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公開日:2019.4.10 
自己破産 弁護士監修記事

仮想通貨による借金で自己破産はできるのか?

よく“浪費やギャンブルでの借金を理由に自己破産は難しい”という話を耳にするかと思いますが、仮想通貨による借金で自己破産はできるのでしょうか。ここでは、自己破産についての基礎知識と、仮想通貨での自己破産の可否をご紹介します。

 

自己破産ができるケースとは

自己破産は裁判所が申立人の状況を審査してこの人は支払い不能状態であると判断された場合に認められるもので、要は裁判所はこの人の借金の返済を免除しますよという許可を得るための手続きです。

 

この『破産宣告』と『免責許可』の2つがそろって初めて借金を帳消しにすることができます。

 

自己破産ができ、借金返済が免除される条件としては、破産法252条に該当しないことが基本になります。

 

これを簡単に整理すると、次のようなものになります。

 

  • 浪費やギャンブルが原因の借金ではないこと
  • 免責許可の決定が確定した日から7年以内に、再度免責許可の申立をしていないこと(2度目以降の自己破産でないこと)
  • クレジットカードで商品を購入後、すぐに業者などに売却したり質入れしたりして現金化していないこと
  • すでに返済不能であるにもかかわらず、そうではないようにふるまって債権者から金銭を借り入れていないこと
  • 自己破産をするための費用として金銭を借り入れたり、自己破産や免責の申立中に新たな借金をしたりしていないこと
  • 裁判所に対して、財産状態の嘘の陳述をしていないこと

 

上記のどれかに当てはまるようなケースでも裁判所の裁量で免責許可を出すことは可能です。ただ、個人で手続きを行うより、弁護士等の専門家に相談しながら手続きを進める方が、相対的に免責許可が下りる可能性が高くなるかもしれません。

 

仮想通貨の借金で自己破産ができる可能性はどれくらい?

仮想通貨による借金は、一見すると『浪費やギャンブルが原因の借金』と言えなくもありません

 

運用資金を消費者金融などで借り入れ、それに加えて大幅なレバレッジをかけることで、およそ自分の財産から考えられない規模の仮想通貨取引を繰り返していれば、ギャンブル性が高い行為として免責不許可事由に該当する可能性は否定できません

 

しかし、上記のとおり、裁判所は免責不許可事由があっても、その裁量で免責を許可することができます。そのため、仮想通貨取引がギャンブル性が高いと判断される場合であっても、その実態が悪質でない場合や過去に自己破産した経験がないという場合は、免責を受けることも不可能ではないと思われます。

 

例えば、参考として、仮想通貨の借金で自己破産ができる可能性として下表のような整理はあり得ると思われます。

 

自己破産の経験

借金の原因

申立難易度・免責許可の可能性(※)

あり

仮想通貨の損失のみ

★★★

容易ではない

仮想通貨の損失

消費者金融等からの借入

★★★★

難しい場合がある

仮想通貨に対する税金の納税のための借金

★★★★

難しい場合がある

※税金は免責されない

なし

仮想通貨の損失のみ

★★

容易

仮想通貨の損失

消費者金融等からの借入

★★★

比較的容易

仮想通貨に対する税金の納税のための借金

★★★

容易でない場合がある

※税金は免責されない

※ 上記はあくまで目安です。容易であっても他の理由から免責がされないこともありますし、難しい場合でも事情によっては免責が認められる可能性はあります。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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