債務整理を司法書士へ依頼する際の選び方
そんな時、心強い味方になってくれるのが、弁護士や司法書士などの法の専門家です。
弁護士に依頼するのが一般的ではありますが、費用を安く抑えたいという人は弁護士ではなく司法書士への依頼を選択しているようです。
費用面は勿論ですが、自身の借金の解決を依頼するわけですから、やはり「選んで良かった」と思えるような司法書士に出会いたいものですよね。今回はそんな司法書士の選び方に関する知識をまとめていきたいと思います。
弁護士ではなく司法書士に債務整理を依頼した場合の違い
債務整理を弁護士に依頼するのと司法書士に依頼するのとでは、一体どのような違いが生まれるのでしょうか?以下にまとめていきたいと思います。
比較的費用が安い
弁護士に依頼するよりも司法書士に依頼したほうが、費用は約10~20万円程度安く抑えることが出来ます。
取扱業務に制限がある
司法書士は、債権額が140万円を超える案件を取り扱うことはできません。
これは司法書士に委託できる全ての業務において該当することであり、債権額が140万を超える場合は、司法書士へ債務整理を依頼するのは諦めた方がいいでしょう。
このように司法書士には、費用が安く済むかわりに様々な制限が設けられています。その制限については次項で解説していきましょう。
司法書士の選び方と債務整理が得意か判断するポイント
安心して借金問題の解決を任せられる司法書士の選び方、そのポイントを以下にまとめていきましょう。
口コミサイトで経験談を読んでみる
ヤフー知恵袋や教えてgooなど、実際に司法書士に依頼を行った人の経験談が掲載されているサイトを見てみましょう。この人はこんな対応をしてくれた、この事務所はこのくらいの費用で済んだなど、参考になる話がたくさん掲載されているはずです。
ホームページに債務整理に関する実績や情報が多く記載されている
過去の実績が多ければ多いほど、借金問題の解決に手慣れているということになります。こういった問題も解決できる、と細かく事案を記述してくれている事務所もあるのでよくホームページをチェックしてみましょう。
初回無料で債務整理に関する相談を受け付けてくれる
無料で相談が出来るのは、相談者にとってメリットでしかありません。いくつかの事務所の無料相談を活用してみて、その中から選択するのも有益な手段です。複数の事務所に相談をするメリットとしては、以下が挙げられます。
- ・自身の金銭事情に一番合致した債務整理の方法が判明する
- ・他の債務整理の方法に対する意見を聞ける
- ・自分で納得のいった債務整理の方法を選択できる
- ・相性の良し悪しを比較することができる
きちんとヒアリングしてくれる
こちらの話を真剣に聞いてくれることは勿論ですが、あなたと相性が良さそうかどうかもポイントになります。解決する側が案件の内容把握をおざなりにしていると、いい結果を得られません。
メールや電話などにおける対応が早い
メールは1日以内で返ってくるか、折り返しの電話は数時間以内でかかってくるかなど、スピーディーに対応してくれるかどうかも選択の基準にしてみましょう。借金の問題は迅速な解決が求められますから、のんびりしている事務所は選択をしないほうが得策でしょう。
司法書士を選ぶ上での注意点は、さらに次項で解説していきます。
債務整理が得意な司法書士に相談する |
司法書士を選ぶ際の注意点
後悔しないようにする為には、依頼する司法書士の選び方を徹底することです。以下には、注意すべき司法書士の特徴についてまとめました。
報酬契約書を作らず費用の明確な説明がない
事前に費用の説明をせず、案件解決後にがっぽり取られるケースもあります。初回相談の段階で、正式な依頼はまだだからと費用に関する説明を怠る司法書士は避けましょう。
司法書士ではなく事務職員が終始対応する
忙しいという理由で、資格者以外の人間を対応にあたらせる事務所は注意です。正式な依頼前であろうが後であろうが、解決にあたる本人が依頼主からの話を聞かないと、依頼者との相違があるなどの思わぬ結果に繋がり兼ねません。
怪しい業者からの紹介
近年、資格者でもない人間を紹介し司法書士であると名乗らせ、やりもしない債務整理の費用をとるといった悪質な詐欺が多発しています。実態が謎な業者には十分に注意しましょう。
依頼主の意向を無視する
提訴したいのに減額でまとめようとするなど、「こっちのほうが良いから」と強引に進行しようとする司法書士も中にはいます。意見してくれるのはとてもありがたいことですが、押し進めてくるような司法書士に依頼を行っても、自分の納得のいく結果は得られません。
司法書士に債務整理を依頼した場合の費用相場
司法書士事務所によって費用も異なるので、あくまでも相場になりますが、早速以下に司法書士に債務整理を依頼した場合の費用の相場をまとめていきましょう。
過払い金請求の費用相場
過払い金請求費用の相場は、着手金が約2~3万円、報酬金が約2~3万円、減額報酬が借金の減額分の約10%、過払い報酬が返還した過払い金の約20%です。任意整理と同様に、着手金と報酬金に関しては一件あたりの債権者の数になります。
- ・着手金:2~3万円(無料の事務所もあります)
- ・報酬金:2~3万円
- ・減額報酬:借金減額分の約10%
- ・過払い報酬:返還できた過払い金の約20%
減額報酬:債権者と交渉して借金を減らすことができた場合に、その減額金額に対して○%程度の報酬を追加で”減額出来たお礼として”払うものになります。近年では減額報酬をとっていない事務所も多くあります。
過払い金返還報酬は返還を受けたお金によって支払い額が変動することが大半で、返還額の中から○%という形で算出されるので、過払い金返還の報酬の支払いの為にお金を用意する必要がありません。
任意整理の費用相場
任意整理費用の相場は。着手金が約2~3万円、報酬金が約2~3万円、減額報酬として減額した借金の約10%が司法書士の費用の相場です。多重債務者の場合、債権者が複数なため着手金と報酬金に関しては交渉する債権者の数に応じて高額になるため、一件あたりの金額になります。
- ・着手金:2~3万円(無料の事務所もあります)
- ・報酬金:2~3万円
- ・減額報酬:借金減額分の約10%
司法書士は、1社につき経済的利益が140万円以下の場合、任意整理の交渉を、弁護士と同じようにすることができます。
経済的利益とは、利息制限法の計算によって減った借金額のことで、例えば300万円借りていて、利息制限法に引き直して計算したら180万円に減ったという場合には、経済的利益は120万円ということになります。
個人再生の費用相場
司法書士の個人再生に対する法的整理は書類作成までで、申立代理人になることはできません。
それを踏まえて、個人再生費用の相場は、司法書士への報酬は30~40万円と言われています。(弁護士に依頼した場合は40~60万円ほどです。)また、個人再生は裁判所を介して行うため別途で裁判所への実費がかかります。
- ・報酬金:30~40万円
————————
- ・収入印紙代:1万円
- ・官報掲載費用:1万2千円
- ・郵便切手代:1600円
- ・個人再生委員への報酬:25万円程度(個人再生委員は裁判所によって選任するところとしないところがあります。)
自己破産の費用相場
自己破産費用の相場は、司法書士への報酬は20~30万円と言われています。(弁護士に依頼した場合は30~50万円ほどです。)自己破産も個人再生同様に裁判所を介して行うため別途で裁判所への実費がかかります。
また、自己破産には、資産がない人が行う手続きとして同時廃止と、資産がある人が行う手続きとして管財事件があります。裁判所への費用は、同時廃止より管財事件の方が高額であり、同時廃止を行う人は1~3万円の予納金、管財事件に関しては50万円以上の予納金を納めなければなりません。
- ・報酬金20~30万円
—————————
- ・収入印紙代:1万円
- ・官報掲載費用:1万2千円
- ・郵便切手代:1600円
—————————
- ・予納金:1~3万円(同時廃止の場合)
- ・予納金:50万円以上(管財事件の場合)
まとめ
行うべきは、債務整理による借金問題の早期解決です。くれぐれも、依頼主と司法書士との間でのトラブルを生んでしまわないようにしましょう。その為にも、良い専門家の選び方を心得ておくことは大切ですね。また、債務整理を依頼するならばある程度は法の知識も得ておきましょう。以下の記事も是非、参考にしてみて下さい。
【最短30秒】ユーザーアンケートに回答する |
|
【全国65拠点以上】【法律相談実績90万人以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください
事務所詳細を見る【全国65拠点以上】【法律相談実績90万人以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください
事務所詳細を見る【全国65拠点以上】【法律相談実績90万人以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
いつ起きるかわからない法的トラブル。弁護士費用の準備はできていますか?
答えがNoの方、ベンナビ弁護士保険が役立ちます。
弁護士への依頼費用は数十万~数百万円かかりますが、ベンナビ弁護士保険(月2,950円)に加入しておくことで、弁護士費用の補償が受けられます。
- 保険料は1日あたり約96円
- 通算支払限度額1,000万円
- 追加保険料0円で家族も補償
補償対象となる家族が5人の場合、1人あたりの保険料は月590円(2,950円÷5人)。労働問題、ネット誹謗中傷、近隣トラブルなど様々な法的トラブルに対応しています。
補償内容、付帯サービスをまとめた資料の請求はWEBから。
弁護士保険で法律トラブルに備える
債務整理に関する新着コラム
-
最近よく聞く「国が認めた借金救済制度」について深堀りし、債務整理や過払い金請求のメリットとデメリット、利用流れをわかりやすく解説します。借金問題から...
-
消費者金融から裁判を起こされ、「どうすればよいのかわからない!」という方に向けて、対処法や注意点などを解説します。放置したり無視したりして思わぬ不利...
-
債務整理を検討している方は、その後の生活がどうなるのか不安に思われるのではないでしょうか。 債務整理後に変わること・変わらないことを中心に、生活へ...
-
債務整理や自己破産という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。 どのような場合にどの手段を選ぶべきか、弁護士への相談方法も紹介するので、ぜひ参考...
-
不景気といわれている現代でも、住宅ローンを組まれる家庭は多くいらっしゃいます。住宅ローンは、何十年の長い期間で返済する高額なローンのため、少しでも返...
-
金利(きんり)とは、貸借した金銭などに一定率で支払われる対価のことです。利息(りそく)と同じ意味合いで使われます。お金を貸すもしくは、預ける場合、金...
-
債務整理は多額の借金の減額や免除をおこなうための手段です。債務整理はその種類によって手続きの内容が異なり、必要な弁護士費用も変わります。本記事では、...
-
借金の支払いを延滞し続け、裁判所から通知が来てしまった人に向けて、裁判所からの通知を無視すると起こる重大なリスクについて解説します。また、裁判を和解...
-
カード破産の無料相談先をご紹介します。また、カード破産以外の方法で借金問題を解決する方法や弁護士に依頼した場合の流れも併せて解説します。
-
自己破産を検討している場合、依頼できる専門家には司法書士と弁護士がいます。どちらも法律の専門家ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。本記...
債務整理に関する人気コラム
-
ブラックリストとは、クレジットカードやカードローンの返済遅延・滞納や債務整理などにより、信用情報機関に事故情報が記録されることを指します。本記事では...
-
専門家の助力があったとしても、今すぐブラックリストを削除することは難しいです。信用情報を回復させる方法、ブラックリストが消えるまでの期間、これ以上悪...
-
自己破産を検討されている方にとっては、破産後の生活は気になるところでしょう。この記事では、自己破産後に受ける制限や、生活を良くするために考えておきた...
-
スマホを購入する際に、分割払いに利用する方も多いのではないでしょうか。しかし場合によってはその審査に落ちてしまうことがあるのです。ここの記事では、ど...
-
債務者(さいむしゃ)とは、特定の債権者(さいけんしゃ)に対してお金を借りている、あるいは一定の給付義務を持つ人のことで、ローンの未払いや奨学金の滞納...
-
廃課金とは、廃人と課金を合わせたネットスラングで、一般的に収入に見合わない金額を課金する人を指します。本記事では廃課金の定義や課金してしまう人の特徴...
-
奨学金の返済額をしっかり把握していることで、利用後の返済計画が立てやすくなり、効率よく返済することができます。この記事では、返済額の相場とともに、返...
-
自己破産は、全ての借金の支払い義務を逃れ、所持する高価な財産を処分する法的手続きであり、生活をゼロから再建するための最終手段です。本記事では自己破産...
-
債務不履行とは、故意又は過失によって自分の債務を履行しないことを言い、履行遅滞、履行不能、不完全履行の3種類があります。債務不履行とならないように、...
-
名義貸しはとてもリスクの多い行為です。名義を貸したために、借金ができてしまったり、ブラックリスト入りしたりしてしまうかもしれません。この記事では、名...
債務整理の関連コラム
-
「借金400万円」は、なんとかなりそうでならない額といえます。借金返済を楽観視していると、重大な事態に陥ってしまうかもしれません。借金返済が立ち行か...
-
個人再生を含む債務整理は、家族に内緒で申し立てることができます。しかし、状況によっては大きな財産(車など)を処分する必要もでてきますので、内緒で行う...
-
自己破産をしてもクレジットカードを利用したいですよね?クレジットカードは利用できませんが、代わりになる2枚の便利なカードをご紹介します。この2枚のカ...
-
繰り上げ返済の大きなメリットは利息を減らし、返済への負担を軽くすることです。もちろん、他にもメリットはある繰り上げ返済ですが、注意すべきこともありま...
-
弁護士に債務整理を依頼することを検討しているものの、費用相場がわからず二の足を踏んでいるという人もいるでしょう。債務整理には3つの方法があり、かかる...
-
担当弁護士が破産をした場合の、債務整理手続きの対応方法を解説します。よくある疑問や、新しい弁護士を探す方法についても解説していますので、何から対応し...
-
奨学金の返済額をしっかり把握していることで、利用後の返済計画が立てやすくなり、効率よく返済することができます。この記事では、返済額の相場とともに、返...
-
任意整理をすると、場合によっては口座凍結が起こります。この記事では、任意整理で口座凍結が起こるケース、口座凍結の期間・対策、口座凍結以外の注意点(ク...
-
スマホを購入する際に、分割払いに利用する方も多いのではないでしょうか。しかし場合によってはその審査に落ちてしまうことがあるのです。ここの記事では、ど...
-
多くの人に過払い金が発生している要因はかつて存在していた「みなし弁済規定」にあります。しかし、みなし弁済が何を意味しているのか、理解できている人は少...
-
便利なクレジットカードですが、支払いを滞納してしまった場合、延滞によるリスクは1日目から発生します。この記事では、滞納するリスクやまずすべきこと、カ...
-
差し押さえとは、借金を返済しない人(債務者)に対し、業者や金融機関(債権者)が裁判所を通し、返済金の代わりに財産を回収する法的手段です。この記事では...
弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート
債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。
ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。