自己破産が失敗する10のケースと失敗を回避する方法のまとめ

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自己破産が失敗する10のケースと失敗を回避する方法のまとめ
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2018.3.12
奨学金返済 自己破産 弁護士監修記事

自己破産が失敗する10のケースと失敗を回避する方法のまとめ

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自己破産をすると基本的に借金は全額免除されますが、場合によっては免責が認められないこともあります。自己破産を検討する方の多くは、一刻も早く借金から解放されたいと思いますが、このような失敗をしないためにはどうすればいいのでしょうか。

 

この記事では、①自己破産が失敗する原因、②自己破産に失敗しない方法、③失敗した場合の対処方法についてまとめました。

 

自己破産が失敗する10のケース

以下、自己破産が失敗に終わるケースを紹介します。

 

自己破産によるリスクを理解しておらず後悔した場合

自己破産をすると借金が免除される一方で、以下のデメリットが発生します。

 

  • 手続きの間、弁護士、司法書士、警備員、会計士などの職に就けない
  • 自己破産後、5年~10年はクレジットカードやキャッシングサービスの利用が難しくなる
  • 手持ちの家を没収される(※手持ちの家を残したまま借金を整理する方法については「 個人再生【住宅を残したい場合】」にて後述します。)
  • 保証人へ借金の返済義務が発生する

 

デメリットを理解していない状態で、手続きをしたために後悔したら元も子もありません。後悔しないためにも、自己破産をするデメリットについて事前に把握しておきましょう。

 

【関連記事】:「自己破産をする4つのデメリットと破産者の生活へ与える影響

 

裁判所から支払不能と認められなかった場合

自己破産は、裁判所から『支払不能』と見なされなければ手続きが開始されません。

 

破産法 第十五条

債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。

2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。

引用:破産法15条

 

破産法によると、支払不能を『支払期限の過ぎた借金を、一般的かつ継続的に弁済できない状態』と定義しています。明確な基準はないですが、一つの目安として利息を免除しても(元本だけで)3年以内で完済できない場合かどうかという考え方があります。

 

※まとめると以下の2点を満たす場合に支払不能と見なされる可能性が高くなります。

  • 借金の支払期限が過ぎている
  • 利息免除しても3年以内で完済できない

 

破産法 第二条

11項 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。

引用:破産法2条

 

支払不能と見なされる例

・借金360万円、月収20万円

毎月、10万円(=360万円÷36ヶ月)の返済は現実的ではないため支払不能と見なされる可能性が高い

 

・借金150万円、生活保護の受給者

保護費を借金の返済に充てることは認められていないため、支払不能と見なされる可能性が高い

【関連記事】:「生活保護と自己破産|受給者が費用をかけずに自己破産する方法

 

支払不能と見なされない例

・借金108万円、月収30万円

月3万円ずつ返済すれば3年(3万円×36ヶ月=108万円)で完済できる。

 

・借金360万円、月収100万円

月10万円ずつ返済すれば3年(10万円×36ヶ月=360万円)で完済できる

 

予納金が納められなかった場合

自己破産をするためには、裁判所に予納金(1万円~50万円)を納める必要があるため、予納金が用意できないと手続きは開始できません。

 

第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。

一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。

二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。

2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。

引用:破産法30条

 

裁判所費用が用意できない時の対処方法については「裁判所へ相談する【申立費用が足りない場合】」にて後述します。

 

借金の原因が浪費・ギャンブル・投資の場合【免責不許可事由】

借金を作った原因が、浪費やギャンブル、投資だった場合、免責不許可事由(※1)があると評価され、借金が免除されない可能性があります。しかし、免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所は裁量で免責許可を出せるので、必ずしも免責されないということではありません。

 

免責不許可事由に該当する事由は他にもありますが、以下でその他の免責不許可事由について紹介していきます。

 

《免責不許可事由(借金の免除が認められない事由)一覧》

  • 浪費・ギャンブル・投資が理由で借金をした
  • 意図的に財産を隠ぺいした
  • 換金行為をした
  • 申立から1年以内に詐欺的な借入を行っていた
  • 特定の債権者にだけ返済した
  • 過去7年以内に自己破産をしていた
  • 裁判所へ嘘の供述をした

 

意図的に財産を隠した場合【免責不許可事由】

自己破産をすると、不動産や車など換金価値(20万円超)のある所有財産は換価処分されます。そのため、不動産や車など高価な財産の名義人の変更を検討される方もいると思いますが、財産の隠ぺいは、免責不許可事由に該当します。

 

換金行為した場合【免責不許可事由】

自己破産で借金が免除されるのをいいことに、クレジットカードで購入した商品を現金に換える行為も、免責不許可事由に該当します。中には申立費用が足らず、換金行為におよぶ方もいると思いますが、申立費用が足らない場合の対処方法については「自己破産を失敗しないために必要なこと」にて後述します。

 

手続きから1年以内に詐欺的な借入を行った場合【免責不許可事由】

自己破産から1年以内に、身分証や信用情報(収入・借入額・延滞履歴など)を偽って、お金を借りた場合、免責不許可事由に該当します。

 

特定の債権者にだけ返済した場合【免責不許可事由】

自己破産は、すべての債権者(※2)の借金が免除の対象に含まれるため、中には保証人付きの借金だけを先に完済したい方もいるでしょう。しかし、特定の債権者にだけ返済(偏波返済)すると、別の債権者に対して不平等が生じるため、免責不許可事由に該当します。

 

保証人に迷惑をかけずに借金を整理する方法については、「任意整理【保証人へ迷惑をかけたくない場合】」にて後述します。

 

過去7年以内に自己破産をしていた場合【免責不許可事由】

過去7年以内に自己破産により免責が許可された場合も、免責不許可事由に該当します。

 

裁判所へ嘘の供述をした場合【免責不許可事由】

自己破産をすると、裁判所は申立人の所有財産の内容や借金を作った原因を調査します。その際に、裁判所側から不明点、疑問点について質問されると思いますが、協力的に回答しない、または嘘の供述をすると、免責不許可事由があると評価される可能性があります。

 

自己破産を失敗しないために必要なこと

続いて自己破産が失敗しないために必要なことを紹介します。

 

自己破産の対象に含まれているかどうかを確認する

まず、自身が自己破産に適しているかどうかを確認しましょう。以下、自己破産に適している人と適していない人の特徴について簡単にまとめました。

 

《自己破産に適している人》 《自己破産に適していない場合》
  • 利息免除しても借金が3年以内で完済できない
  • 自身が名義人の持ち家がない
  • 保証人付きの借金がない(または保証人と自己破産について話がついている)
  • 利息免除すれば3年以内で完済できる
  • 免責が認められない可能性がある
  • 保証人へ迷惑をかけたくない
  • 住宅を所有したい

 

自己破産に適していない場合は、個人再生(※3)や任意整理(※4)など別の方法で借金を整理することをおすすめします。また、自身に適した方法がわからない場合は、弁護士へ相談しましょう。借金や収入の状況から、相談主に適した借金問題の解決方法を提示してもらえます。

 

裁判所へ相談する【申立費用が足りない場合】

先ほどお伝えした通り、予納金を納められないと自己破産できません。もし予納金が用意できない場合は、裁判所によって分割支払いに応じているので、まずは申立先の裁判所の受付窓口へ相談することをおすすめします。

 

分割に応じてもらえない場合は、予納金が用意できるまで裁判所費用を貯金しましょう。

 

住宅を売却して費用を工面する【住宅所有者の場合】

自己破産前は、財産の売却や特定の債権者への返済は禁止されていますが、裁判所費用または弁護士費用のために、持ち家を売却することは可能です(売却価格と住宅ローンの差額分を費用に充てることになります)。

 

裁判所費用が用意できないけど持ち家のある方は、持ち家の売却を検討しましょう。

 

裁判所へ反省の態度を示す【免責不許可事由に該当する場合】

先ほどもお伝えしましたが、免責不許可事由(※1)に該当する場合でも、裁判所は免責を許可する裁量が与えられているので、反省の態度を示すことで免責が許可される場合もあります。免責不許可事由(※1)に該当する方は、自身の落ち度によりお金を返せず債権者へ迷惑をかけた事実を認めた上で、堅実な生活を送るための具体的プランを裁判所に示すことを検討しましょう。

 

手続きに不安のある方は弁護士へ依頼する

手続きが失敗することを懸念する方は、債務整理の得意な弁護士へ依頼することをおすすめします。手続きに不備が無くなる上に、裁判所における手続きを代理で行ってくれるので、手続きにおける負担がなくなります。

 

また、弁護士費用が用意できない場合は、法テラスにて民事法律扶助制度の利用を検討しましょう。一定水準以下の所得の方に限り、制度を介して弁護士費用を立て替えることができます。

 

参考:「法テラス|法律を知る 相談窓口を知る 道しるべ

 

自己破産が失敗した場合の対処方法

最後に、自己破産の手続きが失敗したときの対処方法を紹介します。

 

即時抗告をする

裁判所から免責が認められなかった場合には、期限内(免責不許可の通知から1週間以内)に、自己破産をした裁判所へ即時抗告をすることができます。抗告審で破産者の主張が認められれば、免責不許可の決定は覆り、免責が認められるかもしれません。

 

即時抗告の申立書に記載する内容は以下の通りになります。

 

 

内容の例

原決定の表示

免責不許可

抗告の趣旨

原決定の取り消し、抗告人の免責

抗告理由

  • 免責不許可事由が存在しない
  • 存在するが十分に反省している免責が妥当である など

 

即時抗告は個人で行うことは難しいため、弁護士へ依頼することが一般的です。

 

※即時抗告

一定期間内(即時)に裁判所の決定、命令に対して不服申立(抗告)する方法

 

個人再生【住宅を残したい場合】

即時抗告により免責が認められるケースは一握りです。そのため即時抗告が認められなかった場合は、別の方法を介して借金を整理する必要がありますが、利息免除しても借金が3年以内で完済できない場合は、個人再生(※3)をおすすめします。

 

借金を作った理由が問われない上に、持ち家を残したまま最大9割の借金を減額することが可能です。

≪個人再生を検討すべき人の特徴≫

  • 利息免除しても借金が3年以内で完済できない
  • 持ち家を残したい
  • ギャンブルや浪費が借金の理由である
  • 自己破産による制限される職に就いている

【関連記事】:「個人再生で借金を大幅に減らす手順と失敗しない為の注意点

 

任意整理【保証人へ迷惑をかけたくない場合】

利息免除すれば3年以内で借金を完済できる方は、任意整理を検討しましょう。個人再生や自己破産のように元本を減らすことはできませんが、利息免除されるため、返済総額を安く抑えることができます。

 

また、自己破産や個人再生はすべての債権者(※2)の借金が対象に含まれますが、任意整理は、対象の債権者(※2)を選択できるので、保証人付きの借金を対象から外すことで、保証人へ迷惑をかけずに済みます。

≪任意整理を検討すべき人の特徴≫

  • 利息免除すれば3年以内で完済できる
  • 保証人へ迷惑をかけたくない
  • 借金に過払い金が含まれている

【関連記事】:【弁護士監修】任意整理とは?デメリットとメリットをわかりやすく解説

 

まとめ

自己破産が失敗するシチュエーションと失敗を避ける方法についてまとめましたが、自己破産を検討中の方にこのコラムを参考にしていただければ幸いです。

 

出典元一覧

法テラス「民事法律扶助業務」(http://www.houterasu.or.jp/houterasu_gaiyou/mokuteki_gyoumu/minjihouritsufujo/)

 

注釈一覧

 

※1免責不許可事由

免責(※5)が許可されない理由。

※2債権者

特定の人(債務者)に対して一定の行為(借金の返済)を請求できる者

※3個人再生

裁判所から許可を得ることで、最大90%の借金が減額できる手続き

※4任意整理

債権者との直接の交渉により借金返済の負担を減らす(将来利息の免除・過払い金発生による元金の減額など)ための手続き

※5免責

本来、負うべき責任(借金の支払義務)が免除されること

【関連記事】:「自己破産後に免責になるための条件と知っておくべき対策

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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