債務整理クレジットカードはどうなる?どうしても利用したい場合の4つの対処法も解説

債務整理クレジットカードはどうなる?どうしても利用したい場合の4つの対処法も解説
目次
  1. 債務整理をすると手元のクレジットカードはどうなる?
    1. 手元のクレジットカードは強制解約される
    2. 家族カードやETCカードも解約される
    3. 貯めていたポイントも失効する
  2. 債務整理をすると新しくクレジットカードが作りにくくなる理由
    1. 1.信用情報機関に事故情報として登録されるから
    2. 2.社内ブラックとして事故情報が残り続けるから
  3. 債務整理をしてから事故情報が削除されるまでの期間
  4. クレジットカードの審査に通ったのはいつごろ?口コミをチェック
    1. 任意整理後6年でクレジットカードを手に入れられた!
    2. 1社目はダメだったけど、2社目の審査には無事通った!
  5. 債務整理後にクレジットカードを作りやすくする7つのポイント
    1. 1.事故情報が消えているかを確認する
    2. 2.債務整理をしていない会社を選ぶ
    3. 3.審査に通りやすい会社に申し込む
    4. 4.限度額はできる限り低くする
    5. 5.キャッシング枠は設定しない
    6. 6.1社ずつ申し込みをおこなう
    7. 7.信用実績を作るようにする
  6. 債務整理後にクレジットカードを作れなかった場合の4つの対処法
    1. 1.デビットカードで代用する
    2. 2.家族カード(家族名義)を発行してもらう
    3. 3.デポジット型クレジットカードを発行する
    4. 4.ETCパーソナルカードを発行する
  7. クレジットカードの審査に落ちたときに絶対にしてはいけない注意点
    1. 1.審査に落ちた理由をしつこく聞く
    2. 2.短期間に何度も申し込みを繰り返す
    3. 3.うその情報で改めて申し込みをする
  8. 債務整理とクレジットカードに関するよくある質問
    1. 債務整理をするとクレジットカードでの購入品は引き揚げられるのか?
    2. Q.債務整理をする際、クレジットカードの取り扱いで何に気を付けるべきか?
    3. Q.債務整理後のカード破産を防ぐためには、どのようなことに注意するべきか?
  9. さいごに|債務整理に関する悩みがあるなら弁護士に相談しよう!

多額の借金に苦しんでおり、債務整理を検討しているものの、「クレジットカードはどうなるんだろう?」と気になって、踏み出せないという方もいるでしょう。

しかし、債務整理をするとクレジットカードは強制的に解約されます。

家族カードやETCカードも解約されてしまうため、一時的に困るかもしれません。

しかし、この先ずっとクレジットカードを作れないというわけではありません。

一定期間が経過すれば、再び作れるようになります

本記事では、債務整理をした場合、クレジットカードはどうなるのか、再びクレジットカードを作る際に気をつけたいポイント、クレジットカードを作れなかった場合の対処法などについて解説します。

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当社在籍弁護士(株式会社アシロ)
この記事は、株式会社アシロの「法律相談ナビ編集部」が執筆、社内弁護士が監修しました。

債務整理をすると手元のクレジットカードはどうなる?

債務整理をすると、債務を減額してもらえるなどメリットが大きい一方で、デメリットも大きいものです。

クレジットカードを使えなくなることもデメリットのひとつで、不安に思われている方も多いでしょう。

ここでは、債務整理をした際のクレジットカードの基本的な扱いについて解説します。

手元のクレジットカードは強制解約される

債務整理が始まると、所持しているクレジットカードは全て使えなくなります

債務整理の対象となるのは、キャッシングのみですが、ショッピング機能も利用できません

カード会社が弁護士からの受任通知を受領した時点で利用できなくなるため、注意しましょう。

家族カードやETCカードも解約される

家族カードやETCカードも債務整理の対象です。

債務者名義で契約している家族カードは使えなくなります

ETCカードは事故防止の観点から、突然利用できなくなることはありませんが、使い続けているとカード会社から連絡があったり、法的措置を受けたりする可能性もあるでしょう。

貯めていたポイントも失効する

債務整理をして、クレジットカードが解約となれば、貯めていたポイントも使えなくなります。

ポイントが多く残っている場合は、債務整理を始める前に使い切っておきましょう

債務整理をすると新しくクレジットカードが作りにくくなる理由

債務整理をすると、以下のような理由から新たにクレジットカードを作成することが難しくなります。

1.信用情報機関に事故情報として登録されるから

債務整理手続きは、弁護士から債権者宛てに受任通知を送付することから始まります

受任通知を受け取ったカード会社は、信用情報機関に対して金融事故が起きた旨を直ちに報告するでしょう。

報告を受けた信用情報機関は、事故情報として信用情報に登録します。

信用情報は、カード会社をはじめ、信販会社、銀行などの金融機関と共有されるため、債務者は一定期間、クレジットカードを作成できなくなるのです。

2.社内ブラックとして事故情報が残り続けるから

信用情報機関に登録された事故情報は、債務整理後、一定期間が経過すれば抹消されます。

しかし、債務整理の対象となった債権者の社内情報としては、半永久的に残り続けてしまうでしょう。

これが「社内ブラック」と呼ばれるものです。

社内ブラックとして登録されれば、一定期間経過後もその会社でクレジットカードは作ることが厳しくなる場合があります。

さらに社内ブラックの情報は、グループ会社とも共有されることもため、グループ会社でもカードを作れなくなってしまうケースもあります。

債務整理をしてから事故情報が削除されるまでの期間

事故情報が信用情報上に登録されている期間は、信用情報機関やおこなった手続きの種類によって、以下のように異なります。

信用情報機関名任意整理個人再生自己破産
CIC(シーアイシー)5年5年5年
JICC(日本信用情報機構)
KSC(全国銀行個人信用情報センター)7年7年

また、登録期間の起算日もおこなった手続きに応じて異なります。

各手続きの起算日は下記のとおりです。

  • 任意再生:受任通知送付日
  • 個人再生:再生手続きの開始決定日
  • 自己破産:免責許可決定の確定日

クレジットカードの審査に通ったのはいつごろ?口コミをチェック

債務整理をしてからクレジットカードが作れるまでの期間は、個々のケースによって異なります。

特に任意整理の場合、事故情報の登録を依頼するのは債権者であり、任意整理後の返済も事故の一部として扱う場合などがあるためです。

ここでは、債務整理をした方が、どれくらいの期間で新たにクレジットカードを作成できたのか、実際の声を紹介します。

任意整理後6年でクレジットカードを手に入れられた!

任意整理の場合、信用情報から事故情報が削除されるのは、一般的に5年が目安とされています。

しかし、それ以上かかることもあります。

1社目はダメだったけど、2社目の審査には無事通った!

事故情報の登録期間が終了しても、全てのカード会社でクレジットカードを作れるわけではありません

審査に通過できる会社と、できない会社があります。


予想外に早い時期にクレジットカードの審査に通ることもあるようです。

ただし、下記にあるように一括返済をしたからといって事故情報の登録期間が短縮されることはありません

誤解しないようにしましょう。

債務整理後にクレジットカードを作りやすくする7つのポイント

債務整理後に新しくクレジットカードを申し込む際には、審査に通過しやすくなるためにも、以下で紹介するポイントに気をつけましょう。

1.事故情報が消えているかを確認する

信用情報は、個人でも開示請求ができます。

料金はかかりますが、インターネットや郵送で請求可能ですので、カードの申し込みをする前に請求して確認するとよいでしょう。

各信用情報機関の開示請求方法や手数料などは、以下のとおりです。

CIC(シーアイシー)JICC(日本信用情報機構)KSC(全国銀行個人信用情報センター)
開示請求方法・インターネット

・郵送

・スマホアプリ

・郵送

・インターネット

・郵送

手数料・インターネット:500円

・郵送:1,500円

・スマホアプリ:1,000円

・郵送:1,000円

・インターネット:1,000円

・郵送:1,124円〜1,200円

サービス日時・インターネット:毎日8:00〜21:45

・郵送:申し込みから10日程度で回答が到着

・スマホアプリ:毎日

(3:00〜4:00、毎月第3木曜日の0:00〜8:00を除く)

・郵送:申し込みから7〜10日程度で回答が到着

・インターネット:申し込みから報告書のアップロードまで7〜10営業日

・郵送:申し込みから1週間〜10日程度で回答が到着

詳細インターネットで開示する場合

郵送で開示する場合

スマホアプリで開示する場合

郵送で開示する場合

インターネットで開示する場合

郵送で開示する場合

2.債務整理をしていない会社を選ぶ

債務整理後にクレジットカードを申し込むなら、債務整理時に対象としなかったカード会社にしましょう。

債務整理の対象であったカード会社であれば、社内ブラックとして情報が残っている可能性が高いからです。

社内ブラック情報は、グループ会社で共有されるため、親会社や子会社への申し込みも避けるのが無難でしょう。

カード会社の情報を公式サイトなどでグループ会社の情報を確認し、ほかのカード会社へ申し込むことをおすすめします。

3.審査に通りやすい会社に申し込む

クレジットカードを申し込む際の審査基準は、会社によって異なります。

債務整理後であれば、審査に通りやすいといわれるものを選んで申し込むのがよいでしょう。

一般的に、以下のようなカードであれば、比較的審査に通りやすいとされています。

  • 限度額が低い
  • 流通系や消費者金融系

反対に、銀行系や信販系、交通系のカードの審査は厳しいといわれているため、避けるのが無難でしょう。

4.限度額はできる限り低くする

利用限度額が高いほど、審査の難易度は上がります。

そのため、申し込み時には、利用限度額は最低金額にしておきましょう。

5.キャッシング枠は設定しない

キャッシング枠を設定すると、より厳しく審査をされます。

その分、審査に通過できない可能性も高まるため、キャッシング枠は設定せずに申し込みましょう。

キャッシング枠がどうしても必要であれば、あとから申し込むこともできます。

6.1社ずつ申し込みをおこなう

審査に通るか不安であると、同時に複数の会社へ申し込みをしたくなるかもしれません。

しかし、必ず1社ずつ申し込むようにしましょう。

なぜなら、クレジットカードの申し込み情報も信用情報として記録されるからです。

複数社分の申し込み情報が登録されていれば、カード会社に「審査に落ち続けている」「急いでお金を工面せねばならないほど、困窮している」などと判断されかねません。

審査で不利になり、通過できない可能性が高まるでしょう。

同時に複数社へ申し込むのは避けるのが賢明です。

7.信用実績を作るようにする

事故情報が削除される際には、同時に過去における取引履歴も全て信用情報から削除されます。

信用情報の記録がまったくないということも、クレジットカードの審査に落ちる原因の一つです。

ある程度、年齢を重ねるとクレジットカードを所持したことがなく、ローン契約や分割払いも利用したことがないという人はほぼおらず、信用情報機関に情報が登録されていない人もほとんどいません。

そのため、登録情報がクリーンであれば、金融事故を起こしたのではないかと疑われてしまいます。

そのような事態を避けるためにも、できればクレジットカードを申し込む前に、信用実績を作っておくとよいでしょう。

なかでもおすすめは、携帯電話の機種代の分割払いです。

携帯電話の契約であれば審査もあまり厳しくありません。

不自然な情報でもないため、信用実績を積み上げるのに最適といえるでしょう。

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債務整理後にクレジットカードを作れなかった場合の4つの対処法

現金をもっていなくても買い物ができるクレジットカードは、やはり便利なものです。

債務整理後、一定期間が経過しても作れなければつらいところでしょう。

しかし、クレジットカードの代わりになるものを用意すれば、その不便さは多少和らぎます。

ここでは、クレジットカードを作れなかった場合に使える対処法と、それぞれのメリット、デメリットを紹介します。

1.デビットカードで代用する

デビットカードとは、利用と同時に代金が銀行口座から引き落とされる仕組みのカードです。

審査がないため、クレジットカードを作れなかった方でも作成できます。

デビットカードには2種類あり、銀行が発行するキャッシュカードと一体となった「Jデビット」と、カード会社が発行する「国際ブランドデビット」があります。

このうち、ネットショッピングで利用できるのは国際ブランドデビットだけです。

ネットショッピングで利用したい方は、こちらを選びましょう。

デビットカードのメリットとデメリットは以下のとおりです。

【デビットカードを使うメリット・デメリット】

メリット✔審査がなく、信用情報を照会されることもない

✔年齢や職業、収入などに関係なく発行できる

デメリット✔口座残高分しか使えない

✔分割払いができない

✔ETCカードの発行ができない

2.家族カード(家族名義)を発行してもらう

家族カードは、クレジットカードの名義人の家族に発行できます。

利用代金は本会員である名義人に請求され、審査の対象となるのも名義人だけです。

家族カードのメリット・デメリットは以下のとおりです。

【家族カードを使うメリット・デメリット】

メリット✔家族会員分は審査不要で発行される

✔受けられるサービスは本会員と変わらない

✔本会員より年会費が安い

デメリット✔利用可能枠は名義人と合算

✔発行枚数に制限がある

✔離婚や本会員死亡時には解約する必要がある

3.デポジット型クレジットカードを発行する

デポジット型クレジットカードとは、あらかじめカード会社に保証金を預け、その範囲内で利用できるというカードです。

保証金は現金に限り、退会時に未入金の取り引きがなければ返還されます。

メリット・デメリットは以下のとおりです。

【デポジット型クレジットカードを使うメリット・デメリット】

メリット✔審査に通りやすい

✔保証金の範囲内なら通常のクレジットカードと同じように使える

デメリット✔保証金を用意せねばならない

✔高額な買い物は難しい

4.ETCパーソナルカードを発行する

ETCパーソナルカードとは、有料道路の通行料金の支払いに限って使えるクレジットカードです。

申し込み時に、平均利用月額に応じた保証金を預けることで発行できます。

メリット・デメリットは以下のとおりです。

【ETCパーソナルカードを使うメリット・デメリット】

メリット✔ETCカードの各種割引を受けられる

✔保証金を預ければ審査なしで発行してもらえる

✔16歳以上であれば誰でも作れる

デメリット✔保証金を用意せねばならない

✔1枚しか発行できない

✔年会費がかかる

クレジットカードの審査に落ちたときに絶対にしてはいけない注意点

クレジットカードがないと不便なものです。

どうしても作りたい気持ちもわかりますが、以下に紹介するような節度をわきまえない行動は控えましょう。

1.審査に落ちた理由をしつこく聞く

なぜ落とされてしまったのか気になるのはわかりますが、何度も電話をして理由を尋ねるのはやめましょう。

相手に迷惑ですし、要注意人物として社内のブラックリストに記録されてしまうかもしれません。

逆効果となり、何度申請しても審査に通過できなくなる可能性が高まってしまいます。

2.短期間に何度も申し込みを繰り返す

新しいクレジットカードを申し込むなら、最後に申し込んでから6ヵ月は期間を開けるのが無難でしょう。

信用情報には、カードの申し込みに関する情報も登録されるからです。

通常、6ヵ月程度経過すればその情報は消えますが、何度も申し込みを繰り返せば、その起算日が更新されてしまいます。

申し込み可能な状態となるまで、余分な時間がかかってしまうでしょう。

一度申し込んで審査に通らなかった場合は、6ヵ月以上は期間を空けてから申し込むことをおすすめします。

3.うその情報で改めて申し込みをする

虚偽の情報で申請しても、信用情報機関には遅かれ早かれわかります。

特に過去の債務の状況については、容易に調べられてしまうため、うその情報を申告しても無駄です。

審査担当者の心証を悪くするだけですので正直に申告しましょう。

債務整理とクレジットカードに関するよくある質問

ここでは、債務整理とクレジットカードについてよくある質問とその回答を紹介します。

債務整理をするとクレジットカードでの購入品は引き揚げられるのか?

分割払いやリボ払いで購入するなどして支払いがまだ残っている状態であれば、購入品を引き揚げられる可能性があります。

購入した商品の所有権は、債権者であるカード会社にあるためです。

実際に回収されるかどうかはカード会社の判断によりますが、引き揚げられる可能性はあるでしょう。

Q.債務整理をする際、クレジットカードの取り扱いで何に気を付けるべきか?

カードの支払いをしないようにすることです。

銀行口座から引き落とすようにしている場合は、口座残高を0にしておきましょう。

また、クレジットカードの自動引き落としで支払っているものがあるなら、支払い方法の変更も必要です。

特に携帯電話の利用料金や公共料金などの決済ができなければ、生活に影響を及ぼすため、忘れずにおこなっておきましょう。

Q.債務整理後のカード破産を防ぐためには、どのようなことに注意するべきか?

クレジットカードの使いすぎによって再び債務整理が必要な状況にならないためにも、次のことに気をつけましょう。

  • カードを利用する際は目的を明確にし、なんとなく使わない
  • 収入があれば、生活が苦しくない範囲で返済を最優先にする
  • 返済のためにさらに借金をしない
  • 借入先と借金の額は常に把握する
  • 余裕があるときは繰り上げ返済をする
  • 返済計画を立てる
  • 複数の借入先があるなら、利息の低い1社にまとめる

さいごに|債務整理に関する悩みがあるなら弁護士に相談しよう!

債務整理をすると、クレジットカードは使えなくなります。

もう一度作りたくても、5〜7年程度は待たねばならず、多少不便な思いをすることになるでしょう。

弁護士に相談すれば、ご自身の状況にあった解決策を提案してもらえるため、カードが使えなくても乗り切れるはずです。

債務整理をしようか悩んでいるなら、早めに弁護士に相談し、借金の悩みから解放されましょう

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参考:債務整理後にデビットカードを利用する方法と注意点|中野債務整理手続きセンター(東京)

この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。
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