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過払い金請求の流れ(仕方)|自分でやる・専門家依頼する場合を比較!

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
過払い金請求の流れ(仕方)|自分でやる・専門家依頼する場合を比較!
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過払い金請求の流れは、個人で行う場合と、弁護士や司法書士に依頼する場合で大きく異なり、メリット・デメリットにも違いがあります。また、弁護士と司法書士のどちらを選ぶかによっても、費用や効果が変わってきます。

この記事では、過払い金請求の流れを、こうした違いを比較しながら解説していきます

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過払い金を個人で請求する場合の流れ

過払い金は、個人で貸金業者に請求することが可能ですが、必要な手続きは全てご自身で進めなければなりません。ここでは、個人による過払い金請求の流れや必要書類、メリット・デメリットなどを解説します。

過払い金を計算する

まず、過払い金額を算定する必要があります。

過払い金額は、ネットでダウンロード可能なエクセルのテンプレートなどを利用すれば、簡単に計算できます。以下に一例を示します。どちらも無料なので、ぜひ使用してみてください。

エクセルのテンプレート|アドリテム司法書士法人

必要な書類を揃える

過払い金の請求には、3つの書類が必要です。

引き直し計算書(法定利息計算書)

引き直し計算書は、取引明細を元に、実際に支払った金利と利息制限法の上限金利を比較して、金利の差額を計算した書類です。

引き直し計算は、エクセルなどの計算ソフトを用いて行います。

引き直し計算をした際に過払い金額が発生していなければ、請求は当然できません。計算が合っているかどうか念入りにチェックしましょう。

過払い金返還請求通知書

過払い金返還請求通知書は、貸金業者に過払い金の請求を命じる書類です。

過払い金請求通知書も、ネットでダウンロード可能なエクセルのテンプレートなどを使用することで、簡単に作成できます。

貸金業者に書類を提出する

引き直し計算書と過払い金請求通知書を用意できたら、いよいよ提出です。

コピーを取り保管した後、原本を貸金業者に配達記録郵便で提出しましょう。

配達記録郵便では、配達されたという証拠書類が差出人と配達先に届きます。この証拠書類は裁判に発展した際に使用するため、大切に保管してください。

交渉にかかる期間

一般的に、過払い金の請求から返済までにかかる期間は、3ヶ月~半年ほど(裁判になると1年ほど)と言われています。

ただし、実際には期間は弁護士の有無や返還額などの諸要素により大きく変動します。

主要貸金会社の取引期間の目安が下表です。

アコム

約5~8ヶ月前後

プロミス

約5~8ヶ月前後

アイフル

約6~8ヶ月前後

レイク

(新生フィナンシャル)

約4~8ヶ月前後

CFJ

(アイク・ディック)

約3~8ヶ月前後

エポスカード(丸井)

約4~5ヶ月前後

費用

過払い金の請求にかかる費用は、個人で請求する場合、貸金業者への書類郵送代のみとなります。

具体的には、配達記録郵便の料金(160円)と基本郵送代の合計金額です。

個人で請求する場合のメリット・デメリット

メリット

メリットは何といっても、費用が安く済むという点です。上述の通り、基本的には書類の郵送代しかかかりません。

デメリット

デメリットとして、以下の4点が挙げられます。

返還額を減額される可能性がある

貸金業者は個人と交渉する場合、相手を見くびって返還額を減額する傾向があります。

忘れてはならないのは、貸金業者はお金に関するプロだということです。過払い金の請求も数多く経験しています。貸金業者を相手にするのは、一筋縄ではいかないと考えましょう。

手間と時間がかかる

過払い金の請求を個人で行う場合、とにかく手間取ります。期日までに一から書類を揃え、返還額を算出し、過払い金請求通知書を作成しなければなりません。

一書類の作成に想定外に時間がかかり、過払い金の返還を求める権利が消滅時効にかかってしまうことも、ないとはいえまえん。なお、消滅時効をリセットするためには、裁判所に対する訴訟提起が必要となりますので、この準備も考えると時間の問題は慎重に考えなければならないと思われます。

書類の作成ができても、書類に不備があった場合、取り引きに応じてもらえなかったり、ご自身にとって不利な交渉を進められてしまったりする恐れがあります。

精神的に疲れる

貸金業者は、あの手この手で返還額を減額しようとしてきます。ややもすると、強引だったり態度が粗暴だったりするかもしれません。交渉事が苦手な人は怯んでしまったり、疲弊してしまったりすることが考えられます

周囲に知られやすい

個人で請求をする場合は、連絡や郵送物が個人に届きます。そのため、貸金業者を利用していたことを周囲に知られたくない場合などは、個人請求は不向きです。

過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼する場合の流れ

過払い金請求を依頼できる専門家としては、弁護士や司法書士が挙げられます。

依頼する場合は、基本的に弁護士や司法書士が過払い金請求の手続きをすべて代行してくれますので、その流れは個人で請求する場合と大きく異なります。

ここでは、どのような手続きを踏むのか、順番に紹介していきます。

無料相談(依頼者が行う)

まずは、依頼者(ご自身)が弁護士や司法書士に相談するところから始まります。

多くの弁護士や司法書士は、相談を無料で受け付けています。複数の弁護士・司法書士を比較・検討し、慎重に依頼先を決めましょう。決めるポイントとして、過払い金を解決した経験・実績の有無、事務所の立地、ご自身との相性などが挙げられます。

受任(弁護士/司法書士が行う)

依頼する弁護士/司法書士を決めたら、過払い金請求の代行が始まります。

これ以後の手続きは、基本的に弁護士/司法書士が代行してくれるため、依頼主であるご自身は、手続き終了まで通常通りの生活を送ることができます。

引き直し計算(弁護士/司法書士が行う)

貸金業者から開示された取引履歴を基に、過払い金の請求金額を算出します。貸金業者の取引履歴開示までは1~3ヶ月ほどかかります。

少々長丁場だと感じるかもしれませんが、返還額と取引履歴開示までの期間の長さは比例する傾向にあるので、辛抱強く待ちましょう。

返還請求(弁護士/司法書士が行う)

引き直し計算で算出された返還額を基に、弁護士/司法書士が過払い金返還請求書を作成し、貸金業者に送付します。

発送が終わったら、弁護士/司法書士がと業者の交渉が始まります。交渉は電話や書面で行います。

万が一、貸金業者が返還に応じない場合は、裁判所へ訴訟を提起することになります。

解決(弁護士/司法書士が行う)

返還が完了したら、貸金業と弁護士/司法書士が合意書を取り交わします。

あとはご自身の口座に振り込まれるのを待つのみです。

なお、契約で返済金を弁護士/司法書士の預かり口座に入金することになっている場合もあります(むしろその方が多いと思われます)。この場合は、弁護士/司法書士の方で報酬や実費を預り金口座内で精算して、精算後の残金があなたの口座に入金されるという流れとなります。

過払い金請求を弁護士/司法書士に依頼するメリット

煩雑な手間を一任できる

自分の手間を激減できることは、大きなメリットです。書類の取り寄せや作成などの煩雑な作業も、安心して任せることができます。

有利な和解交渉が成立しやすい

貸金業者は金融のプロなので、あの手この手で返還額を減額させようとします。

しかし、経験豊富な弁護士/司法書士に交渉を代行してもらうことで、請求側に有利な条件で和解できる可能性が高まります

裁判の手続きも代行してもらえる

貸金業者が交渉に応じず裁判に発展した場合も、そのまま弁護士/司法書士に手続きを一任できます

裁判の流れ

貸金業者が過払い金の請求に応じなかった場合は、弁護士/司法書士が訴状などを作成し、裁判所へ提出します。

和解で解決した場合は、返還日までにきちんと入金がされるよう、裁判所が監視を行います。判決の場合は、判決に基づく金額の入金を行うよう、裁判所が督促します。

減額を提示された場合でも対応可能

過払い金請求を弁護士などに依頼するメリットでもご説明した通り、貸金業者は仕事上、少なめの金額を提示する可能性が高いです。しかし、弁護士/司法書士が対応することで、過払い金の減額を阻止できます。

過払い金を早く返還してもらえる

弁護士/司法書士に依頼すれば、個人で手続きを行うよりも迅速に、過払い金を奪還できます。

そもそも、過払い金の請求には、借金を完済した日から10年間という時効があります。つまり、手続きにはスピードが求められるので、個人で手続きを進めるよりも弁護士/司法書士に依頼したほうが手堅いと言えます。

周囲に内緒で過払い金を請求できる

個人で請求をする場合と異なり、弁護士/司法書士に依頼すれば、貸金業者とのやり取りは弁護士/司法書士が代行するため、個人宛てに連絡や郵送物が来ることはありません。そのため、ご自身が貸金業者を利用していたことは周囲には知られにくいといえます。

相談すべきは弁護士/司法書士のどちらか

過払い金請求を依頼できる専門家として、弁護士や司法書士が挙げられます。

では、どちらに依頼するべきなのでしょうか。

弁護士は、基本的に法律にかかわる業務全般を行うことが可能であり、その範囲に制限はありません。

一方で司法書士は、登記・供託・民事事件を処理します。

つまり、弁護士のほうが扱える仕事の種類は多いといえます。しかし、過払い金請求では、必ずしも弁護士に依頼すればよいというわけではありません。それぞれ代行できる業務の範囲・費用が異なります。

弁護士/司法書士が代行できる業務

法律上、弁護士は、貸金業者との取引額が1社当たり140万以上の場合でも、貸金業者との交渉や訴訟の代理が行えます。

しかし、司法書士は、取引額が1社あたり140万以上である場合、過払い金請求の代行ができないことになっています。

また、弁護士は全ての裁判所で裁判の代行ができますが、司法書士は簡易裁判所での裁判しか代行できないため、貸金業者に控訴(被告人が訴訟に不服だった場合に再審を求めること)や上告(被告人が控訴にも不服だった場合に再審を求めること)をされても、裁判の手続きができません。

弁護士/司法書士それぞれに依頼する場合の依頼費

一般的に、弁護士に依頼する場合の依頼費は、司法書士と比べて高額です。

あくまでも目安ですが、100万円の過払い金を請求してもらった場合、15万~25万円ほど弁護士費用の方が高い傾向があります。司法書士は弁護士と異なり、着手金や報酬金がかからなかったり、着手金などの費用を弁護士より安く設定していたりするためです。

弁護士に依頼するか、司法書士に依頼するかの分岐点は、貸金業者との取り引き額が140万円を超えるかどうかと、過払い金を請求が裁判に発展する可能性があるかないかの2つといえるでしょう。ご自身の取り引き額を再確認してみましょう。

まとめ

過払い金請求は、個人行う場合と弁護士や司法書士に依頼する場合で費用や手間が大きく異なります。

過払い金額が高額な場合は、弁護士や司法書士に依頼した方がリスクは少ないでしょう。

高額になればなるほど貸金業者との交渉が難しくなり、裁判に発展する可能性が高くなるので、弁護士や司法書士に代行してもらうことをおすすめします。代行してもらう場合は、弁護士と司法書士の両方に相談し、ご自身でメリット・デメリットを検討してから決定しましょう。

以下の記事では、過払い金請求を依頼する弁護士・司法書士の選び方を紹介していますので、参考にしてみてください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。