新型コロナで借金が返せないなら債務整理で解決へ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、収入が大きく減り、借金の返済が困難になっている人が日本中に数多くいます。

  • 借金を返せる目途が立たなくなった
  • 借金を滞納することが確実になった

このような状況になってしまった場合、どうすればいいのでしょうか?

この記事では、新型コロナの影響で借金返済が難しくなってしまった人が取るべき「債務整理」という救済措置について解説していきます。返済困難になっている場合は放置せず、記事を読んで早めに債務整理を行うことをおすすめします。

また、新型コロナ関連の相談窓口なども紹介しているので、併せて参考にしてください。

借金で悩んでいる人が知っておきたい新型コロナ関連の最新トピック

この記事の執筆時点(2020年6月15日)において、借金の悩みを抱えている人が知っておきたい新型コロナウイルスに関する最新のトピックをまとめました。

ひとり親支援の給付金

対象者は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、家計が急変し、直近の収入が、児童扶養手当の対象となる水準に下がった者です。

※令和2年6月分の児童扶養手当の支給を受けている者は申請の必要はないです。

※公的年金給付等を受けていることにより児童扶養手当の支給を受けていない者と新型コロナウイルスの影響で直近の収入が、児童扶養手当の対象となる水準に下がった者は申請が必要になります。

給付額は1世帯当たり5万円、第2子以降1人につき3万円となっています。

参考:令和2年度厚生労働省第二次補正予算案の概要|厚生労働省

1人10万円の給付は差し押さえ対象外

国会で一人当たり10万円の給付金を金融機関が差し押さえることを禁じる法律が制定された。

他にも児童手当の受給世帯を対象とした子供一人当たりの1万円に関しても差し押さえの対象とすることを禁止した。

参考:給付の10万円、金融機関の差し押さえ禁止 法律が成立|朝日新聞デジタル

休業要請に対する協力金

32の都道府県が施設・店舗への休業要請を決め、そのうち27の自治体が協力金などの金銭的な支援策に乗り出すようです。

参考:休業要請、32都道府県に 8割超「協力金」など支援策|朝日新聞デジタル

持続化給付金について

売上が減少した事業者に給付される予定の「持続化給付金」(法人:200万円、個人事業者等:100万円)について、申請の受付は補正予算成立後1週間程度で開始し、電子申請の場合は申請後2週間程度で給付されるようです。

参考:持続化給付金に関するよくあるお問合せ|経済産業省

【中小企業向け】雇用維持策とは

コロナショックが終わった時に備え、従業員を確保しておきたい、しかし、資金繰りが難しい。

そんな方のために解決策を二つ紹介します。

一つ目は「持続化給付金」です。新型コロナウイルスによって売り上げが急激に減少した中小企業に対しては最大200万円、個人事業主に対しては最大100万円を支給するというものです。

二つ目は「雇用調整助成金」があります。従業員の休業手当の最大10割、上限15,000円が国によって負担されることが先日発表された第二次補正予算案によって決まりました。

雇用調整助成金以外の政府の支援政策についてまとめているので「コロナで収入減!相談先や給付金、学生の救済措置まとめ」もご覧ください。

新型コロナウイルス感染拡大が借金のある人に与えている影響

新型コロナウイルスによる不況の影響はさまざまなところで見ることができます。

新型コロナウイルスの感染の拡大の影響を踏まえ、社会では外出自粛が唱えられ、人出は少なくなってしまいました。

この影響を直接的に受けたのは個人事業主でした。

個人事業主は自分の給料だけではなく、従業員の給料やその他その他諸経費などの固定費の支出が重くのしかかっています。

こうした支出を補填するためにやむをえず借金をしてしまうといった人や、借金がもともとある状況から再び借金をせざるを得なくなったという人がいることでしょう。

しかし、コロナの影響にあえぎ苦しんでいるのは個人事業主だけではありません。

従業員も苦しんでいるのです。

仕事が休業になってしまっていたり、バイトでシフトにはいれず、収入が減ってしまって苦しんでいる人は多くいます。

借金を抱えている人にとって収入源は返済が困難になることを意味します。それまで順調に返済を続けていた人でも、今回の新型コロナの影響で、急に返済の目途が立たなくなってしまっているのです。

新型コロナで借金返済が困難になったら債務整理を検討

借金返済が困難になったのがコロナのせいだとしても、放っておいて借金がどうにかなることはありません。自力での返済が難しい場合には、債務整理を行って借金問題を解決しましょう。

債務整理とは、借金の減額や免除、支払いの猶予などにより、自身の借金を整理する(見通しを付ける)処理をすることです。

債務整理には大きく分けて、「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」という4つの方法があります。

債務整理のメリットは、借金の返済総額を減らせることや返済期間に猶予ができることなどです。

債務整理のデメリットの一つはブラックリストに載ってしまうことです。

ブラックリストに載ってしまうと、その期間はクレジットカードの新規発行は難しくなり、ローンや新たな借り入れもできなくなってしまいます。

一度ブラックリストに載ってしまうと5~10年は消えません。

最も簡易かつ迅速な処理が見込めるのが任意整理です。任意整理は、上記の通り、債権者と直接交渉し、話し合いを通じて債務の一部を減免してもらったり、返済期間・回数を増やしてもらうという処理の全般を言います。

 

任意整理

特定調停

個人再生

自己破産

概要 債権者と直接交渉し、
債務の一部を減免してもらったり、
返済期間等を伸ばしてもらう
裁判所を介して債権者と交渉し、
引き直し計算によって
借金を減額します
借金の総額を数分の1に
圧縮できることが多い
借金全額が免除される
裁判所の利用 利用しない 利用する 利用する 利用する
対象者 借金返済ができなくなる
可能性が高い人
借金返済ができなくなる
可能性が高い人
住宅ローンを除く
借金の総額が500万円以下で
借金返済が難しい人
借金返済の能力が明らかにない人
手続きに要する期間 2~6か月 3~4か月 4~6か月 6か月~1年
適している人 ある程度返済能力がある人
短期間で済ませたい方
債権者に直接交渉をしてみたものの、
協議を拒否された人
将来的に安定した収入のめどがあるが、
返済のめどが立たない人
多額の借金を抱え、
目立った財産を保有していない人
弁護士費用 着手金1社当たり2~4万円
+減額報酬10%
着手金と成功報酬
債権者1社につき5~10万円
30~60万円 20~40万円

債務整理の方法①|任意整理

ほかの債務整理とは違い、裁判所を通す手続きではありませんので、申請の条件や手続などがなく、債務者にとって心理的なハードルが低い処理であるといえます。

もっとも、あくまで当事者間の協議での解決を目指す処理なので、債務が減額される程度は大きくありません。一般的には、通常の貸金業者の場合には、利息のカット等には応じてくれやすいようですが、元金の減額に応じることはほとんどないと言われています。また、返済期間についても10年などの極端に長期の分割弁済には応じてもらえない可能性が高く、せいぜい1~3年程度の分割弁済を認めてもらえる程度と思われます。

任意整理に適した人

任意整理は裁判所を通さない分、ほかの方法より比較的簡便で短期間で済むことも多いのがメリットです。そのため、誰でも気軽に行うことができる処理と言えます。しかし、借金の減額の幅はわずかですし、継続的な弁済も必要となるため、ある程度返済能力がある、返済の見込みがある人向けの手続きといえます。

また、任意整理はあくまで当事者間のやり取り限りで完結する処理であるため基本的には債務整理を行っていることを周囲に知られることはありません。そのため、周囲に知られることなく、借金を穏便・迅速に整理したいという債務者に適した処理と言えそうです。

【関連記事】任意整理のデメリットとメリットを徹底比較検証!

債務整理の方法②|特定調停

特定調停は、任意整理と同じく、債権者と債務者が交渉して利息カット月々の返済の減額返済期間猶予などを目指すものですが、裁判所が間に入って和解を支援する公的な手続きであるという点が、大きな違いです。

債務の圧縮結果は、任意整理と似たようなものになるでしょう。ただしあくまで裁判所を介した手続きであるため、処理に要する期間は任意整理よりは長くなりがちと思われます。また、調停が成立した場合の合意内容は、裁判の判決が確定した場合と同じ効力を持つため、例えば債務者が合意した通りに返済ができないと、債権者から預金や給与の差し押さえなどの強制執行を申し立てられてしまう可能性もあります。

特定調停に適した人

特定調停のメリットは、裁判所の手続を通じて行われることから、任意整理よりも話し合いがスムーズにまとまりやすいという点です。そのため、債権者に直接交渉してみたものの、協議を拒否された、提案を拒否されたという場合には、特定調停を通じて再度、協議にトライしてみるということはあり得るでしょう。

もっとも、特定調停はあくまで当事者の話合いでの解決を模索する手続きではあるため、債権者は協議に応じる義務はなく、協議に応じたとしても債務者側の提案を受諾する義務もありません。そのため、債権者の態度が頑なである場合には、特定調停によっても合意には至らない可能性があることは留意しましょう。

債務整理の方法③|個人再生

個人再生は、任意整理や特定調停のように債権者との協議を通じて借金を整理するものではなく、裁判所の許可を得ながら、債務者の提出する計画に従って、一方的に借金を減額してしまう倒産手続きです。

個人再生手続きでは、再生計画が認可されると、借金がその金額に応じて減免されます(最大で90%の減免を受けられます)。このように強力な効力を有する関係上、個人再生の利用条件は法律で厳格に決まっていますし、再生計画についても財産状況を踏まえた適切な内容でなければ裁判所の認可を受けることはできません。したがって、申し立てれば誰でもメリットを享受できるというものでもないので、注意しましょう。

個人再生に適した人

債務額が多額であり、債務元本が減免されなければ返済の目処が立ちそうにないという場合には、個人再生手続きの利用ができないかを検討するべきでしょう。もっとも、個人再生手続を利用するためには、一定の条件を満たす必要がありますので、当該条件に合致するかどうか、裁判所に確認したり、弁護士に相談するなどして、慎重に検討する必要があるかと思われます。

なお、個人再生手続きは、法的な手続であり、個人資産のうち弁済に回すべきものは、換価処分されて弁済に回されるのが基本です。もっとも、一定の条件の下で、持ち家などの重要な資産を再生手続の対象から除外することも可能です。そのため、持ち家を残しつつ、債務を抜本的に整理したいというニーズがある方も、利用を検討するべきかもしれません。

【関連記事】個人再生とは|手続きの流れや効果をわかりやすく解説

債務整理の方法④|自己破産

自己破産は、債務者の財産を清算して再スタートを切ることを可能にする法的手続きです。債務者は、基本的にすべての借金の返済義務を免除してもらえますが、債務者の所有する財産のほとんど(家、車、一定額以上の現預金など)は換価処分されて、弁済に回されることになります。

自己破産は、ほかの方法では健全な経済状態に復帰することが困難な場合に検討すべき最終手段ともいえます。債務者が債務超過の状態にあり、返済の目処が立っていないような場合であれば、申し立てることは可能であり、初回であれば免責のハードルも高くありません。また、自己破産したからといって、何かしら具体的なペナルティがあるわけでもありません。そのため、現在借金で首が回らない状態にあり、日常生活もままならないという場合には、早いタイミングで自己破産することも検討するべきかもしれません。

自己破産に適した人

自己破産は、自身の財産の多くが換価処分されてしまう強力な手続きですが、ほぼすべての債務が免除されるというメリットは絶大です。そのため、多額の借金について返済目処がなく、特に目立った財産もないということであれば、早期に破産手続きを履践することも検討するべきでしょう。自己破産することによってそれまでの生活をリセットし、再スタートを切ることができますので、返済できない借金に苦しみ続けるよりは、自己破産するほうが合理的な場合が多いと思われます。

【関連記事】破産手続きを徹底解説|自己破産の手続きと流れをわかりやすく

弁護士・司法書士に相談して自分に合った方法のアドバイスを受けるべき

それぞれの債務整理の特徴と、適した人について解説してきましたが、ここで記載した内容はあくまで参考にとどめ、実際にどの方法が自分に合っているのかは、弁護士・司法書士に相談してアドバイスをもらってください。一人ひとり置かれている状況は違うので、それによって取るべき手段も異なってくるからです。

借金問題が得意な弁護士・司法書士は、今回のコロナ禍に見舞われる前にも、さまざまな社会状況下で借金に困っている人たちの相談を受け、解決へと導いてきました。あなたにとってベストな解決法を一緒に考え、提案してくれます。

新型コロナで借金返済が難しくなった人が相談できる窓口は?

債務整理は借金問題の解決に特化した手続きですが、新型コロナの影響下でより総合的・複合的な問題を抱えている人もいるかもしれません。ここでは借金問題を含めて、「まず相談がしたい」という人向けに、各種相談窓口を紹介します。

弁護士・司法書士事務所

先述した通り、債務整理については弁護士・司法書士事務所に相談・依頼ができます。総合的な法律事務所であれば、借金問題と併せて不当解雇などの労働問題についても相談に乗ってくれるでしょう。当サイト内でお住まいの近くの弁護士・司法書士を探してみてください。

借金問題は特に抱えておらず、労働問題のみ相談したい場合は、姉妹サイトの「労働問題弁護士ナビ」で相談先を探してみてください。

法テラス

法テラスとは、国が設立した法律相談の窓口です。借金問題に限らず、あらゆる法的トラブルの相談窓口になっています。

経済的余裕がない人向けに、無料で法律相談を受け付け、必要に応じて弁護士・司法書士費用を立て替える業務も行っています。

法テラスHPへ

各自治体

全国の各自治体が、それぞれに新型コロナウイルスに関する情報を発信しています。自治体によって対応や支援制度が異なる場合もあるので、まずはお住まいの自治体に相談してみるのもよいでしょう。公式HPでも情報発信が行われているので、一度目を通してみることをおすすめします。

労働組合・ユニオン

不当解雇、派遣切り、給与不払いといった労働問題については、全国の各労働組合やユニオンにも相談できます。

役立つサイト

新型コロナウイルス関連の情報収集に役立つサイトもご紹介しておきます。

経済産業省

事業者、個人事業主、フリーランスに対する国の支援制度がまとまっています。

経済産業省

法務省

法律問題に関わる国の施策などがまとまっています。

法務省

厚生労働省

医療・保健・衛生面での国の施策などがまとまっています。

厚生労働省

内閣官房

新型コロナウイルスに関する最新の社会情勢全般がまとまっています。

内閣官房

新型コロナウイルス 支援情報まとめ|マネーフォワード

新型コロナウイルス関連の支援制度を検索できるサイトです。

新型コロナウイルス 支援情報まとめ|マネーフォワード

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大により、借金の返済が困難になっている人が取れる対処法について解説してきました。

収入減により借金返済の目途が立たなくなっており、各種支援制度でもしのげそうにない場合は、早めに債務整理を検討してください。返済困難な場合、時間が経つほど利息で借金は膨らんでしまうからです。

いずれ、新型コロナの感染拡大は収束し、企業の経済活動も雇用も通常通りに戻っていくかもしれませんが、残念ながら借金は放っておいても借金のままです。解決するなら、少しでも早く動き出すのがベストです。

いずれにしても、まだまだ状況は刻一刻と動き続けていますので、記事でご紹介した窓口やサイトも参考に、最新の情報収集を怠らないようにしましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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