、減額報酬金、過払い報酬金の3つに分かれており、解決報酬金は案件が解決したことにより発生する費用、減額報酬金は過払い金によって減額できた借金の割合によって発生する費用、過払い報酬とは借金の額より過払い金が上回っていた場合、回収できた過払い金の割合によって発生する費用です。

任意整理をする人の多くは、何社からも借入を行っています。借入先によっては借入残高より過払い金の方が高額な場合があり、過払い報酬とはそのために発生する費用であり、過払い金が借入残高より上回っていない場合は発生しません。そのため業者ごとに減額報酬が発生するか、過払い報酬か発生するかで分かれます。

任意整理を弁護士に頼んだ場合の費用相場

  • 着手金:約2万円(1社あたり)
  • 報酬金:約2万円(1社あたり)
  • 減額報酬:約10~15%
  • 過払い報酬:約10~25%

任意整理に関する費用の詳細は、以下の記事も参考にしてみて下さい。

 

任意整理が得意な弁護士に出会う為の5つのポイント

任意整理を含む債務整理は、弁護士に相談することが間違いのないスタートの切り方です。弁護士選びを徹底すればするほど、自身にとって満足のいく結果が得られやすくなると言えるでしょう。

無料相談が出来るか

債務整理を考えている人は当然お金に困っているわけですから、そういった依頼者の心理をよく心得ている弁護士は、だいたい債務整理に関する相談は初回無料で受け付けてくれます。

無料相談が行える事務所を、セカンドオピニオンという形で何件もあたってみるのも良いでしょう。

費用・支払い方法が明確か

弁護士費用を口頭で明確にしてくれても、それを書面で確認できなければ、本来味方であるはずの弁護士とももめてしまうという最悪のケースに発展しかねません。依頼者の気持ちを汲み取り、親身になって相談に乗ろうとしている弁護士であれば、契約書などの重要書面はしっかりと作ってくれます。

知識・経験・実績が豊富か

弁護士事務所のホームページを見てみて、債務整理専門を謳っているかどうかがポイントになります。債務整理を専門として扱っているわけですから、過去に事例がないためにバタつくというリスクはまず避けることが出来るでしょう。

また、債務整理の実績が多く掲載されていたり、債務整理の費用が事細かく書かれていたり、債務整理に関連する解説が掲載されていれば、それだけ債務整理に注力していることの証明になります。

ホームページに事務所の情報や様々なコンテンツが充実しているか

代表者やスタッフの写真や事務所内の写真が載せられている、公式ブログが定期的に更新されている、「お客様の声」「よくある質問」といったコンテンツが充実している、こういったホームページは、悩みを抱えて不安を感じている依頼者に対しとても気が利いていると言えます。

あなたとの相性が良いか

迅速に債務整理を行う上で、弁護士の債務整理の手腕は勿論、債務者(依頼者)との相性も重要になってきます。真摯な対応で話を聞いてくれたり、話しやすさや弁護士が持つ雰囲気も、最終的に依頼を行うかどうかのポイントにしていきましょう。

過去に問題を起こしていないかどうかをチェック

依頼を受けたにも関わらずに放置した、依頼者に説明なくして高額な費用を支払わせたなど、トラブルを起こした弁護士は弁護士会から懲戒を受けることになります。懲戒されたことがあるかどうかを調べるには、インターネット検索サービス(弁護士懲戒処分検索センター)を利用してみて下さい。

弁護士懲戒処分検索センターhttp://shyster.sakura.ne.jp/ 弁護士名などで検索してみましょう。

弁護士に任意整理の相談をしてから解決までの流れ

任意整理の手続きにかかる期間は3~6ヶ月と言われ、また、任意整理が完了してからの返済期間は平均して3~5年と言われています。それでは任意整理の主な流れと、それに伴う所要期間を以下で解説していきましょう。

① 債務調査を行う

借り入れ総額、借り入れ日、返済金額などを明確にして、債務調査票として書面にします。

②受任

専門家へ任意整理の依頼を行い、専門家が依頼を受任した段階で、各債権者へ受任通知を郵送します。

③利息による引き直し計算

利息制限法で引き直し計算(正しい金利を元に今までの返済総額や利息を計算しなおして、実際に支払った金額との差額分(過払い金)を算出するための計算方法)を行います。そして、払いすぎていた場合は元本にあてて借金を減らしていきます。

利息制限法とは、暴利や貸主による搾取から消費者を保護するために、お金を借りるときに生じる金利の割合に上限を設けたものであり、その割合は元金により異なります。
  • 元本額が10万円未満の借金  → 年20%まで
  • 元本額が100万円未満の借金 → 年18%まで
  • 元本額が100万円以上の借金 → 年15%まで
受任から引き直し計算の完了まで約2ヶ月程度の期間を要します。

④和解交渉

消費者金融など貸金業者各社へ整理案を送り、月々の分割金額などの条件について、弁護士に依頼していれば弁護士が交渉に入ります。

⑤和解契約の締結

交渉が成立した業者から、和解契約書の締結を行っていきます。

受任から締結まで、約3~6ヶ月程度の期間を要します。

⑥支払い開始

すべての業者と和解が成立したら終了となります。

弁護士費用が払えない場合

財布をあけたら1円しかない

弁護士に任意整理を依頼したい…けれどもそこまでの手持ちがない…そんな時にはどのようにしたら良いでしょうか?以下にまとめました。

弁護士費用の支払いが延滞した場合のリスク

弁護士に任意整理を依頼すると、弁護士費用がかかる以外は有益なことばかりですが、任意整理後に分割払いを怠った際は、利息より高利率の遅延損害金(延滞利息)を請求されるリスクがあるので、この点だけはくれぐれも注意しましょう。

弁護士費用の分割をお願いしてみる

借金に困って任意整理を行うわけですから、弁護士側も当然そういった債務者の状況や心理は把握しています。したがって、弁護士費用を分割で支払える事務所や、後払いが可能な事務所も数多くあります。

法テラスの建て替え制度する

弁護士費用が工面するのが難しい人が取るべき手段の一つとして、法テラスの民事法律扶助制度の利用があります。民事法律扶助制度とは、低所得者に向けて設けられた制度であり、制度を介して法テラスから弁護士費用の立て替えをしてもらえます。立て替えた費用分は、任意整理の完了後に、法テラスへ月々5000円ずつ返済していきます

制度を介して着手金の減額、報酬金の免除なども受けることも可能ですが、低所得者を対象とした制度であるため、ある一定以上の所得水準を超える人は利用することができません。

個人でもできる特定調停を行う

任意整理ではなく、特定調停で解決できないかを検討してみましょう。

特定調停とは?

民事調停法の特例として定められており、平成12年2月17日施行という比較的新しい制度で、支払い不能に陥るおそれのある債務者(借金をしている人)を経済的に立ち直らせることを目的としています。専門家に頼ることなく個人でも比較的簡単に手続きができるので、借金の返済に困っているならば利用する価値があります。

 

特定調停と任意整理の違い

特定調停も任意整理も債権者からの取立は止まりますが、任意整理は弁護士からの受任通知でただちに取り立てが止まるのに対し、特定調停は実際に裁判所に申立をしない限り取り立てが止まりません。

また、特定調停のほうが解決までに時間がかかるケースが大半です。調停委員が仲裁に入るとはいえ、基本的には本人が各債権者と交渉する必要があるからです。

まとめ

本記事で、弁護士への任意整理を依頼するにあたってのメリットもデメリットもおわかりいただけたかと思います。ただ、こうして悩んでいる今も借金問題の解決までの時間を費やしています。費用面は気になっても、文中に記述したとおり分割払いが可能な事務所が大半ですので、一刻も早くに依頼を検討してみるのが吉でしょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。