個人再生で借金を大幅に減らす手順と失敗しない為の注意点

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個人再生で借金を大幅に減らす手順と失敗しない為の注意点
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2016.10.13

個人再生で借金を大幅に減らす手順と失敗しない為の注意点

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個人再生(こじんさいせい)とは、裁判所を通じて借金減額を行うことを目的とした債務整理手続きの1つです。多重債務者の再生計画を図り、借金減額しつつマイホームを残すこともでき、再生計画が認可された場合の債務は原則5分の1まで減額が可能になります。

また、個人再生は減額された債務は3年〜5年で返済する必要がありますが、自己破産と違い住宅や車を手放す必要がなかったり、手続き開始後に債権者からの強制執行(給料差し押さえなど)ができなくなるといったメリットがあります。

個人再生の概要
  • 裁判所を通じて債務を減額する手続き
  • 原則として債務が5分の1に減額され、3~5年で支払いをする
  • 住宅を手放さずに手続きをすることができます
  • 保証人ではない限り、家族に迷惑がかかることもない
メリット デメリット
  • 借金の大幅な減額ができる
  • 自己破産でも借金が免除されない人でも利用可能
  • 特定の資格職業が消滅しない
  • マイホームや車など財産が残せる
  • 貸金業者からの取立て行為が原則なくなる
  • 利用できる人の要件が厳しい
  • 手続きが複雑で手間と時間と費用もかかる
  • 住宅ローン以外のすべての借金が対象になってしまう
  • 保証人には請求が行く
  • 官報に掲載される
  • ヤミ金から連絡が来る場合がある
  • 借り入れが今後5年〜10年できない

今回は、そんな個人再生を利用して債務整理を行う方法をご紹介します。
 

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借金は債務整理をすることで大幅に減らすることもできます。しかし、債務整理といっても様々な方法もあり、それに応じた知識・経験が必要になってきます。【債務整理ナビ】では、債務整理が得意な弁護士・司法書士のみを掲載しています。借金でお困りの方は、まずはそれら専門家に相談することをおすすめします。相談料無料の事務所も多いので、まずは気軽に相談しましょう。
 

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【目次】
個人再生とは
個人再生で減額できる債務の金額
個人再生を他の債務整理と比較した時のメリット
個人再生のスケジュールと流れ
個人再生の手続きの流れとかかる費用
個人再生を行う場合の注意点
個人再生を行なった後の生活への影響
個人再生を専門家に依頼する場合
まとめ

個人再生とは

個人再生は裁判所を通じて行う債務整理の手続きで、自己破産ほど強力ではないものの、任意整理よりは借金の減額幅が広いというのが特徴です。裁判所への申し立てが必要という意味では自己破産と同じですが、裁判所では以下のような説明がされています。

個人再生手続とは,借金などの返済ができなくなった人が,全債権者に対する返済総額を少なくし,その少なくなった後の金額を原則3年間で分割して返済する再生計画を立て,債権者の意見を聞いたうえで裁判所が認めれば,その計画どおりの返済をすることによって,残りの債務(養育費・税金など一部の債務を除く)などが免除されるという手続です。
引用元:個人再生手続利用にあたって

大幅な借金減額が可能な新しい制度

個人再生は2001年に開始された比較的新しい制度で、例えば1000万円の借金をした方が、3年間で200万円を返済するという計画を立てた場合、実際に3年間で計画どおりに返済できれば、残りの800万円の借金が免除されます。
 
つまり、3年間しっかりと返済さえすれば、残りの借金がゼロになるというわけです。
参考:個人再生手続利用にあたって|その1(手続の概要について)

マイホームを維持したまま借金を減らせる

後述しますが、個人再生の大きな特徴はマイホームを残したまま借金を大幅に減らせることです。それまで、借金でどうしようもできない方は、自己破産によってマイホームを失ってでも借金免除の手続きをしていましたが、新たな個人再生の制度によりマイホームを残しつつも大幅に借金を減らすことができるようになりました。
 

個人再生は誰でも利用できるわけではない 

こちらも後述しますが、個人再生は誰でも利用できる制度ではありません。例えば、借金を全て失くすことはできないので、その後残った借金をきちんと返していかなくてはなりません。すなわち、返済能力のある一定の収入がある方でないと認められにくいです。
 
また、借金の総額が100万円未満の場合は、全額を返還する旨の規定がありますので、借金額が100万円未満の場合は、個人再生の手続きを利用するメリットはあまりありませんが、3000万円を超えて5000万円以下の人は10分の1まで減額が可能ですので、債務がかなり多い方にとってはかなり有効な手段になると思います。

 

個人再生で減額できる債務の金額

再生計画案が認可された場合、減額される金額をご紹介していきます。個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2種類の手続がありますので、順に解説していこうと思います。

個人再生では借金の一部を消して返済する|小規模個人再生の場合

小規模個人再生は主に、個人事業主や事業を営んでいる方を対象にしています。給与所得者等再生よりも減額幅が大きいのが特徴です。

利用条件

  • ・借金などの総額(住宅ローンを除く)が5000万円以下であること

  • ・将来にわたり継続的に収入を得る見込みがあること

この2点をクリアしていれば大幅な減額が可能になります。
個人再生の不認可に関して詳しくは「個人再生が不認可になる7つのパターン」をご覧ください。

A 小規模個人再生手続の場合
およその目安として,借金などの総額(住宅ローンを除く)に応じて、借金などの総額が
100万円未満の人・・・・・・総額全部
100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1
引用元:裁判所|その6(最低返済額について)

もし、抱えている負債が350万円なら100万円まで減額、2000万円なら300万円まで減額されるということです。

給与所得者等再生の場合

給与所得者等再生の場合は、おもに会社員などを対象にしたものです。減額される借金額は「小規模個人再生」の場合の負債額と、自分の収入合計から税金や最低生活費などを差し引いた金額(可処分所得額)の2年分の金額を比較して、多い方の金額を採用していきます。

例えば、借金が500万円あり、収入(月収):25万円、税金諸々:19万円だった場合・・・

(25万 - 19万)× 24ヶ月 = 144万円

多いのは借金の5分の1の100万円よりも2年分の可処分所得ですから、144万円を返済する必要があることになります。

給与所得者等再生の利用条件

小規模個人再生とほぼ一緒ですが、ただし、給与所得者等再生を利用する場合は小規模個人再生の条件に加えて、

  • ・収入が給料などで,その金額が安定していること

という条件がプラスされます。

財産と借金額が同じ場合は減額できない|清算価値保障による制限とは

また、個人再生には清算価値保障による制限があります。清算価値保障による制限とは、個人再生をした際に財産を持っていた場合、それを下回る借金額まで減額できないという制限です。
 
例えば、個人再生を行った際に300万円の財産を持っていて1,000万円の借金があったとします。通常であれば1/5の200万円まで減額できますが、300万円の財産が有るので、300万円までしか減額することができなくなります。
 

個人再生の3つのメリットと9つのデメリット

それでは、個人再生のメリット・デメリットはそれぞれどのようなものがあるかを解説していきます。
 

個人再生のメリット

借金の大幅な減額ができる

すでにお伝えしたように、個人再生は借金を3年で支払うという計画案(再生計画案)が裁判所に認可されれば、3年間の分割の支払いが終わった時点で、債務を5分の1程度(最大10分の1)にすることが最大のメリットです。

自己破産でも借金が免除されない人でも利用可能

浪費・ギャンブルでの借金など、自己破産では「免責不許可事由」に該当する方でも個人再生であれば利用できる可能性があります。
 
また、自己破産の申告が可能な方でも、心情的に「借りたものは返したい」という方や、「自己破産は絶対に避けたい」という方は、個人再生を利用することをおすすめします。

特定の資格職業が消滅しない

自己破産とは違い、宅地建物取引主任者、旅行業務取扱主任者、生命保険外交員、損害保険代理店、警備員などの資格を失わずに済むことも個人再生のメリットといえます。

マイホームや車など財産が残せる

住宅ローンがある人などは、住宅ローン特則を利用することで、自宅を手放すことなくローンを払い続けることで、マイホームに住み続けることができます。

住宅ローン特則とは?

サラ金への借金などの他に住宅ローン債務もある人については,小規模個人再生手続,又は,給与所得者等再生手続の申立をする際に,住宅ローンについての特則を希望する旨付け加えることができます。

ただし,この住宅ローンについての返済総額は,他の借金などのように少なくすることはできません。
※この特則を利用する場合には,事前に銀行などの住宅ローン債権者と打合せを行う必要があります。
引用元:個人再生手続利用にあたって|その3(住宅ローンの特則について)

貸金業者からの取立て行為が原則なくなる

個人再生手続きを行う旨を業者に通知すれば業者からの取立て行為が原則なくなり、強制執行に移行される可能性も低くなります。
借金の取り立てに対して債務者が取るべき3つの解決方法
 

個人再生のデメリット

手続きが複雑で手間と時間と費用もかかる

個人再生の手続は裁判所の許可が必要になる関係上、かなりの手間や時間がかってしまいます。 

個人再生にかかる費用
  • ・申立手数料(印紙代):1万円
  • ・郵便切手:1920円〜
    •  ・500円切手2枚、92円切手を債権者数×2枚、82円切手を10枚,52円切手を1枚,10円切手を10枚
  • ・裁判所への予納金:12,268円(官報公告費用)
    •  ・個人再生委員が選任される場合:15万円~25万円(個人再生委員の報酬)

参考:裁判所|個人再生手続を申し立てるにあたって,どのくらいの費用がかかるのですか?

債務整理の中でも個人再生はかなりの費用がかかりますし、手続が難しく弁護士などの専門家への依頼費用がかかることもあります。ただし、大幅に借金が減額することをふまえると、個人再生の費用も割に合うと考えてもらえるでしょう。

その4(裁判所に納めなければならない手続費用などについて)
A 代理人弁護士がいる場合 30,000円程度
B 代理人弁護士がない場合 215,000円程度
引用元:個人再生手続利用にあたって

【関連記事】
個人再生に必要な費用とできるだけ費用を抑える3つの方法

利用できる人に条件がある

現在ある借金の一部を「原則3年(最長5年)の分割払い」で返すことが前提となるため、「継続的な収入を得られること」「収入の増減幅が小さいこと」などが条件となるでしょう。一応裁判所では「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがある者」という明記があります。
参考:裁判所|個人再生手続とは,どのような手続ですか。

また、減額できる借金には幅があり(100万円以上5000万円以下)、無職の方や失業中の方は利用できないことはデメリットになるでしょう。ただし、アルバイトやパートの方であれば、状況次第では利用可能です。
個人再生を行なえる人の条件と失敗しない個人再生の手順

保証人には請求が行く

借金の減額対象は債務者本人だけに限られ、保証人は対象になりませんから、親族をし連帯保証人にていた場合は、家族に取立てや催促がきてしまいます。

住宅ローン以外のすべての借金が対象になってしまう

個人再生の手続では、全ての借金が対象となり、特定の借金だけは省きたいなどのケースには対応できません。基本的にはデメリットになるようなものではありませんが、場合によっては個人の信用を失う可能性が高いので、良い関係性を続けていきたい場合は、ちゃんと伝えておく必要がありますね。

借り入れが今後5年〜10年できない(信用情報機関のブラックリスト入り)

個人再生を行うことで信用情報機関に「事故情報」として登録され、約5年~10年の間は借入やローン、クレジット契約等が出来なくなります。
▶「ブラックリストに載る理由と消し方|ブラックリストの全知識

官報に掲載される|ヤミ金から連絡が来る場合がある

官報(かんぽう)は、国、即ち政府の機関紙である。国としての作用に関わる事柄の広報および公告をその使命とする。「官」とは中央政府のこと。
引用元:官報

この官報には「破産・再生・会社更生」などの情報が掲載されますので、官報を見た金融業者(ヤミ金業者)から、大量のDMが送られてきたというのはよくある話です。

一度連絡を取るとさらにしつこい勧誘などが待っていますので、相手にしないのが得策でしょう。
 
個人再生をすると官報に掲載される|掲載期間と消す方法
闇金の全て|闇金の手口と絶対にお金を借りてはいけない理由

クレジットで購入した商品も個人再生の対象

上記で個人再生の対象になる債務は選択することができないとお伝えしましたが、これはクレジット購入した商品やローン契約で購入した車なども当てはまります。住宅の場合は「住宅ローン特則」が利用できますが、それ以外は個人再生の対象です。

クレジットカードで買った商品の返還を求められる

個人再生をすると、ローン会社やクレジット会社から商品の返還を求められる可能性もあります。もし、住宅以外に手放したくないものがあれば、一度弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
個人再生で車を手放さずに済むたった一つの方法

借金が全て消えるわけではない

度々お伝えしていますが、個人再生では全ての借金額が免除されるわけではありません。最低でも100円以上の借金があり、それを3年間で返済していかなくてはなりません。
【借金返済計画】借金完済までの6つのステップ
 

 

デメリットばかりが目立つが本当に利用すべきなのか?

メリットに対してデメリットの方が多くなってしまっている個人再生ですが、借金が半分以下になるというのは何物にも変えがたいメリットになると言っていいでしょう。確かに、ブラックリストに載ったり、借入やクレジットカードは作れないかもしれませんが、カードはなくても生きていけます。

逆に大きな買い物をしないようになる分、便利かもしれません。借金をしているという自覚を持てる分、日々の返済のみを考えれば良いですし、住宅は残るので、個人的にはおすすめできるものだと思っています。

ただ、弁護士や司法書士などの専門家に相談すれば、もっと違った方法も検討してくれる可能性が高いため、一度無料相談などを行い、今後の方針を決めて行くというのが、一番安心かもしれませんね。
 


個人再生は、メリットが多いのですが手続きが複雑なのがデメリットです。個人再生を行なう前は一度弁護士・司法書士に相談してみましょう。無料相談が可能な事務所がほとんどですので、まずは以下のリンクから専門家を探し相談してみることをおすすめします。
 

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個人再生を他の債務整理と比較した時のメリット

次に、個人再生を他の債務整理と比較した場合のメリットなどを見てきましょう。それぞれのメリットやデメリットは下記の記事でご紹介していますので、そちらを参考に、個人再生とのメリットを見てきましょう。
債務整理のデメリット|方法別メリット・デメリットまとめ

任意整理と比較した場合のメリット

任意整理は債権者と直接交渉をすることで、返済金額などを調整する方法です。借金そのものはなくならないという点では同じですが、裁判所を介するか否かという点が主な違いといえます。

ただ、周囲に知られにくい、連帯保証人に迷惑がかからないというメリットは多いですが、借金を大幅に減らしたいのであれば個人再生の方をおすすめします。
任意整理のデメリットとメリットの正しい知識まとめ

特定調停と比較した場合のメリット

特定調停も任意整理と似たようなことを、調停手続きの利用によって行います。裁判所の手続きをするものの、費用を抑えて個人で行うことも可能なため、債務整理のなかでは一番費用が安く済むというメリットがあります。

ただ、「手間と時間がかかる」「取り立ては止まらない」「遅延損害金は支払う必要がある」などのデメリットもありますので、あまりおすすめはできない方法ではありますが、どうしても債務整理の費用を抑えたい方は特定調停も検討しましょう。
特定調停を行うメリットやデメリットなどの基礎知識まとめ

自己破産と比較した場合のメリット

自己破産は裁判所を通して全ての借金をゼロにする最終手段です。自己破産なら借金の返済義務は無くなりますが、住宅などの高額な財産も手放すことになるので、住宅をお持ちの方は、個人再生から検討してみましょう。
自己破産のデメリットとメリット|破産すべき人そうでない人
 


個人再生以外にも様々な方法で債務整理が可能です。実際にあなたにどの方法が適しているかを、債務整理の専門家に聞いてみましょう。無料相談が可能な事務所がほとんどですので、まずは以下のリンクから専門家を探し相談してみることをおすすめします。
 

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個人再生の手続き|スケジュールと流れ

個人再生の手続きは、裁判所への申し立てから認可決定まで約4ヶ月から半年ほどの期間が必要になります。また、裁判所によっても期間が異なり、高確率で「個人再生委員が選任される」東京地方裁判所では期間も長いといった特徴があります。
 

個人再生委員とは?
再生計画の認可決定の可否について、法律上の要件をチェックして裁判所に意見書を出す人達のこと。個人再生手続き開始決定の可否は、個人再生委員の意見を参考にすることが多い為、個人再生を開始していいかどうかといった重要な決定に関して、裁判所に意見書を提出するのは個人再生委員の仕事です。通常は裁判所が選んだ弁護士が請け負います。

個人再生委員が選任される場合

東京地方裁判所では必ず「個人再生委員」が選任されることになります。個人再生委員が選任されると、再生委員との面接、意見書の提出といった作業が発生し、約半年ほどの時間がかかると思って良いでしょう。
 

個人再生委員が選任された場合のスケジュール

1:個人再生の申立て(申立てと同時に個人再生委員が選任)

2:個人再生委員と面接(1〜2週間)

3:個人再生の開始決定(1ヶ月)

4:債権届出の起源(8週間)※債権者が裁判所に提出

5:債権認否一覧期限(10週間)※再生債務者が裁判所に提出

6:異議申述の期限(13週間)※債権額に争いがある場合

7:評価申立の期限(16週間)※債権額に争いがある場合

8:再生計画の提出期限(18週間)

9:書面決議実施の決定(20週間)

10:債権者の回答書期限(22週間)

11:再生計画の認可決定(25週間)

ざっくりとしたスケジュールではありますが、おおよそ25週間、約6ヶ月前後で再生計画が認可され、借金返済がスタートするかたちになります。
 

個人再生委員が選任されない場合

基本的な流れは東京地方裁判所と変わりませんが、個人再生委員の選任がない分、いくらか期間が短くなり、約3ヶ月前後での認可決定になります。
 

個人再生委員が選任されない場合のスケジュール

1:個人再生の申立て

3:個人再生の開始決定(2週間)

4:債権届出の起源(6週間)※債権者が裁判所に提出

6:異議申述の期限(8週間)※債権額に争いがある場合

8:再生計画の提出期限(9週間)

9:書面決議の回答期限(14週間)

10:債権者の回答書期限(22週間)

11:再生計画の認可決定(100日前後)

個人再生委員の選任がされないと約3ヶ月前後で再生計画の認可決定がされるようです。
 

再生計画で出した返済期間の延長が認められる場合

再生計画での返済期間は原則3年間とされていますが、3年間での返済が困難だった場合、2年間の返済期間の延長が認められることがあります。裁判所によると「特別な事情」があった場合、延長を認められます。

(再生計画による権利の変更の内容等)
第二百二十九条 小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは第八十四条第二項に掲げる請求権について別段の定めをする場合を除き、再生債権者の間では平等でなければならない。
引用元:民事再生法第229条

返済期間延長が認められやすい理由

  • ・家族などの医療負担
  • ・子供の養育費の負担
  • ・失業などで収入が下がった  など

返済期間延長が認められにくい理由

  • ・ギャンブルや趣味などの娯楽に費やした
  • ・友人との交際費での消費
  • ・ブランド物や高額商品などおおよそ必要ない物への浪費 など 

個人再生の手続きの流れとかかる費用

次に、個人再生を実際に行う場合の手続きを見ていきましょう。

まずは弁護士などの専門家へ相談

個人再生を行う場合、1人で行うことは困難極まりないので弁護士や司法書士などの専門家に相談されることをおすすめします。専門家に依頼する以上費用はかかりますが、結局個人再生委員の弁護士が選任さることが多いので、その分の費用はかかってくると思って良いでしょう。

弁護士に委任した場合でも、すぐに個人再生の申立てができるわけではなく、事前に債権者との協議、必要書類の準備、再生計画額の算定や分割予納金の準備などもありますので、相談から申立てまで約1ヶ月〜2ヶ月はかかると思われます。もし給与の差し押さえなどが迫っている場合は、早めの対応をしていただいた方がよいでしょう。
参考▶債務整理の費用の相場と専門家などの費用を安く抑える手順

手続きの種類を選択

個人再生手続きには次の2つの種類があることはすでにお伝えした通りですが、自分がどちらの条件に当てはまるのかを確認して、「小規模個人再生」が「給与所得者等再生手続」のどちらかの方法を選択して下さい。

詳しくは「小規模個人再生の場合」「給与所得者等再生の場合」をご確認ください。

小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらを選ぶべきか?

基本的には返済額が少ない小規模個人再生の方をおすすめします。扶養者は少ないけど年収は高い方の場合、可処分所得がかなり高額になるケースも考えられますから、その場合は返済額が大きい給与所得者等再生よりも、小規模個人再生を利用した方が良い場合が多いと思われます。
参考▶小規模個人再生の特徴や申し立てに関する知識のまとめ

受任通知・債権調査

債権者に対し「受託通知及び債権調査へのご協力のお願い」を発送し、これにより、債権者からの取立てがストップします。

申立てに必要な書類

申立てにあたって主に必要となる書類は以下のようなものがあります。

申立人の課税証明書(2年分) 支払督促正本 通帳
受給証明書 調停(和解)調書正本 残高証明書
申立人の確定申告書(2年分) 判決正本 契約書
以前の就業先での給与証明書 差押命令正本 退職金見込額証明書
賃貸借契約書,住宅使用許可書 仮差押命令正本 保険証券
同居人の給与証明書 仮処分命令正本 解約返戻金に関する証明書
同居人の源泉徴収票 車検証 登記簿謄本(登記事項証明書)
証券のコピー 登録事項証明書 共担目録 
証券の時価がわかる資料 車両の時価がわかる資料 固定資産評価額証明書 など
参考:再生手続開始申立書(個人再生)の添付書類一覧表 - 裁判所 

申立て費用

  • 代理人弁護士がいる場合:30,000円程度

  • 代理人弁護士がいない場合:215,000円程度(個人再生委員の選任費用)

最低返済額について

債権者に対して、手続上最低限返済しなければならない金額というものがあり、それについては次のとおりです。

1:小規模個人再生手続の場合
およその目安として,借金などの総額(住宅ローンを除く)に応じて、借金などの総額が
100万円未満の人・・・・・・総額全部
100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1
 2:給与所得者等再生手続の場合
1で算出した金額と,自分の可処分所得額(自分の収入の合計額から税金や最低生活費などを差し引いた金額)の2年分の金額とを比較して,多い方の金額
引用元:裁判所|最低返済額について

再生計画案の提出

具体的な再建方法や弁済の方法など、今後の借金返済の計画を「再生計画案」としてまとめて、添付書類と一緒に裁判所へ提出します。

再生計画認可の決定

再生計画案の認可決定が認可・確定し、毎月の返済金額と支払い開始日、振込口座を伝えれば返済のスタートになります。
 


個人再生の手続きは複雑で、弁護士や司法書士の専門家に依頼することがほとんどです。依頼するかどうかはさておき、無料相談が可能な事務所がほとんどですので、まずは以下のリンクから専門家を探し相談してみることをおすすめします。
 

▶▶個人再生に強い弁護士・司法書士を探す
 

 

個人再生を行う場合の注意点

個人再生は手間もかかる分大幅な借金減額ができる便利な制度ですが、その分注意すべきこともありますので、そのあたりも知識としてご紹介していきます。
 

個人再生の失敗について

個人再生には以下の2つの失敗があります。

  1. 1:個人再生の手続き自体がうまくいかない

  2. 2:返済計画がうまくいかずもう一度債務整理する事になる


1に関しては、1人でやろうとして失敗したパターンですね。「申立てに必要な書類」でもご紹介しましたが、個人再生に必要な書類だけでもこれだけの量があります。これを一つ一つ準備・記入していくだけでも大変な作業ですしミスがあれば当然受け付けてもらえません。

2に関しては借金をすぐにでも返そうとして背伸びをした返済計画を立ててしまうのがよくあるケースです。再生計画の数字上は問題のない額でも、実際に再生計画を実行してみると生活が困窮するほどの圧迫をする事になったなどです。

これも1人で行った結果起こる事が多いので、個人再生の選任がなかったとしても、ちゃんと専門家の意見を取り入れた方がよいでしょう。
 

個人再生の失敗をなくすためには?

個人再生をすると決めた以上、無理のない返済計画を立て、しっかりと実現可能な再生計画案を出す必要があります。そのための失敗しない最善策は、やはりプロに手伝ってもらうこといえます。

プロに相談することで、そもそも個人再生が本当に正しい手段なのか?という事までハッキリするはずです。専門家のアドバイスを受ける事で始めてしまってから後悔するという最悪のシナリオだけでも回避できる可能性が高くなります。
参考▶個人再生が失敗する理由と失敗しないためのポイント

保証人がいる場合は事前の連絡を取ってから申請する

保証人が付いている債務を個人再生してしまうと、保証人に請求がされてしまいます。保証人になってくれた方は、大なり小なりリスクを承知の上で保証人になってくれた方です。実際に個人再生を行なう前に保証人に連絡を取った上で申請するようにして下さい。
 
個人再生を承認してくれるか否かは保証人によりますが、保証人が認めてくれないのであれば、任意整理という方法も取れますし、どうしても個人再生以外の方法で借金解決が難しいようでしたら、頼み込むことで認められるかもしれません。

とにかく、保証人に黙って個人再生を行ない、保証人が突然請求されるようなことにならないようにしましょう。

再生計画を立てる際の注意点

個人再生を行う際、裁判所に再生計画案を提出しますが、こちらはあくまでも裁判所に個人再生が認められるために提出する返済計画です。実際にあなたがこの計画を元に借金返済をしていなければなりません。返済ができなくなると個人再生が取り消されることもあります。
 
ですので、上記でも少し触れましたがご自身でも借金返済計画を立てることをおすすめします。例えば、ギャンブルや浪費が元で借金を作ってしまったのであれば、その元凶を断ち切る計画も立てていきましょう。3年という期間があると人はついつい甘えてしまいます。そうならないように、早い段階でご自身でも返済計画を立て、借金体質を無くすようにして下さい。

再生計画の取り消し申し立てについて

再生計画で立てた返済期限が守れないと、個人再生計画が取り消されてしまうことがあります。再生計画が取り消されてしまうと、個人再生で減額した債務は無効になり、もとの借金が全額残ります。
 
返済できないことに事実があれば(返済できるだけの資金がない)、裁判所により、破産手続きに移行されることになります。個人再生を申請する際にきちんとした返済計画を立てることはもちろんですが、もしも途中で返済が苦しくなってしまったのであれば、弁護士や司法書士に早めに相談するようにして下さい。

 

個人再生を行なった後の生活への影響度

個人再生のデメリットとも関連する部分もありますが、個人再生を行うことによりその後起こり得るであろう生活への影響をこちらではまとめてご紹介・解説します。

個人再生をした後に車を失う可能性がある

個人再生は住宅を残せるとメリットでお伝えしましたが、車のローンが残っていた場合、車を手放してしまう可能性があります。ローン会社が所有者になっていたような場合です。車のローンがあって個人再生を考えている方は以下のコラムをご覧ください。
参考▶個人再生で車を手放さずに済むたった一つの方法

個人再生後に住宅を残し続ける方法

個人再生は住宅を残せる制度ですが、厳密に言うと住宅ローン特則を利用して住宅ローンの支払い期間を延ばして返済していきます。個人再生を専門家に依頼すると、この住宅ローン特則の手続きも行ってくれますが、ご自身でも把握しているとなお良いでしょう。
 

個人再生と住宅ローンの関係

上記でも触れましたが個人再生は住宅ローン特則によって、住宅を残したまま借金減額をすることができます。住宅ローン特則によって、住宅ローンを残したまま個人再生ができますが、もちろん住宅ローンは残ったままなので返済義務も今後残ります。
参考▶個人再生をする人が住宅ローンを残すための知識まとめ
 

個人再生後にブラックリストに載る影響

個人再生をすることで、ブラックリスト(信用情報)に載ると言うことはデメリットでもご説明しましたが、ブラックリストに載ることで以下の影響が考えられます。
 

新たな借り入れができない

ブラックリストに載ることで正式な金融機関からの借り入れができなくなります。ポジティブに考えると、新たな借金をすることがなくなるとも言えますが、いざという時に金融機関を頼ることはできません。
 

ローンを組めなくなる

同じく、ブラックリストに載ることで新たにローンを組めなくなります。ブラックリスト掲載期間は5~10年なので、個人再生をすると、その期間、原則的住宅や車などの大きな買い物ができなくなります。
 

クレジットカードが作れなくなる

また、クレジットカード会社に先に支払いを済ませてもらう、クレジット契約もできなくなります。クレジットカードが無いからと言って、大きな悪影響はあまり考えられませんが、生活に幾分かの不便はあるかもしれません。
 
ブラックリストに載る理由と消し方|ブラックリストの全知識
個人再生後にクレジットカードを発行するための4つの手順
 

個人再生後に官報に載る影響

官報とは、機関紙のようなもので誰でも閲覧することができます。個人再生をすることで、官報に載ってしまいますが、一度に数百人分の情報が載るので、知人から知られてしまう可能性は極めて低いでしょう。
 
一方で、官報を常にチェックしている違法業者(闇金業者)がいますので、闇金業者からの融資の勧誘を受ける可能性が高まります。相手にしなければ問題ありませんが、連絡してしまうと、様々な被害を被りますので絶対に連絡しないようにしましょう。
参考:▶個人再生をすると官報に掲載される|掲載期間と消す方法
 


個人再生は以上のデメリットがあります。要望を伝えることで回避することもできますし、別の債務整理が適している場合もあります。無料相談が可能な事務所がほとんどですので、まずは以下のリンクから債務整理の専門家を探し相談してみることをおすすめします。
 

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個人再生を弁護士や司法書士に依頼する場合

最後に、個人再生をする場合の専門家はどのように選ぶかをご紹介していきます。
 

弁護士や司法書士のどちらを選ぶべきか?

基本的にはどちらに依頼しても同じ仕事をしてもらえますが、司法書士より弁護士の方が扱える手続きなどの行動範囲が広いのが特徴としてあげられます。
 

司法書士の場合

司法書士には代理権がないため、裁判所及び再生委員とのやり取りはすべて本人が行う必要がある。

 

弁護士の場合

裁判所及び再生委員とのやり取りもも含め、依頼すると手続きの全てを任せることができます。個人再生は必ず裁判所に申し立てる事になりますので、代理人弁護士を介して裁判所及び再生委員とのやり取りすることを前提にするなら、最初から弁護士に依頼するのが結果的に得策かと思います。

個人再生委員としても弁護士が選任されますので、司法書士に依頼してあとから弁護士にも依頼するとなると、費用も余計にかかり、結果的には高くついてしまう危険もありますね。
 

専門家に頼んだ場合の費用

  • ・自分で個人再生をする場合:約27万円程度
  • ・司法書士に依頼する場合:20万円〜30万円程度
  • ・弁護士に依頼する場合:30万円〜50万円程度


事務所によってばらつきはありますが、おおよそ上記のような金額になると思われます。また、住宅ローン特則のありなしでも若干の費用に変動があり、「あり」の場合では50,000円のプラス料金を設定している事務所が多いですね。
 

個人再生を得意とする専門家を探すなら

良い専門家を見分ける3つの要素

  • ・債務整理でも解決できる長年の経験があるか
  • ・債権者の借金を減らす交渉術とノウハウがあるか
  • ・弁護士・司法書士自らが相談者と直接に話し合ってくれるか

 

避けた方がよい専門家の特徴

  • ・最初から最後まで事務員が対応してくる事務所
  • ・忙しいを言い訳にする
  • ・弁護士・司法書士経験が浅い
  • ・料金体系が明確でない


上記のような項目を押さえておけば、最後はあなたのフィーリングや相性で選んでいただければと思います。
 


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まとめ

いかがでしたでしょうか?

個人再生を行う上で、参考になれば幸いです。本来であれば個人再生を得意とする弁護士を紹介したいところですが、弁護士法に抵触してしまいますので、ネットや知り合いなどの紹介から、いい専門家を選んでいただければと思います。
 

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債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたを債務整理ナビの弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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