債務者とは|債権者との意味の違い・役に立つ知識をわかりやすく解説
債務者(さいむしゃ)とは、特定の債権者(さいけんしゃ)に対してお金を借りている、あるいは一定の給付義務を持つ人のことで、住宅ローンや自動車ローンなどの未払い、借金の滞納など、支払い義務を怠っている人の総称をいいます。
債務者に対して金銭の請求ができる権利を持つ人を債権者と言いますが、今回は債務整理における基本用語として、債務者についてご紹介します。
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債務者と債権者の違い
おさらいすると、債務者とはある特定の人に対して金銭の支払いや、一定の給付義務を持つ人のことといわれています。
この「一定の給付義務」とは簡単にいえば「債権者の要求に応える義務」のことで、他人に対して金銭の支払いなどを要求された場合に、その要求に応じる義務があることをいいます。
一方債権者(さいけんしゃ)とは、債務者に対して金銭の請求を行うことができる人のことです。住宅ローン、不動産ローンで言えば銀行が債権者となりますね。
債務者に対して債権者が持つ効力
債権者が債務者に対して行使できる「債権」には、下記の8つの効力があります。
-
給付保持力:債務者の給付を受領し、自分の財産として保持できる
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請求力・訴求力:債務者に対して給付を請求できる
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執行力=強制力※:債務者が履行しない場合裁判所に履行を請求できる
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損害賠償請求権(民415)
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契約の解除(民540以下)
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受領遅滞(民413)
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債権者代位権(民423)
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詐害行為取消権(民424)
※執行力=強制力には下記2点も含まれます。
貫徹力:金銭以外の債権が実現できる
- 摑取力(かくしゅりょく):債権の有する金銭的価値を債務者の一般財産から受けることができる
引用元:大阪大学|法学部向け資料より
債務者について知っておくと役に立つ知識
債務者と一言でいっても、様々な種類の債務者が存在します。ここでは債務者について、以下の5つの知識を紹介します。
1.連帯債務者とは
連帯債務者(れんたいさいむしゃ)とは、数人の債務者が同じ内容の債務を、それぞれ独立して全責任を負った状態にある方々のことです。
債務者の一人が万が一金銭の返済ができない場合に、債務者を増やすことで債権回収の確実性を確保することができます。
2.第三債務者とは
第三債務者(だいさんさいむしゃ)とは、債権に対する強制執行を行う際に、例えば当事者(アシロ太郎)の相手(アシロ花子)がもつ債権を差し押さえて、その債権に対して直接借金の返済を行う「第三者」のことを、第三債務者と言います。
もう少しわかりやすく言うと、あなたが友人(アシロ太郎)に1万円を貸していたとして、友人(アシロ太郎)は別の友人(アシロ次郎)に2万円を貸していたとします。
その場合、あなたとしては友人(アシロ太郎)があなたに貸金を返してくれないし、友人(アシロ太郎)にはどうやら返済能力がなさそうだということで、友人(アシロ太郎)の友人(アシロ次郎)に対する2万円のうち1万円を、裁判所の差し押さえ命令で確保し、友人(アシロ次郎)から貸したお金を取り立てようとする場合に、その友人(アシロ次郎)を第三債務者と呼びます。
債務者が死亡した場合の支払い
もし債務者が死亡してしまった場合、「相続人」に請求が行く事になるでしょう。
遺産相続においては被相続人の借金も遺産分割に含まれますので、残った相続人で借金の分割を行う事になります。
まとめ
債務者とは、債権者からお金や物を借りて返済を怠っている人の総称です。債権者は債務者に対して一定の効力を持つ場合があります。
2020年現在、感染症の影響で債務に関するトラブルが増えたという方もいるのではないでしょうか。
債務整理において、債務者や債権者という言葉はよく出てきますので、間違いのないように覚えておきたいですね。
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