家賃滞納後の流れと招くリスク|立ち退きを防ぐ対策まとめ

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家賃滞納後の流れと招くリスク|立ち退きを防ぐ対策まとめ
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家賃滞納後の流れと招くリスク|立ち退きを防ぐ対策まとめ

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失業してしまった…。長期の旅行に出掛けていた…。口座からの引き落としが出来なかった…。うっかり払い込みを忘れていた…。

家賃の支払いが遅れてしまう原因は多々あります。しかし、一日でも支払いが遅れたらそれは紛れもない家賃滞納です。

家賃滞納は、自分自身だけでなく、連帯保証人となってくれた人にも迷惑をかける恐れがあります。

そのため、家賃は滞納しないに越したことはありませんが、頭ではわかっていても、物理的に支払いが困難な場合もあるでしょう。

今回は家賃滞納した場合に起こりうるリスクや、家賃滞納者が取るべき行動についてまとめました。

 

 【目次】
家賃滞納後の流れと起こりうるリスク
強制退去|家賃滞納から立ち退きまでの流れ
滞納者の財産の差し押さえ
連帯保証人への支払の督促
遅延損害金が発生する恐れがある
保証会社からの代位弁済
転居・就職に支障が出る
家賃滞納で立ち退きにならないために取るべき行動
大家さんへ家賃滞納に関する相談
住宅救援給付制度を活用して支払いを行う
お金を工面して支払う
違法な行為をされた場合は適切に対応する
身を隠す行為はしない
滞納している家賃も借金なので債務整理は可能
家賃滞納分を債務整理すると立ち退きを命じられるのが通常
任意整理なら家賃滞納分を整理の対象から外すことも可能
自己破産で家賃滞納分を免責にした場合
家賃の滞納にも時効がある
まとめ

 

家賃滞納後の流れと起こりうるリスク

実際に、家賃を何日も滞納し続けているとどうなってしまうのでしょうか?

強制退去されてしまうことは本当にあるのでしょうか?

家賃滞納者へ生じるリスクについてまずは紹介していきます。
 

強制退去|家賃滞納から立ち退きまでの流れ

まず家賃滞納者の方が一番、恐れていることは強制的に部屋を退去させられることです。実際のところ、大家さんと借主との契約か解除されない限り、大家さんには部屋の明け渡し請求をする権利はありません。

しかしながら、しかるべき手順を踏めば裁判所を介して立ち退きを余儀なくされます。では、家賃滞納から立ち退きまでの流れを確認していきましょう。
 

催促の連絡が入る

期日までに家賃を払っていないのであれば当然ですが、大家さん・管理会社・不動産会社から「まだ家賃が振り込まれていませんが…」と電話がかかってきます。

1~2日遅れた程度であれば連絡はないかもしれませんが、数日遅れるのであれば必ず電話がかかってきます。

また、電話が繋がらない場合、大家さんから家賃の支払いを促すための手紙が送られてくるでしょう。

大家さんによっては、直接、自宅まで訪問してくることもあります。

 

催告書等の郵送

家賃滞納が数か月続く場合、催告書が届くのが一般的です。もしこれが内容証明郵便で合った場合、裁判所一歩手前と思って下さい。
 

契約解除

家賃を3ヶ月以上が滞納し、催告にも誠実な対応していない場合、賃貸借契約を解除させられるかもしれません。賃貸借契約の解除には賃貸人・賃借人間の信頼関係の破壊が必要ですが、滞納期間が3ヶ月以上であり、かつ正当な理由なく催告にも応じないとなれば、信頼関係が崩れていると評価される可能性があります。

 

訴訟

賃貸借契約を解除した大家さんは、明け渡し請求の申し立てをするでしょう。申立後は、滞納者へ訴状が届きますが、実際の裁判では、「賃借人による家賃滞納の有無・程度」「賃貸人と賃借人の間の信頼関係破壊の有無・程度」が審理対象となるのが通常です。

その際に、大家さん側は未払い分の家賃の請求などを通知した内容証明書を提出することで借主に落ち度があったことを証明します。
 
参照:「明け渡し訴訟の全手順|明け渡し訴訟の手続きと手順まとめ
 

建物明け渡しの強制執行

大家さん側の請求を認める判決がくだされた場合、賃借人が任意に退去しなければ大家さんから建物明け渡しの強制執行の申立が行われるでしょう。

強制執行の申立後は、裁判所から立ち退きの催告状が郵送されますが、滞納者は通知から1ヶ月以内に退去しなければなりません。

もし、催告状に応じなかった場合、執行官により強制的に立ち退きの手続きがとられますが、部屋にある家具や持ち物が全て撤去された上に、部屋の鍵は差し替えられてしまいます。
 
【参照】
▶「家賃滞納から立ち退きまでの流れと立ち退き要請への対処方法
▶「明け渡し請求の全手順|家賃滞納による建物明渡請求の方法
 

滞納者の財産の差し押さえ

また、大家さんは、家賃滞納分を支払うことを命じる判決を得ていれば、併せて滞納した家賃の強制執行として財産の申立も並行して行う可能性があります。

この場合、債務者の預金債権や給与債権、入居者の部屋の中にある換金価値のある資産(現金、骨董品、金券など)が差し押さえられる可能性があります。

 
参照:「差し押さえを家賃滞納者に対して行う3つの方法と注意点
 

連帯保証人への支払の督促

家賃を滞納するリスクは、滞納者だけではなく連帯保証人にも及びます。

連帯保証人には、滞納者本人と同等の滞納した家賃を返済する義務が生じるため、大家さんから督促の連絡だけでなく借主と同様に、連帯保証人の資産が差押さえられるかもしれません。 

遅延損害金が発生する恐れがある

家賃を滞納するリスクとして、遅延損害金の発生があげられます。

遅延損害金とは、借りた側が約束の期日までに返済をしなかった場合に発生する損害賠償金のことです。ビデオのレンタルを行い返却期日までに返却ができなかった場合は延滞料をとられますが、あれも遅延損害金と同じようなものです。

ただし、賃貸契約を行った時の契約書に遅延損害金についての明記がなければ、法律上5%又は6%の法定利率で遅延損害金の請求が可能です。しかし、実務的には滞納家賃について逐一利息を請求するケースは少ないと思われます。なお、遅延損害金は法理論上は、支払期日の翌日から発生しますので、その日から遅れた日数分の利息を算出することになります。

家賃を払うことさえ厳しい状況の時に、滞納している家賃とは別に遅延損害金を払わないといけなくなっては大変です。家賃を滞納しないに越したことはありませんが、賃貸契約時には念のため、滞納した時の遅延損害金の利率についても確認しておくと良いでしょう。
 

保証会社からの代位弁済

賃貸契約を結ぶ際、保証会社へ保証人を依頼する方は少なくありあせん。保証会社へ保証人を依頼した入居者が、家賃の滞納をし続けると、保証会社が入居者に代わって滞納分の家賃の全額を返済します(代位弁済)。

ここで注意していただきたい点は、この立て替えた分の返済分に関して、保証会社は滞納者に対して請求する権利があるということです。
 

資産の差し押さえ

通常、大家さんの多くは、家賃の滞納に関してなるべく借主との話し合いで解決したいと思っているため、訴訟の手続きは行いたくありません。訴訟手続きは、個人が行うには高額な費用がかかりますが、保証会社など法人にとって裁判費用は微々たるものです。

そのため保証会社を保証人に立てている場合、躊躇なく滞納者の資産を差押えるために強制執行の手続きに踏み込むでしょう。
 

転居・就職に支障が出る

強制退去されると、アパートを借りる時の契約書や、就職活動に必要な履歴書に記載する現住所がなくなってしまいます。

就職やアパートの契約に大きなハンデをもたらすので、強制退去はなるべく避けるべきです。

 

家賃滞納で立ち退きにならないために取るべき行動

家賃滞納により生じるリスクについて説明しましたが、では、立ち退きを避けるためには、どうすればいいのでしょうか。

そのためには、大家さんからの電話や催促を無視し続けることはせず、きちんと然るべき行動をとるべきです。

 

大家さんへ家賃滞納に関する相談

まずはとにかく、大家さんや管理会社の方に家賃が支払えない理由を説明した上で、家賃を支払う意思を伝えてください。

給料日など支払い可能な期日を伝えると、大家さんも支払いを待ってくれるかもしれません。

また、全額での支払いが難しい場合は、分割での支払いを提案してください。大家さんによっては分割での支払いを受け入れてくれるかもしれません。

 

支払いの意思を見せることが大切な理由

とにかく、少額でいいので、大家さんへ支払いの意思を見せることが大切です。先ほどもお伝えした通り、大家さんは「大家さんと入居者の信頼関係が崩れている」ことを証明できないと、賃貸借契約を解除することはできません。

双方の信頼関係の崩壊が認められないようにするために、少額でいいので、支払う意思と誠意を見せましょう。

 

住宅救援給付制度を活用して支払いを行う

住宅救援給付制度とは、住宅を喪失する恐れのある離職者に対する賃金住宅の家賃給付制度です。

ただ、この制度を利用するためには、以下の要件すべてに該当しなければなりません。

 
①離職後2年以内の方及び65歳未満
②離職前には生計を維持できていた
③就労能力及び常用就職の意欲があり、ハローワークに求職申込みを行う予定
④住宅を喪失しているまたは賃貸住宅に居住し住宅を喪失するおそれがある
⑤申請者及び申請者と生計を一つにしている同居の親族の収入の合計額が以下の金額である
 

単身世帯

8.4万円に家賃額を加算した額未満

2人世帯

17.2万円以内

3人以上世帯

17.2万円に家賃額を加算した額未満

 
⑥申請者及び申請者と生計を一つにしている同居の親族の預貯金の合計が次の金額以下である
 

単身世帯

50万円

複数世帯

100万円

 
⑦国の住居等困窮離職者等に対する雇用施策による給付等(職業訓練受講給付金等)及び自治体等が実施する類似の貸付又は給付等を、申請者及び申請者と生活を一つにしている同居の親族が受けていないこと
⑧申請者及び申請書と生計を一つにしている同居の親族のいずれもが暴力団員でないこと
 
相談窓口は、最寄りの役所の福祉課です。支給期間は原則3ヶ月ですが、状況に応じて最大9ヶ月分受給することが出来ます。支給金額は住まいによって異なり、東京都23区内の場合は月々53,700円の給付金を受け取ることが出来ます。

一時的な補助制度ではありますが、この制度を活用できる人はするべきでしょう。
 

お金を工面して支払う

 

①親族から借りる

申し訳ない、恥ずかしいという気持ちはあるかもしれません。しかし、それで家を失うという最悪のケースは逃れるためには、頼れる人へ、お金を借りるという手段を取らざるを得ないでしょう。

最低限必要な分だけ、親族や兄弟など一番身近な人から借りるようにしましょう。
 

②消費者金融から借りる

とりわけ審査に柔軟な消費者金融系(カード)であれば、「現在20歳以上69歳以下の安定した収入と返済能力を有する人」という条件に該当していれば審査に通る可能性が高いです。

ただし消費者金融から借りるということは、金利が発生します。
短期で返済できる見込みがある場合のみ、借り入れを検討しましょう。「借金をする」ことに変わりはなく、収入が見合わなければゆくゆく多重債務にもなりかねませんので、くれぐれもご注意下さい。
 
また、闇金業者に手を出してしまうリスクがあるので、通常の消費者金融との見極めをしっかりと行う必要があります。闇金の特徴に関しては、こちらの記事「闇金とは|闇金の手口と絶対にお金を借りてはいけない理由」を参考にして下さい。
 

③生活保護を受ける

生活保護は、生活に困っている人の生活を保障するための制度です。生活保護を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
 

  • 援助してくれる身内、親類がいない
  • まったく資産を持っていない
  • 病気や怪我などが原因で働けない
  • 1~3を満たしており、月の収入が最低生活費を下回っている

 
また、母子家庭の場合や、働いているけれど低収入である場合も生活保護を受けることが出来ます。しかし生活保護は、貯金が出来ない・借金が出来ない、車を所持できないなどのデメリットがあるので、こちらも含めて十分に検討してみましょう。
 

違法な行為をされた場合は適切に対応する

家賃を滞納しているからといって、大家さんは何をしてもいいわけではありません。大家さんといえども、入居者の部屋にある所持品を処分したり、断りなく入居所の部屋の鍵を変えたりすることは違法です。

もし大家さんが、以下の内容に該当する行為をした場合、弁護士など法律の専門家へ相談しましょう。

 

住居侵入罪

勝手に部屋の中に立ち入る

不退去罪

退出を要求されているのに居座る

脅迫罪、強要罪

大声をあげる、暴力をふるう、脅す

器物損壊罪

家財などの持ち物を運び出す、壊す

 

身を隠す行為はしない

家賃の支払い義務を免れるために、行方をくらますのはやめましょう。例え行方不明者になっても、公示送達を利用すること家賃請求の申立が行われる可能性があるからです。

 

※公示送達:行方不明者など住所不明者に対して裁判所からの書類の送達を公的に認めるための制度

 

滞納分の家賃の支払いが難しい方は、以下で紹介する債務整理を検討しましょう。

 

滞納している家賃も借金なので債務整理は可能

債務整理とは、借金をチャラにする、または借金の額を減らして負担から解放するための手続全般をいいます。

「任意整理」「個人再生」「自己破産」…等、様々な債務整理法がありますが、滞納した家賃も債務整理によって返済の負担を減らすことができます

(参考:「借金地獄から一刻も早く確実に脱出する借金返済の知識5選」)。

 

家賃滞納分を債務整理すると立ち退きを命じられるのが通常

債務整理の中でも一番早いのは非法的手続である任意整理です。(参考:「任意整理のデメリットとメリットの正しい知識まとめ」)個人再生や自己破産の場合は法的手続であるため相当程度手続きに時間がかかります。

 

なお、いずれの債務整理手続きを利用しても、大家からは退去を求められることがほとんどでしょうし、これを拒否することは難しいでしょう。
 

任意整理なら家賃滞納分を整理の対象から外すことも可能

任意整理は、債権者(大家や金融機関)と、交渉することで、利息、遅延損害金を免除することで返済の負担を減らすための手続きです。

債務整理する方の中には、大家さんとの関係をこじらせたくないために、滞納分の家賃を債務整理の対象から外したい方もいるでしょう。

任意整理はあくまで非法的な手続であるため、整理する借金の対象を選択することが出来ます。家賃以外の借金だけを対象にすることが可能です。このような対応を取れば退去を求められることはないでしょう。

 

自己破産で家賃滞納分を免責にした場合

多額の借金を抱え、その借金も家賃も全く払える見込みがないという場合には、自己破産を選択することも出来ます。(参考:「自己破産とは|自己破産の方法と破産後の生活の完全ガイド」)そしてこの自己破産が認められれば、家賃滞納分が免除になる可能性があります。
 
しかし、家賃が払えない以上は立ち退きを命じられることは十分に有り得ますし、拒むことも困難です。

このデメリットも考慮した上で、行わないといけません。また、自己破産を行ったとしても、場合によっては免責(自己破産が認められ、借金を払わなくてもよくなること)にならないケースもあります。
 

家賃の滞納にも時効がある

借金には“時効” が存在しますが、家賃滞納分も借金の一種になるので、以下の条件を満たすと滞納分の家賃が時効になります。

 

  • 最後に返済してから5年以上放置している状態であること
  • 家主から督促や中断の措置がとられていないこと

 

時効を成立させるためには、「時効の援用」という申請をしなければなりませんが、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
 

参考:「借金の時効が成立する条件|時効成立までの流れと手順」 

 

まとめ

立ち退きにならにためにも、家賃滞納者はまずは大家さんと話し合いをしましょう。

もし、家賃が毎月の生活を圧迫して支払いが遅れているのであれば、今よりも家賃の低い部屋へと引っ越すことも考慮したほうがいいかもしれません。

家賃は、月収の3分の1以内に抑えることをオススメします。

記事の中で家賃滞納は借金であると記述しましたが、家賃以外の借金が膨れ上がっている場合には、一刻も早く専門家へ相談しましょう。

 

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債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたを債務整理ナビの弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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