自己破産のおすすめ相談窓口|弁護士費用の相場も解説


借金が返済できなくなった場合、自己破産という方法があります。
自己破産をすると借金の返済義務を免除できますが、「自分が自己破産できるかわからない」「弁護士と司法書士のどちらに相談したらよいか」と疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、自己破産の依頼をどこにすべきか、自己破産までの流れと期間などを解説します。
【関連記事】自己破産したらどうなる?デメリットや費用・条件を弁護士がわかりやすく解説
自己破産をご検討中の方へ | |
現在収入がない、返済できる見通しが立たない人は、できるだけ早い段階で自己破産に詳しい弁護士や司法書士といった借金問題の解決が得意な専門家に依頼することが解決への近道です。 弁護士・司法書士へ依頼することで、以下のようなメリットがあります。
自己破産は再スタートのきっかけです。ひとりで悩まず、まずは相談してみましょう。 |
自己破産とは?5つのメリットとデメリットを解説
自己破産は債務整理の手続きのひとつで、借金を返済するだけの財産や収入がない場合に、裁判所に借金の支払い義務をなくしてもらう手続きのことをいいます。
まずは、自己破産をするメリットとデメリットを確認しておきましょう。
自己破産のメリットとデメリットを把握することで、自分が本当に自己破産をする必要があるのかどうかを冷静に判断することができます。
自己破産をする5つのメリット
自己破産をすることによって得られるメリットは、以下のとおりです。
1.借金の支払い義務がなくなる
自己破産をすると、借金を返済する義務がなくなります。
任意整理などの他の債務整理では借金が減額されるだけですが、自己破産では借金が全額免除されるという特徴があります。
そのため、借金返済が難しくなった場合は自己破産をすることで、生活基盤を立て直しやすくなるというメリットがあります。
2.債権者からの取り立てがなくなる
自己破産手続きを開始すると、債権者からの取り立てがなくなるというメリットがあります。
弁護士や司法書士に自己破産手続きを依頼すると、債権者に受任通知が送られます。
受任通知とは、債務者から自己破産の依頼を受けその代理人として着任したことを、債権者に伝えるための通知書類です。
貸金業者は受任通知を受け取った時点から、原則として債務者に直接借金の取り立てを行うことができなくなります( 貸金業法第21条1項9号 )。
3.無職や生活保護受給者でも可能
自己破産は、無職や生活保護受給者など、収入が無い方でも行うことができます。
ただし、以下のようなことに当てはまる方の場合は、免責不許可事由( 破産法第252条第1項 )(※)に該当するため、自己破産が認められない可能性があります。
※自己破産による借金の返済義務免除が認められない事由のこと。
|
なお、借金額が少額の場合など、返済可能であると裁判所が判断した場合は、自己破産は認められません。
4.生活に必要な財産は没収されない
自己破産手続きをすると、基本的に債務者が所有する価値ある財産は換価され、債権者に分配されます。
しかし、個人が自己破産をした場合、財産が全て換価されてしまうわけではありません。
以下のような生活に必要な財産は、債務者が所有し続けることが認められています( 破産法第34条3項 )。
|
(破産財団の範囲)
第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。
2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。
3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。
一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭
二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。
4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。
5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。
6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。
7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
引用元: 破産法第34条
自己破産は債務者の生活再建を目的としているため、生活再建に必要な財産は債務者のもとに残しておくというわけです。
5.自己破産手続開始後に取得した財産は換価の対象にされない
自己破産手続きが開始された後に債務者が取得した財産(新得財産)は、換価対象ではありません( 破産法第34条1項 )。例えば、破産手続きの開始決定後に給与を現金で受け取った場合、給与は新得財産なので、破産者はそのまま持っておくことができます。
自己破産をした場合の5つのデメリット
自己破産には、メリットだけでなくデメリットもあります。
自己破産をした場合の5つのデメリットについて解説します。
1.購入した家や車などの財産を失う
自己破産をした場合、換価価値のある財産は換価され債権者に配当されます。したがって、購入した家などの不動産や、価値のある車などは、換価対象になります。
なお、車にローンが残っていて所有権がローン会社にある場合は、その自動車はローン会社に引き上げられます。
2.官報に個人情報が載る
官報とは国が発行している機関紙であり、国の政策や法令などが掲載されるものです。
自己破産をした場合は、名前や住所などの情報が、官報に最大2回掲載されます。
官報に情報が掲載されるのは、以下のときです。
|
3.5~10年ほどローンが組めなくなる
債務者が自己破産をしたことは、信用情報機関が管理している個人信用情報に事故情報として記録され、5~10年間はローンが組めなくなります。
事故情報とは、「返済が一定期間滞った」「自己破産手続きが開始された」など、金融事故に関する情報です。
また、クレジットカードの利用もできなくなります。
4.一定期間資格制限を受けるものがある
自己破産手続きを開始すると、裁判所からの免責許可決定が確定するまで、一定の資格が得られなくなったり、資格を失ったりすることになります。
以下は、資格制限を受ける主な職業や資格です。
|
この制限はずっと続くものではなく、裁判所からの免責許可決定が確定すると復権します。
5.保証人・連帯保証人の返済義務は残る
自己破産をした場合、その人の借金返済義務は免除される一方で、保証人や連帯保証人の義務はなくなりません。債務者が自己破産することを知らないままだと、保証人との間でトラブルに発展する可能性があります。
自己破産をする前には、保証人にも相談するなどして、大きなトラブルにならないようにしましょう。
自己破産した人の生活への影響は?よくある7つの誤解
自己破産に悪い印象をもつ人は、少なくないかも知れません。
しかし、そこにはいくつかの誤解があることが考えられます。
ここでは自己破産に対してありがちな7つの誤解について、疑問に答える形で解説していきます。
1.家族や会社の人にもバレる?
自己破産をした債務者の情報は官報に掲載されますが、普段から官報を読んでいる人はほとんどいないでしょう。そのため、官報を通じて家族や会社の人に自己破産が発覚する可能性は低いといえます。
ただし、勤務先から借金をしている場合は、勤務先が債権者になるので、自己破産をしたことがわかってしまいます。
また、同居している家族にも、関係書類が見つかった場合や、財産の換価が必要な場合などには発覚するかもしれません。少なくとも家族には破産手続きを開始するまえに相談した方が良いでしょう。
2.自分が自己破産したら家族に催促が行く?
債務者の家族が保証人でない限りは、借金の催促がいくことはありません。
借金は債務者自身の問題であり、家族は基本的に無関係ですので、家族がローンを組めなくなったりクレジットカードを作れなくなったりすることはありません。
3.マンションの賃貸借契約ができなくなる?
現在、借主の自己破産を理由に、マンションなどの賃貸借契約を解約することはできなくなっています。
現行破産法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成16 年6月)により、民法旧621 条は廃止されています。
したがって、現在では、賃借人が破産した場合であっても、賃貸人は賃借人の破産を理由としての解約申入れは認められていません。
ただし、家賃の滞納があると、これを理由に賃貸借契約を解除される可能性はあるので注意が必要です。
4.携帯電話の契約ができなくなる?
自己破産をして滞納料金を含め免責を受けた人が、新規に携帯電話を購入し契約することは可能です。ただし、基本的に端末を分割払いで購入することは難しく、一括払いで購入せざるを得ない場合が多いでしょう。
また、端末代金の残債務を含めて破産手続をした人が、破産後同じ会社と再契約しようとしても、断られる場合もあるので注意が必要です。
5.戸籍や住民票に記録される?
債務者が自己破産をした情報は、戸籍や住民票には記録されません。
6.選挙権がなくなる?
自己破産をした人が、選挙権と被選挙権を失うことはありません。選挙で投票することも、候補者として立候補することもできます。
7.国内・海外旅行に行けなくなる?
破産手続き中は、旅行や出張などで居住地を離れる場合は裁判所の許可が必要です。破産手続き中に観光等の目的で長期旅行にいくことはあまりないでしょうが、旅行や出張を考えている人は裁判所に許可を得ておくべきでしょう。
自己破産は弁護士と司法書士のどちらに依頼すべき?弁護士と司法書士の違い
自己破産手続きを依頼できる専門家は、弁護士と司法書士がいます。
しかし、弁護士と司法書士では、対応可能な業務の範囲などに違いがあります。
弁護士と司法書士のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
|
弁護士 |
司法書士 |
メリット |
・ 必要書類の収集サポートや書類作成の代行をしてくれる。 ・必要な手続きや裁判官とのやり取りを代理してくれる。 ・同時廃止事件の免責審尋(裁判官が免責の判断をするにあたり債務者に質問する手続き)のとき、一緒に出席して依頼人の代わりに質問に答えてくれる ・管財事件の場合の予納金が安く済むことが多い ・自己破産手続きの法律問題に制限なく対応できる |
・ 弁護士事務所よりも費用が安く設定されていることがある(※事務所によって異なります) ・手続き書類作成を代行してくれる |
デメリット |
・弁護士事務所よりも費用が高く設定されていることがある(※事務所によって異なります) |
・ 裁判官とのやり取りなどは本人がしなければならない ・免責審尋のとき、一緒に出席できない ・管財事件の場合の予納金が高い |
依頼時にかかる費用の違い
弁護士と司法書士では、自己破産の依頼時にかかる費用にも違いがあります。
費用は、弁護士や司法書士への依頼自体にかかる費用(相談料、着手金、成功報酬など)の他に、裁判所に支払う予納金が必要になります。
これらの費用は、申し立てる自己破産が、同時廃止事件か管財事件かによっても変わります。
同時廃止事件とは、債務者が換価処分する財産を持っておらず、破産管財人を選任せずに手続き開始と同時に終了する事件をいいます。
管財事件とは、裁判所が選任した破産管財人によって、財産の調査や換価処分などを行う事件をいいます。
【依頼自体にかかる費用相場】
弁護士 |
司法書士 |
|
同時廃止事件 |
20万~35万円 |
20万~30万円 |
管財事件 |
30万円~ |
【裁判所に支払う予納金相場】
弁護士 |
司法書士 |
|
同時廃止事件 |
10,000円~30,000円 |
|
通常管財事件 |
50万円~ |
|
少額管財事件 |
20万円~ |
- |
依頼自体にかかる費用を比較すると、弁護士費用より司法書士費用のほうが安い傾向にあります。そのため、同時廃止で自己破産をする場合は司法書士のほうが安く済むことが多いでしょう。
一方、管財事件になる場合、司法書士が書類作成した本人申立のときは通常管財事件になり、弁護士に依頼したときは少額管財事件として運用されることが多いです。この場合、弁護士に依頼した方が結果的に安く抑えられることが多いでしょう。
弁護士・司法書士に相談を決めたら?相談する前の用意しておくべきこと
弁護士や司法書士に自己破産の相談をすると決めた後は、以下の資料をまとめておきましょう。
必要な資料
|
身分証明書は、運転免許証・保険証・パスポートなど、自身の身分を証明できるものが1つあれば大丈夫です。
また、借金をした機関や会社との契約書や借金の明細、クレジットカードなども用意しておきましょう。
これらを準備しておくことで、自己破産が可能か、その他の債務整理方法のほうが良いかなど適切な判断をしてくれるでしょう。
資産がある人のみ必要な資料
|
どんな財産を持っているかがわかる資料は、例えば、車検証や不動産の登記簿謄本、固定資産税評価証明書などです。
また、退職金を過去に受け取った人や退職金を受け取る可能性がある人は、それを証明する書面も用意します。既に保険を解約してお金を受け取った人は、返戻金額が分かる資料もあるとよいでしょう。
自己破産や借金問題について無料相談できる窓口7選
借金問題をどこに相談すれば良いかわからないという方は、まず無料相談をしてみましょう。
ここでは自己破産を検討している人が無料相談できる相談窓口3つと、借金問題について相談したい人の相談窓口4つをご紹介します。
自己破産を検討している人の相談窓口
自己破産を検討している場合は、弁護士や司法書士に直接無料相談ができる、以下の窓口をおすすめします。
法テラス
法テラスは正式名称を「日本司法支援センター」といい、国が設立した法律トラブル解決のための総合案内所です。
一定の要件を満たしている人は、法テラスと契約している弁護士や司法書士に、無料で相談することができます。
法テラスの無料相談の時間は1回30分程度と限られており、1つの問題について3回までしか相談できません。
無料相談を受けるための資力要件(収入基準と資産基準)は以下になります。
【収入が一定額以下であること】
家族の人数 |
収入基準 (手取月収額。()内は東京、大阪などの大都市の場合) |
資産基準 |
単身者 |
18万2,000(20万200)円以下 |
180万円以下 |
2人家族 |
25万1,000(27万6,100)円以下 |
250万円以下 |
3人家族 |
27万2,000(29万9,200)円以下 |
270万円以下 |
4人家族 |
29万9,000(32万8,900)円以下 |
300万円以下 |
また、法テラスの無料相談を受けるためには、民事法律扶助の趣旨に適すること、という条件を満たしていることも必要です。報復的感情を満たすためだけの場合や、権利濫用的な訴訟の場合などでは、法テラスの支援を受けることができません。
市役所の法律相談
各自治体では、その地域在住を対象に定期的に法律相談を受け付けている場合があります。
借金問題に限らず様々な法律相談があり、多重債務の相談を受け付けているかは市区町村によります。
事前に自分が住んでいる市区町村のホームページを確認しましょう。
市役所の法律相談のメリットは、無料で弁護士に相談できる点にありますが、相談には30分~45分ほどの時間制限が設けられていることがほとんどです。
お近くの弁護士・司法書士事務所
自己破産することを決めている方は、ご自宅や勤務先に近い弁護士事務所や司法書士事務所に直接相談問い合わせてみるとよいでしょう。
弁護士・司法書士事務所を選ぶときのポイントは、債務整理の事件を多く扱っている事務所を選ぶことです。
債務整理を多く扱っている弁護士や司法書士であれば、ケースごとに自己破産が必要なのか、他の解決策はないのかなど的確なアドバイスをもらえます。
相談時間や相談料などは事務所によって異なるので、まずは無料相談が可能な弁護士・司法書士事務所を探して、自己破産について相談してみるとよいでしょう。
その他借金問題について相談したい人の相談窓口
借金癖を見直したいなど、借金問題について相談したいという方には、以下のような相談窓口があります。
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会は、多重借金に苦しむ人に対し、消費者保護の立場から構成・中立にカウンセリングを行ってくれる公益財団法人です。
「多重債務ほっとライン」という、電話での無料相談を受け付けている他、対面による無料カウンセリングもおこなっています。
カウンセリングでは弁護士とアドバイザーによるアドバイスが得られる他、希望すれば無料で任意整理をしてもらえる場合もあります。
参考: 多重債務ほっとライン|日本クレジットカウンセリング協会
日本貸金業協会
日本貸金業協会は、貸金業法に基づく貸金業界の自主規制機関です。
貸金業者への苦情や相談の窓口として、「貸金業相談・紛争解決センター」を開設しています。
多重債務の問題については、相談者の状況に応じ、債務整理の方法等についてのアドバイスを受けられたり、再発防止を目的としたカウンセリングや家計管理の支援なども行ってくれます。
参考: 貸金業相談・紛争解決センターについて|日本貸金業協会
金融庁
金融庁は金融機能の安定、金融円滑化等を目的として活動する行政機関であり、多重債務問題解決の取り組みもおこなっています。
都道府県ごとに多重債務者の無料相談窓口が設けられ、電話などでアドバイスをしてくれますので、問題解決の助けになるでしょう。
全国銀行協会相談室・あっせん委員会
全国銀行協会は、日本国内で活動している銀行を直接の会員とする組織で、日本の銀行業界の代表として、日本の銀行業の発展に取り組んでいる組織です。
全国銀行協会では、多重債務に苦しむ方に対するカウンセリングのサービスを行っているほか、銀行とのトラブル解決のためのあっせんなども行っています。
自己破産をご検討中の方へ | |
現在収入がない、返済できる見通しが立たない人は、できるだけ早い段階で自己破産に詳しい弁護士や司法書士といった借金問題の解決が得意な専門家に依頼することが解決への近道です。 弁護士・司法書士へ依頼することで、以下のようなメリットがあります。
自己破産は再スタートのきっかけです。ひとりで悩まず、まずは相談してみましょう。 |
相談から自己破産をするまでの流れと期間
ここからは、弁護士に相談をしてから自己破産手続きが完了するまでの、具体的な流れと期間について解説します。
弁護士に相談・依頼
まず、弁護士に自己破産の相談・依頼をします。
債務整理を取り扱っている弁護士を探し、面談時には弁護士費用がどれくらい必要なのかを確認しましょう。
自己破産をすることが決定したら弁護士に着手金を支払います。
着手金の支払いについては分割払い等で柔軟に対応してくれる弁護士事務所もありますので、事前に確認しておきましょう。
債権者に受任通知を発送
依頼を受けた弁護士が債権者に受任通知を発送します。
受任通知発送後は、基本的には債権者対応は弁護士が行うことになります。
手続きに必要な書類を準備
自己破産の申立に必要な書類を作成します。
裁判所に自己破産を認めてもらうために必要な資料を集め、借金の返済ができない事情をまとめます。
期間は事案によりますが、短くて約2~3ヵ月、長くて約半年~1年ほどかかることもあります。
書類作成は基本的には弁護士がおこない、依頼者本人は、必要な資料を集めることが中心となるでしょう。
裁判所に自己破産を申立て
書類の作成後は、裁判所に自己破産の申立書を提出します。
裁判所が破産手続開始の要件が揃っているかを確認し、問題がなければ破産手続きの開始が決定されます。
同時廃止・管財事件・少額管財のどの方法を用いるかも決定されます。
同時廃止事件の場合
同時廃止事件の場合は、破産管財人が選任されず、破産手続きの開始と同時に破産手続きが終了します。
同時廃止事件の手続きは裁判所によって異なりますが、おおむね以下の流れをたどります。
破産手続きの開始決定
裁判所に自己破産手続きの申立をおこない、約2週間から1ヵ月で破産手続きの開始が決定されます。
免責許可決定
借金をゼロにするには、破産手続きの開始・終了だけでなく、裁判所から免責許可の決定を得る必要があります。
免責許可の決定の前には、免責審尋という、裁判官と破産者が面接する機会を設けられることが多いです。
その後、免責相当と認められた場合は、約2週間後に免責許可が決定されます。
免責許可をもらうと、債務者は借金の返済義務から解放されます。
管財事件の場合
管財事件の場合は管財人の選定や所有財産の換価処分の手続き等があるので、同時廃止事件の場合よりも時間がかかります。
管財事件の場合は、概ね以下の流れで手続きを進めます。
破産手続きの開始決定
裁判所に自己破産手続きの申立をおこない、裁判所によって破産手続きの開始が決定されます。
破産手続きの開始が決定されると同時に、裁判所によって破産管財人が選定されます。
破産管財人による財産の調査
破産管財人は、破産者の所有財産の調査等をおこない、破産者の財産を換価・処分します。
必要な換価・処分がいつ終わるかによって、破産手続きにかかる時間が左右されます。
債権者集会・配当
裁判所において債権者集会が開かれ、破産管財人が債権者へ向け、債務者財産の処分状況や配当の見込みなどの説明をおこないます。
1度目の債権者集会までに債務者財産の換価・処分が終わっていれば債権者集会は1度だけで済みますが、換価・処分が終わっていない場合は再度期日が設定されることになります。
免責許可決定
免責審尋後、裁判所からの免責許可が決定され、債務者の借金の返済義務がなくなります。
自己破産でかかる費用と弁護士費用相場
自己破産にかかる費用は、「同時廃止」「通常管財事件」「少額管財事件」ごとに異なります。
以下は自己破産の手続きごとの費用と弁護士費用の目安です。
自己破産にかかる費用
自己破産にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
同時廃止事件 |
通常管財事件 |
少額管財事件 |
|
申立手数料 |
1,500円 |
1,500円 |
1,500円 |
弁護士費用 |
20万円~ |
50万円~ |
30万円~ |
予納金 |
1~3万円 |
50万円~ |
20万円~ |
予納郵便代 |
3,000円~15,000円 |
3,000円~15,000円 |
3,000円~15,000円 |
自己破産にかかる弁護士費用
自己破産を弁護士に依頼する場合に必要な費用は、以下の3つです。
着手金 |
弁護士が事件に着手するときに支払うお金です。相場は約10~50万円。 |
成功報酬 |
自己破産による免責許可が決定されたときに支払うお金です。相場は約0円~30万円。 |
実費 |
債権者や裁判所とのやり取りに使う郵便切手代などの費用です。 |
最後に
自己破産は借金の支払い義務を免除できるため、借金に苦しむ方の生活再建の一助になります。
しかし、自分で自己破産の手続きを進める場合は、書類作成や裁判所への申立にかなり時間と労力を要することになるでしょう。
弁護士に依頼すると各種手続きをサポートしてくれますので、まずは弁護士に相談してみましょう。
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