給料差し押さえの実態と給料差し押さえの正しい回避・対処法

~いざという時の備えに~債務整理コラム

 > 
 > 
 > 
 > 
給料差し押さえの実態と給料差し押さえの正しい回避・対処法
キーワードからコラムを探す

給料差し押さえの実態と給料差し押さえの正しい回避・対処法

Ina99_saifuaketara1en_tp_v-728x484

借金問題を弁護士・司法書士に無料相談
▶▶▶関東/九州/関西/東海/北海道/東北/北陸.甲信越/中国.四国

給料差し押さえとは、借金などの返済が滞っている債務者に対し、債権者が裁判所に申し立て、債務者の勤務先から債権を回収する法的手段です。裁判所を介していますので、強制力があり、法的にも認められた手法です。

借金やローンなどを滞納していると、このような給料差し押さえという手段が取られてしまいます。そうなると、生活も苦しくなりますし、勤務先からの信用も失います。

今回は、給料差し押さえの仕組みと、給料差し押さえに対処する方法を解説していきます。

差し押さえを行なう側の債権者の方は「差し押さえの方法|差し押さえの可能なもの一覧と注意点」をご覧ください。
 

借金のお悩みは弁護士・司法書士にご相談下さい!

借金は債務整理をすることで大幅に減らすこともできます。しかし、債務整理といっても様々な方法もあり、それに応じた知識・経験が必要になってきます。【債務整理ナビ】では、債務整理が得意な弁護士・司法書士のみを掲載しています。借金でお困りの方は、まずはそれら専門家に相談することをおすすめします。相談料無料の事務所も多いので、まずは気軽に相談しましょう。
 

▶▶債務整理が得意な弁護士・司法書士に相談する


【目次】
給料差し押さえとは|給料差し押さえの仕組みと流れ
給料差し押さえがされる可能性のある前兆
給料差し押さえで生じる生活への影響
給料差し押さえの差し押さえ金額
給料差し押さえを防ぐ方法
給料以外に差し押さえられるもの
まとめ

給料差し押さえとは|給料差し押さえの仕組みと流れ

冒頭でもご説明しましたが、給料差し押さえとは、返済が滞っている債務者に対し、債権者が行なう法的な債権回収方法です。債権者が第三者である債務者の勤務先から賃金を取り立てる方法としては手っ取り早いので、差し押さえの方法としては一般的な回収方法となります。
 

差し押さえは強制執行の一つ

給料差し押さえに限らず、財産の差し押さえは強制執行(きょうせいしっこう)という債権回収方法の一種です。強制執行とは、行政を通して強制的に債務者の財産や債権、不動産などを差し押さえる法的手段です。
 

強制執行|裁判所を通した制度

強制執行裁判所を通した制度になります。ですので、債権者が裁判所を通さずに債務者の財産を差し押さえることはできません。強制執行によって財産を差し押さえるには以下で説明する流れで申し立て、執行を行う必要があります。強制執行で差し押さえできる財産は、
 

  • ・給料
  • ・預貯金
  • ・動産
  • ・不動産

 
があります。差し押さえできる財産については後述にて詳しくご説明します。
 

差し押さえには「債務名義」が必要

また、差し押さえを行なう債権者は、「債務名義」が必要になります。強制執行によって差し押さえを実現させるための請求権の存在、範囲、債権者、債務者を記した公の文書である必要があり、
 

  • ・確定判決
  • ・仮執行宣言付判決
  • ・仮執行宣言付損害賠償命令
  • ・仮執行宣言文付き支払い督促
  • ・執行承諾文言付公正証書
  • ・和解に代わる決定   など

 
の文書が必要です。債権者がこれら文書を入手するには何かしらの手続きを行なわなければなりませんので、債権者が債務名義を入手するための行動を起こしてきたのであれば、今後給料差し押さえなどが行われるかもしれないという判断をすることもできます。差し押さえが行われるかもしれない前兆については後述で解説してきます。
参考:債務名義とは|業者が財産差し押さえもできる債務名義の知識
 

差し押さえ以外の強制執行

強制執行は差し押さえだけではありません。例えば、賃貸契約における明け渡しなどの、金銭を差し押さえるのではなく、行為を強制的に行なわせることも強制執行になります。
 

給料差し押さえには上限金額がある

また給料差し押さえになったからと言って、給料全額が差し押さえられるようなことはありません。差し押さえ金額については後述で詳しく解説しますが、原則として給料の1/4までが差し押さえ金額として決められています。
 

給料差し押さえの流れ

それでは、どのような流れで給料差し押さえが行なわれるのでしょうか。給料差し押さえの流れは以下のようになります。

 

債権者からの裁判所への申し立て

まず、債権者から直接勤務先へ取り立てがされることはありません(後述しますが、税金などの国に支払うものは別です)。まず、債権者が裁判所に対し債権差押の申し立てをします。申し立てを裁判所が認可されて初めて給料差し押さえが行なわれます。

 

裁判所から勤務先への差押命令

裁判所から給料差し押さえの認可がされると、債務者と債務者の勤務先へと「差押命令正本」が送られます。これにより、債権者は第三者である勤務先から給与差し押さえを行い、債権回収をします。

このことにより、勤務先にも金銭問題の渦中にあると勤務先にも知られてしまいますし、裁判所からの命令ですので必ず従わなくてはなりません。

 

給料差し押さえは突然訪れる

給料差し押さえの通達は、それまでに裁判申し立てや、催告書などの通知は来るものの、具体的にいつ実行されるとは債務者に知らされません。理由としては、給料差し押さえの日にちを債務者が知ると、退職したり、財産を隠すなどの対策をとられてしまうからです。

とはいえ、上記のように催告書や裁判申し立てなどの、給料差し押さえの前兆は見られます。後述しますが、まだ給料差し押さえが実行されていない方であっても、前兆がみられる方は、早めに債権者と連絡を取り、対処をとるようにしてください。

 

税金や社会保険未納での給料差し押さえ

税金や社会保険など国に対しての滞納がある場合、裁判所を介さずに給料差し押さえがされる場合があります。この場合、事前に督促状や催告書などが数回にわたり送られてきますが、それに応じなかった場合、最終宣告として、最終催告書や差押予告書が送られます。

これらが送られても、具体的な期日は記載されていないものの、いつ給料差し押さえがされてもおかしくない状態になります。
 

給料差し押さえがされる可能性のある前兆

このような流れから給料差し押さえには、ある程度前兆を見極めることも可能です。給料差し押さえ事態はなんの知らせもなく突然行われてしまいますが、早めに気付いて債権者と話し合うことで事前に給料差し押さえを阻止することも可能です。
 

借金支払いに関する裁判の判決がされた後

通常の債務の場合、差し押さえは裁判の判決が出た後に行なわれます。裏を返すと、債権者と借金支払いによる裁判の判決がされているのであれば、いつ給料差し押さえがされても良い状態になっていると身構えてもいいかもしれません。
 
判決によって出た支払い命令に少しでも支払う意思が見られるのであれば、債権者も差し押さえに出てくる可能性は低くなりますので、判決内容に真摯に対応することが差し押さえを回避するための最善策だと言えます。逆を言えば、判決による支払い命令を無視し続ける行為は差し押さえの可能性を高めてしまう行為です。
 

仮執行宣言がされた後

裁判が続いている段階でも、「仮執行することができる」という仮執行宣言がされた場合も債権者は差し押さえをすることが可能になります。
 

和解や調書を作成された後

裁判によって和解、もしくは調停による話し合いで調書が作成されると争いは一旦解決したことになりますが、ただ、その和解の内容や調書に書かれた約束事を守らないと差し押さえを受けてしまう可能性も出てきます。
 

公正証書が作成されている場合

裁判が行われなくても差し押さえが行われる前兆はあります。あらかじめ公正証書が作成されているケースです。公正証書は、公証人が作成した書面の事で、債務者の前で債務の存在を認めた上で、債務・債権者両者の決まりを記載します。公正証書に書かれている内容を守らなかった場合、裁判が無くても差し押さえされる可能性があります。
 

税金や社会保険の場合

お伝えのように、税金や社会保険料を滞納した場合、その時点で差し押さえを受けてしまう可能性は出てきます。ただ、一度の滞納で差し押さえを受けるようなことはまず無いと言っても良いでしょう。
 
段階としては、催促状や催告書がまず送られてきて、その書面に対応していないと「最終催告書」や「差押予告書」などが送られてきます。そうなってしまうと、いよいよ差し押さえは目前に迫っていると言っても良いでしょうから、催告書・督促状の段階で早めに対処することが最善です。
 
【関連記事】
督促状と催告書の違い|督促状が届いた方の正しい対処法
 

給料差し押さえで生じる生活への影響

それでは、実際に給料差し押さえされてしまうと、どのような影響が及ぶのでしょうか、なんとなくイメージも付くでしょうが、こちらで給料差し押さえによって生じる影響を明記したいと思います。

 

手取りが減る

まず、もっともなことですが、給料差し押さえになるということは、本来支給される給料の一部が債権者に渡されますので、その分の手取りが減ります。いくら返済額が多いといっても、給料の全額を差し押さえられることはありませんが、生活に多少なりとも支障は出てくるでしょう。
 

給料差し押さえの金額には決まりがある

お伝えのように、給料差し押さえの通知がされたからと言って、返済が完了するまで給料の全額を差し押さえられるようなことはありません。差し押さえが許されている給料の額には決まりがあり、それ以上の金額を差し押さえすることはできません(給与差し押さえの金額については後述します)。
 

勤務先からの信頼が損なわれる

給料差し押さえされるといいうことは、当然勤務先にもそのことが知られることとなります。給料差し押さえになったからと言って、特に会社が賃金や税金等を多く支払う必要はありませんが、従業員に支払う給料と、返済に充てる金額を別に計算しなくてはならないため、面倒にはなるでしょう。

また、給料差し押さえの通達が来ることにより、「一体何があったんだ」「お金にだらしない奴だ」と、信頼を損ねる可能性は十分にあります。
 

基本的に給料差し押さえを家族に知られることはない

一方で、給料差し押さえは、会社を通して通知がされますので家族まで給料差し押さえの事実が知られてしまうということは原則的にはありません。ただ、手取りが突然下がってしまうことになりますので、そのことでご家族にも気付かれてしまうことは十分にあり得るでしょう。
 

給料差し押さえを理由に解雇には出来ない

とは言っても、給料差し押さえを理由に、企業が従業員を解雇にすることはできません。冷静に考えてみれば、会社に実害を及ぼしているわけではないので、簡単には解雇できないのです。

会社から解雇されることは滅多にないのですが、上記の通り、社内での風当りが悪くなることは十分に考えられます。給料差し押さえで不当な扱いが考えられる場合は「不当解雇の判断基準と対処法」も一度ご覧ください。

 

給料差し押さえの差し押さえ金額

上記で触れましたが、給料差し押さえとは言っても、全額が差し押さえになるわけではありません。こちらでは、給料差し押さえの金額の限度額を解説いたします。

 給与から法廷控除額を引いた4分の1が差し押さえられる

まず、給与差し押さえには、限度額があり、月々その金額までしか差し押さえすることができません。原則的に給与の法廷控除額を引いた4分の1まで差し押さえ可能となっています。

法廷控除額とは、国に治める税金や社会保険などの金額のことです。一方、会社から引かれている、共済費・住宅ローン・積立金などは除かれます。例えば、20万円の場合、5万円まで給料差し押さえができるというわけです。

 

33万円を超えると超えた全額分

また、給与から法廷控除額を引いた額が33万円以上になった場合、33万円を引いた金額全額を差し引くことができます。この場合、上記の4分の1の金額と比較して金額が高い方が適応されます。

例えば、40万円の場合、4分の1のだと10万円。33万円以外だと7万円。よって、10万円が給料差し押さえの対象になります。50万円の場合、4分の1は、12万円5千円。33万円以外は17万円。よって、17万円が差し押さえの対象となります。

 

給料差し押さえを防ぐ方法

このように、給与差し押さえは具体的にいつ行われるのか、債務者は知ることができません。また、給与差押えをされることにより、お伝えしたような生活への影響がでることも考えられます。

それでは、事前に給料差し押さえを防ぐためにできる方法をお伝えします。

 

前兆がみられる段階での早い対策

上記でもご説明しましたが、給料差し押さえは、明確な期日が債務者に知らされないものの、それまでに前兆がみられるはずです。もしも、以下のような前兆がある場合は、早めの対策を取りましょう。

 

 催告書や督促状が何度か届いている

催告書や督促状などの形で、債権者から支払いの要求がされている場合、それは、差し押さえまでの警告ともとらえられますので、早めに応じることに越したことはありません。

【関連記事】
催告書の無視は危険?催告書が届いた時の対処法と滞納リスク
 

 借金返済を求めた裁判で負けている

一度、借金の返済を求めた裁判で負けている場合は、債権者も次なる法的手段で給料差し押さえを使ってくる可能性も十分に考えられます。法的にも「借金を返せ」と言われている段階ですので、借金の返済計画を立ててください。

【関連記事】
借金返済計画|効果的な返済方法のまとめ
 

債務整理の手続きを行う

しかし、債権者の要望に応じようにも、財産が無く、応じることができない方もいるでしょう。その場合、給料差し押さえを防ぐためにとれる方法が、「債務整理」です。債務整理とは、弁護士や司法書士に間に入ってもらい、債権者と利息の返還や借金の減額を行うことです。

方法としては、自己破産、個人再生、任意整理、過払い金請求などがあります。どの方法が適しているかは、返済内容や借り先、金額などで違ってきますので、弁護士などの専門家に相談されたうえで実行することをお勧めします。

また、以下のコラムを参考の上、慎重にご検討ください。

【関連記事】
債務整理とは|任意整理・自己破産などのメリットとデメリット
 

 

▶▶債務整理が得意な弁護士・司法書士を探す

 

 強制執行妨害に気を付ける

確かに給料差し押さえは防ぎたい事態ではありますが、意図的に差し押さえを逃れたと判断された場合、「強制執行妨害」ともみなされ、懲役2年以下および50万円以下の罰則を受ける可能性も出てきます。強制執行妨害に当てはまる可能性があるケースは

・差し押さえが行われると知っている状態で(差押命令書が届いた、裁判に負けると分かっている)

以下のような行動を取った場合

・預金を別口座に移し替えた(他人名義など)

・財産を意図的に隠した

・差押シールをはがした

・財産を他人に貸した、名義を変えた

・勤務先から「職場を退職した」などの嘘の報告をしてもらう

強制執行妨害が考えられます。

繰り返しますが、差し押さえを逃れるために、安易に財産を隠そうとしたり、逃れようとすると、さらなる罰則が待っています。どうしても返済が困難な場合、上記の債務整理の方法を検討されて下さい。

 

給料以外に差し押さえられるもの

今回は、給料差し押さえに関してご説明してきましたが、差し押さえの対象となるものは給料だけではありません。

 

不動産

主に住宅ローンなどの支払いが滞っている場合、所有の住宅が差し押さえの対象となり、最悪の場合、競売に出される可能性も考えられます。競売に出され、買主が見つかると、強制的に持ち家を手放さなくてはなりません。

【関連記事】
住宅ローンを払えない人が今すぐにとるべき対策と知るべき知識
 

 自動車、家財などの財産

自動車などの高額な財産を所有している場合も、その財産が差し押さえの対象となることがあります。しかし、この場合、一度競売にかけて金銭に変えるという手間もありますので、給与差し押さえなどに比べての頻度は少ないといえます。

ただ、家財と言ってもすべてが差し押さえできるわけではありません。例えば、洗濯機、冷蔵庫などの生活家電、調理器具、ベッドなどの生活用品は差し押さえすることができなくなっています。
 

差し押さえされる可能性のある財産

差し押さえ禁止の財産

・自動車
・ピアノ
・高級家具
・美術品
・経営している店の商品  など

・洗濯機
・冷蔵庫
・調理器具
・ベッド、ふとん など

 

 預金、口座

給与差し押さえの場合は、勤務先が第三者となりますが、銀行に預金がある場合、銀行が第三者になり銀行口座が差し押さえられることもあります。口座を差し押さえられてしまうと、まとまって金額が差し押さえられてしまうでしょう。

また、預金の口座には差し押さえの金額に制限がありません。例えば、口座に50万円が残っていて、債務が50万円以上あれば口座に残っている50万円を全て差し押さえられてしまうこともあります。それによって生活に支障が生じてもおかまいなしです。
 

 まとめ

いかがでしょうか。給料差し押さえにあうと、生活費もままならない状態になりかねない非常事態ですね。そうならないためにも、日ごろから催告書などは溜め込まず、きっちり期間内に支払うようにしてください。

繰り返しますが、どうしても預貯金が足りず滞納している方は、債務整理という方法も検討されて下さい。

債務整理とは|任意整理・自己破産などのメリットとデメリット
 


▶▶債務整理が得意な弁護士・司法書士を探す
 

 

弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート


債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたを債務整理ナビの弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

借金返済に関する新着コラム

借金返済に関する人気のコラム


借金返済コラム一覧へ戻る