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給与所得者等再生とは|最低弁済額や利用条件を解説

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笠田 佑介
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給与所得者等再生とは|最低弁済額や利用条件を解説
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給与所得者等再生(きゅうよしょとくしゃとうさいせい)とは、主にサラリーマン・OLを対象にした個人再生の一種です。

もう一方の個人再生である小規模個人再生と違い、債権者の意見に左右されず個人再生できることが大きなメリットです。この記事では、小規模個人再生と比較しながら給与所得者等再生を解説します。

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給与所得者等再生とは

給与所所得者等再生とは、会社員(サラリーマン・OL)など、変動がほとんど無い安定した収入を得られる見込みのある給与所得者を対象とした手続で、個人再生の特則類型と位置づけられています。

もう一方の個人再生である「小規模個人再生」は、自営業者など安定した収入がない方でも利用できる個人再生手続きです。

現状として、給与所所得者等再生を利用する方は少なく、収入が安定している会社員でも小規模個人再生を選択する方がほとんどです。2017年の司法統計によると、給与所得者等再生を選択した方は全体の約8%(796)です。

(参考:司法統計)

給与所所得者等再生を選択する方が少ないのは、再生認可後の支払額(最低弁済額)が小規模個人再生を利用したときよりも高くなるからです

ただし、給与所所得者等再生の場合、再生計画開始決定の際に債権者決議は必要ないため、多くの債権者が再生に反対している時は、給与所所得者等再生を利用することになります。

【モデルケースつき】給与所得者等再生の最低弁済額とは

給与所得者等再生の場合、借金総額から見た最低弁済額(最低限支払うべき金額)と可処分所得額の2年分の金額を比較して、多い方が最低弁済額になります。

ここでは、この2つ最低弁済額や給与所得者等再生で個人再生を行った場合、借金はどれくらい減るのかについて、具体例を交えて解説します。

2つの最低弁済額

借金の総額から見た最低弁済額

借金の総額から見た最低弁済額は借金の総額(住宅ローンを除く)によって下図にように変化します。小規模個人再生にも利用されています。

借金の総額

最低弁済額

100万円未満

総額全部

100~500万円以下

100万円

500~1,500万円以下

総額の5分の1

1,500~3,000万円以下

300万円

3,000~5,000万円以下

総額の10分の1

ただし、債務者が保有している財産の資産価値が、上記の表で算出した最低弁済額よりも上回る場合、保有している財産価値の金額が再生認可後の支払額となります(清算価値保障の原則)。

可処分所得額の2年分

可処分所得額とは、自分の収入の合計額から税金や最低限の生活費などを差し引いた金額のことを指します。可処分所得額の2年分と上記の表を比較して、多い方の金額が最低弁済額となります(民事再生法241条2項7号)。

もちろん、債務者が保有している財産価値の金額が上回っている時は、保有している財産価値の金額が再生認可後の支払額となります。

可処分所得額について、以下で詳しく見ていきましょう。

可処分所得額の2年分の求め方

まず、「可処分所得額」は次の計算式で求めることになります。

【可処分所得額】=(2年分の収入―2年分の税金等)÷2-1年分の最低生活費

この2年分が「可処分所得額の2年分の金額」となります。「税金」には、所得税や住民税などが含まれます。

上記の式で、一番厄介なのが「最低生活費」です。ここでいう「最低生活費」は、法律上「再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額」と表現され、「再生債務者及びその扶養を受けるべき者」の年齢や住んでいる地域、世帯人数、物価の状況などを考慮して算出されます。

具体的な金額は、「民事再生法第二百四十一条第三項の額を定める政令」に基づいて計算します。ここでは詳しく扱いませんが、弁護士や司法書士に依頼した際に、計算してもらうようにしましょう。

【モデルケース】借金が200万円のケース

借金の総額が200万円の場合、上記の表で算出した金額は100万円です。

そして、個別的な事情によりますが、例えば「可処分所得額の2年分の金額」が150万円だとしたら、最低弁済額は150万円になります。

これはあくまでも一例ですが、実際のケースでも可処分所得額の2年分の金額の方が高くなることがほとんどです。

給与所得者等再生の利用条件

給与所得者等再生で個人再生を行うには、「再生手続開始決定の要件」(利用条件)と、「再生計画認可決定の要件」の両方を満たす必要があります。

ここではまず、給与所得者等再生の申請の条件(利用条件)について解説します。

給与所得者等再生の利用条件とは

給与所得者等再生の利用条件は以下の通りです。

  1. 個人の債務者であること
  2. このまま何もしないと返済不能に陥る可能性があること
  3. 将来にわたり継続的または反復的に収入を得る見込みがあること
  4. 借金の総額(住宅ローンを除く)が5,000万円以下であること
  5. 給与など定期的な収入を得る見込みがあり、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれること
  6. 前回に行われた給与所得者等再生・ハードシップ免責・破産免責から7年以内に申し立てられていないこと

①~④は、小規模個人再生の利用条件と共通しており、⑤・⑥は、給与所得者等再生の特有の条件です。特に⑤が重要で、収入の安定性の要件が小規模個人再生の場合よりも厳格といえます。

勤務年数が少ない人も給与所得者等再生を利用できる?

先述の通り、給与所得者等再生の場合だと、収入の安定性の要件が厳格なので、勤続年数がまだ少ない場合は裁判所から認可を受けにくいといえるでしょう。

しかし、最終的には裁判所の判断によりますので、例えば「以前、同業種の仕事に長期間勤めていた」や、「勤務態度が良好で、しっかりと収入を得られる見込みがある」などを、給与明細書等の証拠資料できちんと説明できれば、勤続年数が少ない方でも給与所得者等再生を利用できる場合があります。

給与所得者等再生で再生計画案が認可されるための要件

続いて、再生計画の認可要件について確認していきましょう。

給与所得者等再生は債権者の同意がいらない!

最初の方で少し触れましたが、給与所得者等再生の場合、債権者の同意なく個人再生を行うことができます

小規模個人再生の場合は、各債権者に再生計画案を反対する機会が与えられており、一定数の反対があれば、その再生計画案は否決されることになります。

しかし、給与所得者等再生の場合は、各債権者に反対する機会は与えられておらず、各債権者の意見を聞くのみです。たとえ、債権者の反対が多くても債務整理をすることができます。

この点が、給与所得者等再生の最大の特徴といえるでしょう。

再生計画案が不認可とされないための9つの要件

給与所得者等再生で再生計画が認可されるためには、次の事由(不認可事由)に当てはまらないことが必要です。

  1. 再生手続きまたは再生計画が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき
  2. 再生計画が遂行される見込みがないとき
  3. 再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき
  4. 住宅ローン特則を利用している場合で、再生債務者が住宅の所有権または住宅用に利用されている土地の使用権を失うことになると見込まれるとき。
  5. 再生債務者が、給与などの定期的な収入を得ている者に該当しない、またはその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき
  6. 借金の総額が住宅ローンを除き5,000万円を超えているとき
  7. 最低弁済基準(前述した「表2:小規模個人再生を利用した場合の最低弁済額」参照)を下回っているとき
  8. 可処分所得要件を満たさないとき
  9. 前回に行われた給与所得者等再生・ハードシップ免責・破産免責から7年以内に申し立てられていること

(参考:民事再生法241条2項各号)

これらの事由のうち、1つでも当てはまるものがあると、再生計画は不認可となります。

まとめ|小規模個人再生との違い

給与所得者等再生と小規模個人再生の違いを表にまとめました。

本記事では触れていませんが、どちらの個人再生を行っても住宅ローン特則の利用により、家を残すことが可能です。

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多くの場合、小規模個人再生を利用することになると思いますが、どのような債務整理がベストなのか人によって異なります。どのような方法が最適かは、弁護士や司法書士に相談するようにしましょう。

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