法人が行う民事再生とは?3つの方法を完全解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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民事再生(みんじさいせい)とは、返済困難となっている債務者が経済的に立ち直るための法的債務整理手続きです。民事再生は法人の再生手続きを指す場合が多く、個人の債務者が行うケースでは『個人再生』と呼ぶことが多いです。個人再生は一定の利用条件の下で行われる簡易的な民事再生手続です。

 

この記事では、経営不振になった企業が、事業を再建するための民事再生について詳しく解説していきます。

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民事再生とは|3つの方法

ここでは、民事再生とはどのような手続きなのか、特徴や種類などをご紹介します。

民事再生とは企業の再建を図る手続き

民事再生とは、再建計画案(再生計画案)について債権者の集団的同意及び裁判所の認可を受けることで、当該計画に従って事業再建を可能とする手続です。また、民事再生には、以下のような特徴があります。

 

  1. 再生計画の認可要件は2つのみで、認可されやすい
  2. 経営者は、民事再生後も継続して経営を行うことができる(退職などの必要がない)
  3. 手続きに、従業員と役員すべてが拘束されるわけではないので迅速な解決が期待できる

 

再生計画案の認可要件

再生計画案が認可される要件は以下の2つです。

 

  1. 債権者の過半数が、再生計画案の内容に同意している
  2. 債権総額の2分の1以上を有する債権者の同意がある

民事再生の3つの方法

民事再生をもっと細分化すると、主に3つの方法に分類されます。ただし、再生計画案を作成・提出して、認可されることにより民事再生が成功することはどれも同じです。

 

1:自力再建型

自力再生型は、民事再生の基本型です。文字の通り、民事再生後、自社の利益で借金を返済し、再建を図る方法になります。

 

2:プレパッケージ型

プレパッケージ型は、民事再生申立前から特定のスポンサーと再生計画について合意しておき、その合意に基づいて再生手続を申し立てて再建を図る方法です。

 

プレパッケージ型は、最初に再建への道筋を立てた上で再生手続を申し立てるため、後述するスポンサー型に比べスムーズで迅速な処理が可能になると思われます。

 

3:スポンサー型

スポンサー型は、民事再生申立後にスポンサー企業を選定し、条件について交渉し、再生計画に組み込んでいくという処理です。再生手続の中で再建への道筋を模索していくため、プレパッケージ型より期間がかかることが予想されます。

 

また、手続き中に資金援助をしてくれるスポンサーが見つからない期間が長くなれば精神的にもつらくなります。

民事再生の3つのメリット・デメリット

ここでは、企業が民事再生を行うメリット・デメリットについてご紹介します。

企業が民事再生するメリット

企業を倒産させることなく事業を継続できる

民事再生の最大のメリットは、事業を継続できることではないでしょうか。また、手続き後に経営者を交代させるなどの制約はありませんので、継続して企業や事業の経営を担当することが可能です。

 

弁済期間を最大10年間のばすことができる

民事再生では、弁済期間を最大10年間(120分割)延長することができます。

 

債権の総額を減額することができる

民事再生では、再生計画を立てる際に、担保権のない債権をカットできます。最低弁済額(最低限返済すべき金額)も特に設定されていません。

 

ただし、再生計画案の認可には債権者の同意が必要です。あまりに無茶な減額は不認可になる原因になりかねませんのでご注意ください。

 

企業が民事再生するデメリット

民事再生した事実が公表されることで社会的信用を失う可能性がある

民事再生したことは、自社HPや官報をはじめ新聞、ネットニュースなどで公表されます。その結果、取引先や消費者の信用を失ったり、低下したりする可能性があります。

 

債務免除益課税が発生する

法人が債権者から債務の免除を受ける場合、『債務免除益課税』という税金が発生します。これは、免除された金額によって変動するので、億単位で債権が免除された場合、債務免除益課税も多額となる可能性があります。

 

債務免除益は過去7年間の損金と相殺することが可能です。相殺しきれない場合は、都度対策が必要になります。発生額や対策については弁護士に相談ください。

 

従業員との対立が起きる可能性がある

民事再生することで、従業員も給料の減額・ボーナスのカット・人員削減などさまざまな影響を受けることになります。会社更生も同じです。

 

その結果、対立が起きるかもしれません。JALの会社更生では従業員の解雇等が行われた結果、不当解雇であるとして紛争となっています。

 

民事再生や会社更生手続で吟味された結果、やむを得ない解雇として処理された場合には、労働者側でその有効性を争うのは一般的に難しいと思われます。ただ、大事になってしまった場合、社会的信用などにも影響がでるでしょう。

 

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民事再生と会社更生の違い

会社更生とは、債権の返済が困難な株式会社が、事業再建のために行う裁判手続きです。企業の再建を考えている人は、企業の状況に合わせて民事再生または会社更生を選ばなければなりません。

 

では、民事再生と会社更生の違いなどをご紹介します。

民事再生と会社更生の違い

民事再生より会社更生をおすすめするケース

民事再生手続で担保付き債権は別除権と整理され、民事再生手続の影響を受けません。そのため、担保付き債権がほとんどという場合には、民事再生手続を申し立てても担保権が実行されてしまうだけで、手続きの意味があまりありません。

 

一方、会社更生手続では担保付債権も更生手続で処理され、手続外での権利行使は制限されますので、担保付債権が多数という場合でも手続きの意味は失われません。つまり、株式会社であり、担保債権が多い企業は、会社更生がおすすめです。

民事再生手続きの流れ

民事再生の流れを大まかにまとめると、下図のように進みます。

 

 

申立てから再生計画案の実行までは約6ヶ月かかると考えておきましょう。では、各流れの詳細についてご紹介します。

1:弁護士に相談

民事再生手続きは複雑になるため、申立てには弁護士への相談・依頼が必須とお考えください。民事再生のご相談は、企業法務の得意な弁護士にご相談ください。

 

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2:申立準備

申立ての準備では必要書類の作成申立費用の工面、プレパッケージ型ではスポンサーの獲得などを行います。また、債権者に民事再生の準備が知られれば、申立ての前に担保権の行使・回収行為などが行われ、より厳しい状況に陥る可能性があります。情報が漏洩しないよう、細心の注意が必要です。

3:再生手続き申立て

原則として申立後から、弁済禁止の保全処分決定が下され、申立以前の原因で追った債権の弁済が禁止されます。また、裁判所より監督委員が選任されますので、監督委員の指示に従ってください。

 

債権者への情報提供・説明会を行う

再生計画案を認可してもらうには、債権者の理解と協力が必要です。そのため一般的に、債権者へ民事再生に至った事情や今後について、債権の取り扱いなどを除法提供・説明するための説明会を行うことになります。

 

説明会後の流れ

説明会後に多数の債権者からの反対がない場合、1週間以内に再生手続きを開始します。もし、債権者の多数がこの申立てに反対した場合、申し立ては棄却され、破産手続きが開始されます。

4:再生計画案の提出

再生計画案を提出するにあたり、まず行うのが収益の改善です。この際に、利益がない事業から撤退したり、人件費を削減したりすることになります。

 

見直し後は、再生計画を作成するため、債権者から債権届を提出してもらい、それに対し認否書を作成し債権額を確定します。同時に、債務者の資産を確定するために財産定評の手続きが行われます。

 

再生計画案の提出

提出された再生計画案は、監督委員が内容を精査した上で、履行の見込みに関する意見を求められます。履行が可能と判断され、法律上問題がなければ、裁判所の決定を受け債権者の決議にかけられます。

5:再生計画案の認可・実行

決議の上、認可要件を満たした場合、再生計画案は認可され、計画通りの弁済がはじまります。

まとめ

債権の返済が苦しいと感じた場合、できるだけ早いうちに弁護士に相談することで、企業の破産を回避し、事業を継続することができます。民事再生と会社更生どちらがよいかは、まずはお気軽に弁護士へご相談ください。

 

また、人員を減らす場合、退職勧奨をしたのちに、事情を説明し退職金を支払うなど誠実な対応が求められますが、いくら支払えばよいのか、どのような説明をすればよいのかは弁護士に相談できます。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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