更新日:

奨学金破産は1万人以上! リスクと破産前に知るべき制度

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
奨学金破産は1万人以上! リスクと破産前に知るべき制度
奨学金が返済できない…
生活も苦しくて、破産しかないのかも…

このように、奨学金を借りたはいいものの、就職後も返済が厳しく破産に追い込まれる件数は1万件にのぼっています

奨学金破産の大変なところは、安易に行うと連帯保証人や保証人へ一括請求がいってしまうところです。

この記事では、

  • 「返済が厳しく自己破産しそう」
  • 「これから奨学金借りて本当に大丈夫?」

という不安を抱えている方に、自己破産するリスクや支払いが厳しい場合の対処法についてご紹介します。

自己破産をご検討中の方へ

現在収入がない、返済できる見通しが立たない人は、できるだけ早い段階で自己破産に詳しい弁護士司法書士といった借金問題の解決が得意な専門家に依頼することが解決への近道です。

弁護士・司法書士へ依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  1. 業者との関係を断ち切れて安心した生活が送れる
  2. 催促・取り立てを最短即日で止められて不安な日々を脱却できる
  3. 面倒な手続きを一任できてラク
  4. 最善の方法で進めてもらえるので、自己破産にかかる費用や期間を抑えることができる

自己破産は再スタートのきっかけです。ひとりで悩まず、まずは相談してみましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産に強い弁護士を探す

奨学金で破産する人はどれくらい?

朝日新聞の記事によると、奨学金で破産する人数は2016年までの5年間で1万5,338人にのぼり、そのうちの7,230人は連帯保証人や保証人。

要するに両親や親戚が本人の代わりに奨学金を返済できず自己破産に至っているのです。

また滞納の末、給料の差し押さえなどの強制執行が行われた件数は、奨学金が発足された2004年では1件だったにも関わらず、2016年では387件と爆発的に増加しました。

奨学金を自己破産することで起きるリスク5つ

奨学金の返済は大変ですよね。しかし「奨学金の返済が大変だから自己破産をしよう」と安易に行ってはいけません。自己破産を利用すると借金は帳消しになる反面、5つのリスクを受けることになります。

①連帯保証人に支払い義務が生じる

自己破産をしてしまうと、連帯保証人が破産した本人の代わりに奨学金を返さなくてはいけません。

連帯保証人も払えなければ自己破産

親族である保証人に奨学金の残額を全額立て替える財力がなければ、持っている不動産・自動車などの財産を売り払い、自己破産などの債務整理(借金を減らす方法)をすることを検討する必要があります。

機関保証の場合なら連帯保証人に迷惑はかからない

機関保証を利用して奨学金を借りている人なら連帯保証人に迷惑はかかりませんが、毎月の支払いが必要になります

②ブラックリストに載る

自己破産をすると信用情報(クレジットカードなどの契約・借り入れ・返済などの情報)に傷がつき事故情報として信用情報機関(信用情報を管理している機関)に登録されます。

事故情報というのは、世間でいわれるブラックリストのこと。ブラックリストに載ってしまうと、5~10年間はキャッシングやローンを利用できません

③財産が没収される

以下の財産が没収されます。

  • 20万円以上の不動産・車などの財産価値のあるもの
  • 99万円以上の現金(口座にあるものは20万円を超えていたら没収される)

④職業に制限がかかる

免責手続き(借金が帳消しになる手続き)が終わるまでですが以下の職業に就くことはできません。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 公開会計士
  • 旅行業者
  • 警備員 など

⑤周りにバレる可能性はある

連帯保証人に請求が行く場合、周囲に隠し通すのは厳しいでしょう。

また、官報(国が毎日発行する新聞のようなもの)に名前が載るため、自己破産がバレる可能性はゼロでではありません。

ただ、官報を読む人は法律関係・金融関係者などがほとんどのため滅多にバレないでしょう。

奨学金で破産する前に利用すべき3つの制度

奨学金の借金を減らす・免除してもらう方法は、自己破産だけではありません。連帯保証人や保証人に迷惑をかけたくない方は、まずこちらの制度を利用できないかご検討ください。

①月の返済額を2分の1にする減額返還制度を利用する

毎月の返済額を半分にまで減額しての返済が可能になりますが、返済期間は2倍になります

例えば、月に5万円の返済があと6ヶ月間残っているなら、返済額は2万5千円になる代わりに返済期間は1年間延長です。

減額返還制度を利用するための条件

  • 年間収入金額325万円以下(税込み)
  • 年間取得金額225万円以下(必要経費控除後)

ただし、1人につき38万円の収入取得金額を控除可能です。年収が350万円あったとしても、配偶者が1人いれば年収は350万円―38万円=312万円としてカウントされるため減額返還制度を利用できます。

②返済を一時的に停める返還期限猶予制度を利用する

奨学金の返還を一時的にストップさせる制度です。1回の利用で最大12ヶ月の猶予を受けられ、申請すれば最大10年間まで使えます。

減額返還制度を利用するための条件

  • 年間収入金額300万円以下(税込み)
  • 年間取得金額200万円以下(必要経費控除後)

③返還免除制度を使えるか確かめる

以下のいずれかのケースに該当すれば、返済者の状況によっては奨学金の免除される可能性はあります。

  1. 大学院で第一種奨学金の貸与を受け、在学中、とくに優れた業績をあげたとき
  2. 大学院で第一種奨学金の貸与を受け、教育または研究の職についたとき
  3. 心身の障害により、労働能力を喪失したとき
  4. 本人が死亡または障害により返済が出来なくなったとき

優れた業績により全額免除されることが一番望ましいことではありますが、あくまでも在学中に優れた成績をあげた場合の話です。

まとめ|奨学金以外の借金は任意整理で解決!

奨学金の返済により生活が困難になった末、カードローンで借入をする人も多いでしょう。また、借入たお金で返済している人もいるかと思います。

ですが、奨学金以外の借金は、あなたを自己破産へと近づけます。このような借金に対しては、任意整理をおすすめします。任意整理は、債務整理の対象を選べるため、連帯保証人や保証人がついている奨学金を外せます。

そのため周囲に影響を与えず、負担を軽くしたうえで返済することができます。ただし、任意整理にも利用条件がありますので、まずは債務整理の専門家に相談してみましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産に強い弁護士を探す

【最短30秒】ユーザーアンケートに回答する

 
 ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)では、よりよいコンテンツを提供するためにアクセスいただいたユーザーの声を募集しております。
 8問選択式の簡単なアンケートですので、ぜひご協力ください。
 
アンケートに回答する
 
東京
神奈川
埼玉
千葉
大阪
兵庫
【解決実績も掲載中!】窪田総合法律事務所

借金のご相談は何度でも無料!】【法人破産にも対応】経営が苦しいと感じる経営者の方はご相談を。返済に追われ、生活ができない/督促が来てしまったなど、個人の方からのご相談も歓迎◎【依頼後は最短即日で督促が止まります!】

事務所詳細を見る
弁護士法人ガーディアン法律事務所

【秘密厳守の法律相談/初回相談無料】【分割払いOK】【借金総額200万円以上の方へ】毎月返済がつらい方、自己破産を迷っている方、ご相談下さい。1万件以上の破産・再生事件を担当した弁護士が味方になります。

事務所詳細を見る
【八王子】弁護士法人ガーディアン法律事務所

【自己破産/法人破産】【相談実績約10,000件】【秘密厳守の法律相談/初回相談無料】【借金総額200万円以上の方】返済義務を無くしたい・自己破産を迷っている方、ご相談下さい。経験豊富な弁護士がお力となります

事務所詳細を見る
東京都の弁護士一覧はこちら
弁護士費用保険をご存知ですか?

いつ起きるかわからない法的トラブル。弁護士費用の準備はできていますか?

答えがNoの方、ベンナビ弁護士保険が役立ちます。

Cta_merci

弁護士への依頼費用は数十万~数百万円かかりますが、ベンナビ弁護士保険(月2,950円)に加入しておくことで、弁護士費用の補償が受けられます。

  • 保険料は1日あたり約96円
  • 通算支払限度額1,000万円
  • 追加保険料0円で家族も補償

補償対象となる家族が5人の場合、1人あたりの保険料は月590円(2,950円÷5人)。労働問題、ネット誹謗中傷、近隣トラブルなど様々な法的トラブルに対応しています。

補償内容、付帯サービスをまとめた資料の請求はWEBから。

無料で資料ダウンロード
弁護士費用を負担してくれる
弁護士保険で法律トラブルに備える
弁護士保険に関する資料のお届け先
氏名
必須
フリガナ
必須
電話番号
必須
メールアドレス
必須
この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
この記事をシェアする

奨学金返済に関する新着コラム

奨学金返済に関する人気コラム

奨学金返済の関連コラム

弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート


債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。